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第五話 射撃場

Fog-10とは、安定した魔導銃のベストセラーを作り出した会社が開発した、


変り種の魔導銃である。正式名称「Fog-10 前装式回転式拳銃」


シングルアクションで形状はコルト・シングル・アクション・アーミーと良く似ている。

装弾数は六発、使用最高魔法レベル20、生産数は不明。


特徴は使用者の拳銃使用能力と魔法使用能力に大きく左右される性能である、

そのため取り扱いが難しく、価格も他の魔導銃に比べると高い。


これまで初心者が簡単に扱うことの出来る安定性と信頼性、

その上安値と言う安定した魔導銃を作り出していた会社が、

何故この様な魔導銃を作り出したかは不明であるが、

「とある物好きの特別注文品であったのでは?」等と噂されている。


その関係か「魔導銃取り扱いの上級者を名乗るにはこの銃を使いこなせなければいけない」

と言われていた銃である。


現在では魔銃と言うが、魔法を利用する銃の事を開発当初は魔導銃と言った。



Fog-10を携帯するためのガンベルトを装備して、そこにFog-10を収納し、


射撃場の距離15~35mに設定された100m四方の射撃場の中心に立つ。


射的場でやった時は30発中18発命中と、全く当たらなかったが、


クルシスが「実際の戦場ならもっと良い成績が出るんじゃないか? 俺も実際戦場の方が強いからな」


と言ってくれて、ここの射撃場につれてこられたのである。


ここの射撃場は、射撃者を中心にして全方向に的が現れる&


風景を立体映像として映し出して、実際の戦場の様な感じにすることが出来るのである。


その何もない100m四方の部屋の中心部の射撃者が立つ場所に名無しは立っていた・・・


クルシス    「おう、準備は良いなー、命中精度と的中精度、それと

          射撃速度も測るからなー、落ち着いていけよー

          見た感じお前ならできるからなー」


射撃場に設置されたスピーカーから響くクルシスの声・・・


クルシス    「んじゃー、アナウンスの後に開始だからなー頑張れよ」


ブツンッとスピーカーの切り替わる音・・・


アナウンス   「これより立体射撃場での射撃訓練を行います。」


無機質な女性の声が響き渡る――


アナウンス   「訓練レベル1、訓練場所は森です。射撃レベルが高ければ高い程訓練レベルが

          上昇します。落ち着いて射撃しましょう。開始します」


ブゥンッと辺りの何もない真っ白の部屋の風景が変わり、木々の生い茂る薄暗い森に変わった・・・


その瞬間に体がガチガチになってしまい自分の意思では動かせない・・・


これは訓練の一部であり、立体映像であり、自分は絶対に安全であると言う事を


頭では理解していても、心が竦んでしまう・・・


ガサリッと近くの木々の揺れる音・・・心の中の自分はビクッと震え上がる・・・しかし、体は違った・・・


音のした方向が情報として頭の中に滑り込んでくる・・・


その方向を向く・・・銃をガンベルトから引き抜いて魔力を操り、


弾丸を弾倉の中に精製する・・・そして、撃鉄を引き起こし、射撃体勢に入る・・・


ガサガサッ・・・バァンッ…ドサリッ・・・


何か黒い影が飛び出してきたが、それが何かを確認する前に引き金を引く・・・


しかし、頭の中にはその敵の情報がすぐさま浮かび上がっていた・・・


そして、何処が急所なのか・・・どうすれば一撃で仕留められるのか・・・


そんな情報が浮かび上がった直後に体が勝手に動いていた・・・


発砲音・・・茂みの向こうで、何かが倒れる音・・・


アナウンス    「必中しました。」


敵に命中させた場合が「命中」、急所に命中させた場合が「的中」、一撃で仕留めた場合が「必中」。


アナウンス    「訓練レベルを上昇させます、レベルは3です」


アナウンスが終る・・・と、ガサリガサリと草木が揺れる音が複数の方向から・・・


敵の居場所がまるで手に取る様に頭の中に浮かび、対処法も浮かぶ・・・


何も慌てることも無く空いている手の親指と小指で掌を扇ぐようにコッキングし連続射撃を行う


体勢をとる・・・この動作をファニングと言う。


ガサッ・・・バァンッ・・・ドサリッ・・・ガサッ・・・バァンッ・・・ドサリッ・・・ガサッ・・・バァンッ・・・ドサリッ・・・


飛び出してきた・・・敵を瞬間で排除する。


敵の急所と敵がどの様に飛び出してくるか、何処を狙えば良いか・・・全てが頭の中に浮かび、


自分が何かを考える前に体が勝手に動いて、敵を排除していた・・・


名無し       「え・・・これが・・・俺?」


戸惑う間も無く、次のレベルの訓練が始まる。


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