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第二十二話 悪夢

赤黒い人の血肉と、醜く歪み姿を変えた魔物の血肉の混ざり合った液体が大地を染め上げている。


その大地の上を走り剣を振るい銃を発砲し、魔物を倒すのは人間。


爪や牙、時には翼を振るい、人の命を刈り取るは魔物。


戦力は五分と五分。


人間は協力な魔導兵器を持ち出し、魔物を粉砕していく。


魔物はその強靭な肉体と、魔法を使い、命を刈り取っていく。



一瞬だけそんな映像が目の前に広がり、霧散していく。


次の瞬間には別の映像が目の前に広がっていく。



銃を握り、真っ紅に染まった視界の中、白衣を着た女性を捉える。


瞬間に銃を相手に向け、魔弾を連続射出する。


小規模な魔法が複数同時に発動し、その女性を粉微塵にせんと襲い掛かるも、


腕の一振りでその魔法は霧散し、次の瞬間には


鼻が触れ合いそうなほどの至近距離に女性の顔があり、何かを呟いている。


コ…ロ…シ…テ…ア…ゲ…ル……口の動きからそう言っているらしい事は判った…


女性が顔を離し、右腕を振り上げ――それが振り下ろされ、自分の頭にめり込んでくる――



その瞬間で目の前の映像は霧散し、別の映像が目の前に広がっていく。



自らの手に握っているのは独特の反りを持つ刀に似た緋色の剣。


目の前に広がるのは無機質な感じの濁った白色をした壁の通路である。


その通路を自分は高速で走りぬけようとしている。


通路の進んでいる方向の天井の壁から何かが迫り出してくる。


四角い箱状の物体がせり出してきて、その箱状の物体に取り付けられた


レンズがこちらを捉えた瞬間に左右の壁から自動迎撃用火器がせり出してきて、


こちらに照準を合わせ、瞬間で射撃を開始した。


速度を全く落とさずに刀で飛翔してくる弾丸や砲弾、果てはミサイルを


弾き、刻み、真っ二つにつつも、奥に進む。


やがて、迎撃装置の攻撃も止み、通路の先に両開きの扉が見えてくる。


その扉に向かって走り、扉を叩ききり中に突入―――



その瞬間で目の前の映像は霧散し、別の映像が目の前に広がって――



変な夢を見た、朝起きた感想はそれだだった。 端的に言えばまさに字面通りの感想である。


細部まで思い出せないどころの話ではない、


薄っすらと「こういう様な感じの夢」と言う事は言えても、


具体的な質問には絶対に答える事ができない。


例えば、真っ赤な戦場で戦っていたと言う夢を覚えている。


しかし、真っ赤な理由は詳細には答えられない。


血飛沫で紅く染まっているのか、夕暮れで紅く染まっているのか、


それとも眼球に血液が溜まって視界が紅くなっていたのか・・・


そして、至近距離で少女の顔を見たと言う事は覚えていても、


その少女がどんな表情をしていたのか、 どんな造形の顔だったのかすらも思い出せない。



そんな説明をクルシスにすると、クルシスは


「何だお前・・・もしかして血が好きとかそういう奴か?」


と少々酷い感想を述べていた。




朝起きた時にはクルシスは既に目覚めていて、


クルシスがこちらの顔色が悪いのに気がついて声をかけてきたので


変な夢を見たことに関してを話したのである。



このことをミラーズとスイレンにも話したのだが・・・


名無しの過去に関して何か判るかもしれないという事でミラーズが詳細な質問をしてきたのだが、


所詮夢なので詳細までは思い出せる訳も無く、ミラーズの質問に関しては殆ど答えられなかった。



朝食を食べる為にギルドの大食堂で名無しの夢に関してを話のネタに


固形ソリッド栄養剤トリエント液体リキッド栄養剤トリエントと言う簡素な物だった・・・


味は期待しちゃ駄目だとミラーズに言われていたが、


固形ソリッド栄養剤トリエントは、簡単に言うとカロリーメイトの様な感じのクッキーっぽい物で、


液体リキッド栄養剤トリエントは、チューブ型の容器に入ったゼリーの様な飲み物である。


どちらも、味は色々な栄養薬を凝縮した物なので、最悪である。


ミラーズ 「吐かないでね、食料は貴重だから」


スイレン 「うぅ・・・」


ミラーズは普通に食べているが、スイレンは明らかに我慢しながら食べている。


クルシスは美味い美味いと言って食べている。味覚が狂っているんだと思う。


名無し  「うぅ・・・それで、今日は何をするんだ?」


とりあえず今後の予定を聞いておこうと思った。口の中にまだ味が残っている。


ミラーズ 「貴方の手掛かりが見つかると思ったんだけどね、足りないみたいだったんだけどー

     そして、次の当てがないから、居からはクエストをやってもらって、その中で記憶探しも

     やっていくーって感じかしらね?」


クルシス 「だな、基本的にスイレンと行動を共にしてもらう事になるな」


スイレン 「判りました」


ミラーズ 「そうね、名無しとスイレンは知り合いだったっぽいしね」


クルシス 「んでー、今日からクエスト受けてクリアするーってのを繰り返してくれ」


名無し  「はい」


ミラーズ 「私とクルシスは別のクエストに行くけど、貴方達二人でも大丈夫・・・よね?」


名無し  「問題ないと思う」


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