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第八話 過去の記録

クルシスの案内でやってきたのはゲート管理システムが破壊され、


ゲートとしては二十年前から使われては居ない第一ゲート・・・


使用されているゲートなら、光線防壁レーザーウォールでゲートを閉じているが、


今はもう使われていない為、強化合金による隔壁が降りている。


その隔壁の前の所に杖をついて佇む老人が居る・・・老人は隔壁を見ていた。


そんな老人にクルシスが声をかけた。


クルシス    「おう、爺さん今日は帰ってきそうか?」


老人      「ふむ・・・いつか帰ってくるわい・・・何か用か?」


老人はこちらを見ずに、隔壁を見ながら答えた・・・


クルシス    「過去の射撃場での最高記録に関して少しな・・・」


老人      「最高記録?リュウの記録がどうした?」


どうやら老人はこちらを見る気が無いらしい・・・


クルシス    「いやぁ・・・それと同じ記録を出す奴が居るんだが・・・」


老人      「何!?」


その時になってやっと老人はクルシスたちの方を見た・・・


クルシス    「そいつが記憶喪失らしくてな、まさかとは思うが・・・

         って、話聞いてるか?」


老人      「リュウ・・・ルイ・・・」


その老人はクルシスの話なんか聞いていなかった・・・


名無しとスイレンの方を見て驚いた顔をしていた。


クルシス    「んぁ?」


名無し     「えっと・・・」


スイレン    「・・・・・・?」


老人      「リュウにルイじゃないか、やっと帰ってきたのか・・・」


老人は名無しとスイレンを懐かしそうに眺めながらそんな事を言った・・・


名無し     「俺を知ってるんですか?」


老人      「知ってるも何も一緒に魔王討伐に参加した仲じゃぞ・・・」


スイレン    「魔王討伐作戦は五十三年前でしょう?」


クルシス    「その前に爺はいつこいつらと出会ったんだよ」


老人      「五十三年前、魔王討伐作戦決行の二日前じゃ」


クルシス    「・・・そのときに出会ったリュウとルイって奴に

         こいつら二人がそっくりだと?」


老人      「そっくりも何も同一人物じゃろ?」


クルシス    「こいつらは記憶喪失なんだよ・・・と言うか、

         こいつらが五十三年前のリュウとルイって

          奴と同一人物ってのはありえねぇだろ?」


スイレン    「はぁ・・・」


スイレンが思いっきり溜息をついた・・・


自分と関係のない話っぽいので落胆したのであろう。


老人      「うむ・・・とりあえずリュウに渡したい物があるのじゃ」


老人はそう言うとバッグから何かそこそこ大きい物を取り出し差し出してきた・・・


名無し     「魔導銃・・・」


クルシス    「魔銃だな・・・見た事の無い形式だが・・・どこの設計だ?」


老人が取り出したのは簡素なつくりの魔導銃であった。


片手で取り扱う風には見えない感じの銃である。


銃身が長く、遠距離からの狙撃を行うのに適している形状をしている・・・


よく見ると光学標準器スコープが付属している。


老人      「おぬし・・・リュウが戦場に忘れていった銃じゃ」


名無し     「戦場?」


老人      「魔王城じゃ」


スイレン    「そこに行けば何かわかるかも・・・」


クルシス    「んぁー・・・クエストで旧魔王城の簡単な奴あったかなぁ・・・無かったら探索で・・・」


老人からその魔導銃を受け取って、それを背中に背負った。


名無し     「ありがとうございます」


老人      「お礼なぞいらぬわ、それよりクルシスよ、嫌な予感がするわい・・・

         行くなら注意するのじゃぞ」


クルシス    「あぁ、わかったぜ、じゃぁな」


老人      「ふむ・・・わしは少し寝るかのう・・・」


老人とはそこで別れた。



その後、クエストカウンターで手続きを済ませ、


クルシス、名無し、スイレン、ミラーズの4人で旧魔王城の探索に向かった。


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