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第四十二話 防衛拠点

治療は完璧…だが、風鈴の前線復帰は不可能だ。


傷自体は完全に塞がったが、失った血液までは魔法でもどうにもならないのだ。


風鈴の二つ名にもなっている無影戦機シャドウドールズは右に出る者は居ないと言われるほど、


防衛に向いているのである。戦機ドールズ自体はミラーズ自身も扱えない事は無いのだが、


風鈴の様に数十~数百の戦機ドールズを操る事なぞ出来る訳が無い。


精々、二~三体が限界で、しかも風鈴と違い一体一体の連携がとれず、


ミラーズ自身が短剣ナイフを持って戦ったほうが効率が良いのだ。


だが、ミラーズ自身は護衛対象が個人である場合は風鈴と同等とまではいかなくても、


それ相応な防衛が出来るのだが、護衛対象が今現在の車両になるとどうにもならない。


現在の人員で防衛が可能かどうかと問われると、微妙である。


元々が戦闘用の為、車両全体が防弾仕様のうえ、何重にも護衛結界ガードプロセスバリアが張られているので、


個人携帯用火器のロケットランチャー程度ではビクともしない。


先程から銃撃を繰り返されているが、車両の装甲に辿り着く前に弾丸は御法結界ガードプロセスバリアで防がれている。


相手がレベルの低い魔物であるならば、秋春の獄炎円陣フレイムサークルで車両を囲ってもらうだけで十分なのだが、


簡単に言えば炎に対抗する様に水系もしくは炎に阻まれる事の無い電気系の攻撃をされてしまう。


ここを防衛拠点とするのは不可能だ…だからと言って拠点を動かすのは駄目だ。


何故か通信機器が全部妨害されているのである。


十中八九この電波妨害は今襲ってきている人物達の仕業だろう。


その為、別行動をとっている名無し達と連絡が取れないのである。


このまま、ここで防衛をするのは積みである。


どうする……


秋春   「相手はそんなに数は多くねぇーんだろ?殲滅ってのはどうだ?」


クルシス 「無理だな、車両から出た所を狙われる」


秋春   「獄炎円陣フレイムサークルで弾丸ぐらい焼き払うぞ?」


ミラーズ 「出た瞬間から発動するの?車両に近すぎると御法結界ガードプロセスバリア

     阻まれて発動できないでしょ」


秋春   「うっ…だが…」


アリス  「拠点の移動を推奨します」


ミラーズ 「それだと名無し達と合流が難しくなるわ」


クルシス 「だが、こんな目立つ場所に車両と止めるんじゃなくて、せめて廃棄された建造物でも

     良いから、そこの内部に車両を止めた方が良い気がするが」


ミラーズ 「それだと生き埋めになるじゃない、建物爆破されて」


クルシス 「だよなぁ」


確かにクルシスの、どこかの建築物内部に車両を避難させると言う意見は賛成だが、


もし、相手が爆発物等を所持していた場合…と言うか、絶対所持している。


手榴弾の一つや二つぐらい所持しているに決まっているし、


コンポジション4(プラスチック爆弾)はどの部隊でも所持している事は多い。


それに爆発物が無くとも、爆発エクスプロージョンぐらい使えるはずだ。


爆発エクスプロージョン自体は比較的簡単な魔法なのだ。


とは言え、詠唱が長く、詠唱開始時に指定した部分から、爆発箇所を動かせないのだ、


その為、戦闘時に発動させて敵を倒すと言うのには不向きな魔法である。


威力は術者の技量と込められた魔力量にもよるが、


老朽化の進んだコンクリート製の建築物なんぞ、魔力量150もあれば破壊可能なのだ。


相手が魔弾のみで攻撃してきているが、これが、


魔法攻撃可能な者が居ないのか、魔法攻撃可能な者が居るが相手を騙す為に使う事を避けているのかが


判別できない。


このまま無闇に時間を潰す訳にはいかないのだが…


アリス    「エネミー反応、12から10へ減少」


ミラーズ   「え?」


クルシス   「減った?どこかに移動したのか?」


アリス    「エネミーの反応が突然消滅」


ミラーズ   「…白影かしら?」


確か白影は、存在すると言う痕跡自体を完全に消せると言う魔法を使っていたはずだ。


それだとすれば、名無し達の反応が無い所を見ると、


名無し達に何かあったのだろう………嫌な予感がする…

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