第三十四話 夜間走行
武装車両が動き出す。
都市内部に残っている魔物の反応は皆無であるという調査結果が出ているが、
それでも注意していないと危ない。
レーダーに表示されない魔物も確認されているからである。
魔物は独特の魔力場(磁場や赤外線の様な物)を発してる。
魔力場自体は魔力を持つ物全てが発している微弱な魔力の反応効果による力場である。
もちろん人間も魔力場を発している。
個人個人で微弱に魔力の性質が変化するので、一人ひとりの魔力場は多少の変化が出てくるが、
一定領域以上(高周波~低周波の様な感じ)の濃度の魔力は 人間からは検知されないので、
その一定領域内の反応は人間、もしくは獣人。
そして一定領域を外れた反応は、対外の場合が魔物である。
一部例外として魔法使用中の人間が一定領域以上の魔力場を発生させる場合があるが、
これは極一部であり、そういった人は都市公認もしくは都市に登録された住人であるので問題ない。
問題は魔力場を発生させない魔物や人間に限りなく近い魔力場を発生させる魔物である。
そういった魔物は基本的に上位種の固体とされる。
限りなく人間に近い魔力場だけでなく、姿形まで人間に近いのである。
そして、その上位種の魔物一匹で大型都市を壊滅させる事が出来る程の魔力を保持している。
そんな化け物としか言いようの無い魔物は本当に珍しいので、
生きている人間の半数が出会う事無く一生を閉じると言われている。
珍しいからとはいえ、安心して良い訳ではない。
今年に入ってから通信が途絶えた都市の数は3個である。
その内の1つで上位種の魔物がいた事が確認されている。
姿形は「赤髪の眼つきの鋭い青年」という情報のみで、他に情報はなかった。
ゴンッと車両が揺れる
その揺れによって意識が内側から外側へと向けられた。
風鈴 「おにーさんどーしたチュ?」
急に辺りを伺い始めたこちらの様子に気がついて風鈴が声をかけてきた。
名無し 「いや、なんでもない」
風鈴 「チュ?」
一瞬首を傾げた後、興味を失ったのか立ち上がって流れて行く景色を見始めた。
名無しも立ち上がって流れ行く景色を眺める。
崩れ落ちた住居、下敷きになった魔物や蜂の巣になっている魔物。
手榴弾や榴弾砲を使用したのか、合成樹脂で固められた道路の所々に
大きな窪みや爆発の痕跡が多数見られる。
そんな中、一際目を引いたのは、この都市の防衛機構の一部のガードロボットである。
見た目は執事服を着た青年のその武装は突撃銃や散弾銃等さまざまだが、
一部の固体がまだ稼動しているらしく、時折稼動音を響かせて蠢いている個体がいる。
そんな風景を眺めているといつの間にか都市の出入り口であるゲートに到着した。
地下都市のゲートは地上に向かって行く緩やかな坂が続いており、
出口部分には防衛機構と魔物を感知するレーダー設備が備え付けられていて、
巧妙に周りの風景に溶け込む様に作られている。
だが、そんな防衛機構もレーダー設備も全てが破壊されていた。
出口部分から出るとどんよりとした暗黒色の空が広がった。
車両内部の照明が灯り、燐の座っている機関砲台の銃口部分に付属されたライトが点灯する。
燐 「夜ね・・・ちょっとやばいんじゃない?」
空を見上げ、燐が焦ったように言葉を漏らす。
秋春 「確かにやばいな、早いとこ夜が開けるか都市に帰還しないとあぶねーぞ・・・」
燐の言葉を聞いて秋春もぼやき始める。
魔物の大半が視力を殆ど失っている場合が多い。
だが、完全に視力がない訳ではなく薄らとしか認知できないだけである。
そのため、暗闇の中で灯りがあると、魔物はそこに群がるという習性があるのだ。
他にも大きな音のした場所に群がったり、血の匂いが漂う場所に群がる習性がある。
灯りを消せば良いと思う人も居るだろうが、灯りを消した状態での車両の運行は
ほぼ不可能と言ってよく、暗視ゴーグル等を装備して運転するのも危険が多く無理なのである。
しかも昼間と違い夜間だと魔力の回復が遅いのである。
詳しい理由は不明だが、夜間の魔力の回復量は昼間に比べて半分以下になってしまう。
そのため、夜間に都市外をうろつくのは頭の悪い奴だけだと言われる。
クエストの時間帯の殆どが昼間なのはこういった理由からである。
車両前方の照明設備によって映し出される切り取られたかのような風景以外は、
全てが闇に閉ざされている。
今の所魔物らしい反応は感じられないから良いが、
多分都市に到着する前に魔物がこちらと接触するのは確定だろう。
魔物と接触したとしても負けるとは思わないが危険な事に変わりは無い。
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名無し様がログインしました。
作者 「やほー」
名無し 「あー、あとがき全然書いてねぇのな」
作者 「そこにつっこんだらだめ」
名無し 「んで何だ?珍しくあとがきを書くみたいだが?」
作者 「んと、感想くれくれ」
名無し 「は?」
作者 「いや、この小説の感想とか欲しいなぁー」
名無し 「えとー、作者の頭が沸いたのか、俺の耳が壊れたのか…
間違いない、作者の頭が沸いたな。良い奴だったのに…」
作者 「ねぇ、死んでないよ?生きてるよ?」
名無し 「こんな糞つまらない文章に感想だぁ?
甘ったれるなよ?他の作者見てみろ、めっちゃあとがきで
頑張ってるじゃねぇか!
稀にしかあとがき書かないお前に感想を求める権利はねぇ
後、俺もう寝る。」
名無し様がログアウトしました。
作者 「そんな…ぼろ糞に言わなくても…
と言う訳で感想を求めー…暇ならで良いんで感想とかください。
えとー、頑張って更新しますのでお楽しみにしててくださいねー」
作者様がログアウトしました。