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第十一話 不意打ち

貴重な情報を求めて、スイレンは相手の様子を伺う事もせずに叫びかける。


スイレン   「お願いっ、私について知ってる事を教えて!」


向けられた銃口を意識しながらも横に居るスイレンを落ち着かせるために声をかけようとするが、


その前に女の子がスイレンの足元に向かって威嚇射撃を行っていた、


スイレン   「・・・っ!!」


女の子    「黙れって言ってるのわからないかな?次は頭いくよ?」


その不機嫌な声色から次は無いと言うのが感じ取れる・・・


スイレンは余りの出来事に驚いて硬直してしまった。


女の子    「んー・・・帰るって言ったらお母様の所に決まってるじゃん?」


先程の不機嫌な声色が完全に消えていた・・・まるで別人である。


今のは名無しの質問への回答だろう・・・お母様?


名無し    「お母様?母さん?俺の母さん!?」


女の子    「あれれ?反応がおかしいなぁー・・・今回のお兄ちゃんは何か変だよー?」


女の子は不思議そうにこちらを見る。


女の子    「あー、記憶喪失のぱたぁーんかぁーこのぱたぁーんが一番面倒くさいなぁー」


名無し    「パターン?何の話だ?」


女の子は左手に持っていた拳銃を弄びながらこちらを見て溜息をついた。


女の子    「じゃー説明するねぇー」


まるで昔話を語るような調子で、淡々と語っていく内容は意味のわからないものだった。



貴方は大罪を犯しました。それはとても重い罪でした。産みの親である母親を裏切る大罪でした。


お母様は大いにお怒りになりました。それと同時にお母様は大切に育てた子供に裏切られ、


心に大きな傷を負ってしまいました。そして貴方は家を飛び出していきました。


お母様は貴方がいつまで経っても戻ってこないので、心配になって兄弟に貴方を探させました。


私は貴方を探している兄弟の内の一人です。



淡々と語る女の子は語り終えた後にこちらを見る。


女の子    「判って貰えましたか?」


その瞳はまるでガラス玉のように無機質でこちらを威圧してきていた。


名無し    「俺が犯した大罪とは?」


女の子    「それは、貴方が人間を愛してしまった事です。」


名無し    「人間を愛する?」


女の子    「そう、人間を愛してしまった、そして人間を庇おうとしたのです」


名無し    「意味がわからないぞ!」


女の子の口から発せられる言葉はまるで機械から発せられる無機質な音のようだった。


女の子    「私の説明で理解していただけないのですね?」


すると女の子の瞳の色が変わった・・・無機質なガラス玉の瞳から女の子らしい生き生きした瞳になる


女の子    「もう今回は最初から諦めちゃおう、どうせ次の世界に行けばお兄ちゃんなんて

         居る訳だしさぁー、よし、そうと決まったらこのお兄ちゃんの排除かなぁー」


いきなり女の子は早口でそう言うと可愛らしい笑顔を浮かべ――こちらを見る――


女の子    「これで何度目かな?お兄ちゃんを排除するのは」


そう言うと機関銃の引き金を引かんと――ガッキィーンッ―


ミラーズ   「何か知らないけど、貴方を捕獲するわね」


女の子    「・・・・・・」


ミラーズがバックから別の短剣を取り出し、高速で投げつけ、銃口を逸らした。


その隙にクルシスが大剣を拾って女の子に接近を試みる。


名無しもその隙にリボルバーを回収、スイレンが長杖を掴み、魔法の詠唱に入る。


ミラーズは最初に床に置いた短剣を回収し投擲した短剣を回収に向かう。


その間に女の子が機関銃をクルシスに向けて発砲。


クルシスが大剣を盾のように使い機関銃の攻撃を防ぐ。


その間にリボルバーに装填されていた弾丸の種類を高速で変える。


電撃弾スタンバレッドのレベル一である。相手を痺れさせる程度の威力の弾丸。殺傷能力は無い。


その弾丸に装填しなおした時にはミラーズが投擲した短剣を回収し、両手に短剣を持って


女の子に攻撃を仕掛けていた。と、視界の端っこにクルシスがいた。ドゴッと言う音・・・


横に立っていたはずのスイレンの姿が消えていて、


女の子に切りかかっていたはずのミラーズも消えていた・・・


背後の壁に何かがぶつかる音が響いた・・・


スイレンが居た場所には詠唱中の魔方陣だけが不自然にその場に魔法の痕跡を残していた・・・


女の子    「貴方達じゃ私に勝てないよ?」


先程の反撃が一転、またしても追い詰められてしまった、


女の子は余裕そうな顔でこちらを見ている、


先程の一手、ミラーズの攻撃は完全に不意打ちのはずだったのに、完璧に対処してきた。


クルシスを空気砲エアーショットで吹き飛ばし、ミラーズを蹴り飛ばしてスイレンにぶち当てた。


普通の人間が出来る事ではない・・・

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