第一話 目覚め
荒廃した世界・・・魔王を名乗る者が現れ・・・魔物を統べている・・・
過去に一度、魔王と討伐せんと立ち上がる者達が居たが・・・
その者達は大きな戦いの最中に消えて・・・長い時が過ぎた・・・
少年は記憶を失い、河原で倒れているのをとあるギルドに保護される・・・
そこで出会った少女・・・同じように記憶を無くしていて・・・
そして、お互いに懐かしさを感じ合う・・・不思議な出会い・・・
少年と少女は記憶を探す為に行動を共にする事にした・・・
助けてくれたギルドへ、せめてもの償いとして銃使いとして加入した。
運命は遠い過去に紡がれていた。
しかし途中でその運命は停止していた・・・
少年と少女は出会い・・・停止していた運命がまた動き出す・・・
人間は破壊と創造を繰り返し・・・何度も同じ過ちを犯し続ける・・・
少年と少女は・・・どんな運命を紡ぐだろうか・・・
人間と同じ・・・破壊の運命を紡ぎ、滅亡を迎えるのろうか?
それとも・・・・・・・
うっすらと感覚が戻り、体中に違和感を感じる・・・
動けない・・・体が動かない・・・ここは何処だろうか?
体はまるで鉛の様に重く、拘束されているのでは?と思う程である・・・
川の流れる音がする・・・川原だろうか?
そこまで思い至った・・・しかし、そこで意識は急激に暗闇に沈んで行く・・・
ここは人が行き着いた先・・・遠い遠い未来の物語。
人々が行き着いたのは天国でも桃源郷でも無く。
何もない・・・荒廃した世界・・・
人々は魔力を科学的に生み出し、その魔力から魔法を生み出した・・・
より肉体的に優れた種を・・・人々はDNAを弄り・・・獣人を生み出した・・・
機械こそ至極・・・機械に知能を与え・・・それが裏目に出て・・・殺戮機械が完成した・・・
魔法によって突然変異を起こしたウィルスによって魔物が生まれ。
そして魔王が現れ・・・世界は腐敗し破滅を迎える。
貴方なら・・・そんな世界で何を求めますか?
うっすらと目を開ける・・・意識がゆっくりと起動を始める・・・ここは何処だろう?
??? 「大丈夫?」
声をかけられ・・・初めて人が居るのに気がつく・・・
声を発した者は白衣を来た女性である・・・ここで意識が完全に起動した・・・
白衣の女性 「大丈夫?」
もう一度聞かれた・・・とりあえず答えようと思い口を開くが・・・
??? 「大丈夫です・・・」
体中に違和感を感じるが、特に動かなかったりはしないのでそう答える。
白衣の女性 「ん~・・・まぁ、特に怪我は無いみたいだし・・・大丈夫よね・・・これは何本?」
女性は何かの紙に色々書いてから、指を一本立てて目の前に立て質問してきた。
??? 「一本・・・」
ここで二本と答えても何の特にもならなそうなので、
特に捻くれもせず正直に答える。
白衣の女性 「正解・・・じゃ、これは何?」
女性は手に持ったボールペンをこちらに見せてきた。
??? 「ボールペン」
これも正直に答える
白衣の女性 「じゃ、使ってみて」
女性はノック式のボールペンを差し出してきた・・・
カチャッカチャッとペン先を出し入れしてみる・・・
白衣の女性 「ん~・・・大丈夫っと、名前は?」
ここに来て名前を聞くのか・・・普通は最初に聞くのではないのだろうか?
とりあえず自分の名前を答えることにした――
??? 「名前は・・・なま・・・・・・・・・」
言葉に詰まる・・・思い出せない・・・
白衣の女性 「どうしたの?まさかわからないとか」
女性は笑いながら聞いてくる。
??? 「・・・・・・・・・」
こちらが何も答えないと女性は笑うのをやめ、真剣にこちらを見る・・・
白衣の女性 「まさか・・・マジでわからない感じ?」
??? 「・・・・・はい」
返事をしながらも思考の海に潜り込んでいく・・・
自分は誰だ?