18 あたしは女王よ!
支度を整えた四人。
「さっき言った通りだ。至って簡単。行って、豚を退治して帰ってくる。そんだけだ。足ひっぱんなよ。」
団体行動のとれないゴウキと嵐を省いた、エリカ、ミカ、ガクト、アポロの四人は、元二等級生徒の裏切り者、妖獣ミヤモンを討伐するため、学園を出て遥か南西へと向かった。
チーターよりも早く駆け抜ける四人の強者たち。小一時間もしないうちにプリンセス女学院にたどり着いた。
「津波にのって優雅に船でむかってもよかったのに。」
「それじゃコイツらの修行にならないと思ってな。わたしのスピードに着いてこれるだけの足があっただけでも成長が伺える。」
エリカが上から目線でガクトとアポロを見る。上からエリカ様。
「そんなことよりよ、ミヤモンがそんなに強くなったかを確かめてえな。」
「は。雑魚は雑魚。早いとこ終わらして帰るぞ。」
プリンセス女学院に踏みいる。設立したばかりの学校には活気もなく、他の生徒の影も見えない。校舎のほうから不気味な邪気が近づいてくる。
「あぁぁぁらお久しぶり。神学からわざわざすごい面々のお出ましね。プリンセス女学院へようこそ。学園長プリンセスミヤモンよ。」
出で立ちは前となんら変わりないミヤモンが現れた。
「残念な豚だ。学園内でおとなしくしとけばいいものを、こんなチンケな根城をつくって敵対する意思を見せてんだ。粉も残らない覚悟はとうにできてんだろ?」
「、、、。憧れだったのよぅ、アナタは。絶対的強者エリカ。この女学院に踏みいったからには生きて帰さないわよぅ。」
「笑わせやがる。豚。」
エリカが対面早々神なる拳を大きく振りかぶる。全てを貫く、全てを消し去る、エリカの拳。
「ぶ、ぶひぃ!!!!!!」
「じゃあな。豚。」
エリカ神拳炸裂!!!!!!!!
拳がまともに当たったミヤモンは、一瞬体長の半分程に縮んだかのように見え、すぐさま巨大な破裂音とともに大きく膨れあがり、弾けて無になった。
「!!!あいかわらずなんて威力のパンチだ、、、!!!」
「むろおおぉ、強者、強者。」
ほんの一瞬で勝負がきまった。まさに最強の女、神の拳をもつエリカ。
「エリカ。」
「ああ、ミカ。どうやら終わってないみたいだな。」
「たしかに豚の邪気が消えてねぇみてえだし。生きてやがる。」
次の瞬間、四人は一斉に上空を見上げた。
暗雲が一点に集中して人へと形を変えていく。人とゆうより豚に近い形だ。
ぐじゅる…ぐじゅる…
奇妙なうねり声をあげ、見たこともない豚の化け物へと姿を変えた。
「ひとたまりもない拳をだすわねぇぇぇ。わたしの中のプリンセスが目を覚ましちゃったじゃないのぅ。プリンセス猪突!!」
「!!!」
目に見えない早さの体当たりでエリカは吹っ飛ばされてしまった。
「はぁぁぁぁぁ。ぐじゅるぐじゅる。。。生きて帰さないよ。そこの魔王も海賊も変人も、、、!!」
凄まじい邪気を放ちミヤモンが襲いかかってきた。
「迎え討つ!」




