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第十話 接敵

クルシスの一言で皆がそれぞれの獲物を掴み警戒態勢に入る、


クルシスは大剣を、名無しはリボルバーを、スイレンは長杖を、


ミラーズは短剣をそれぞれ手に取り構える。


前衛はクルシス、ミラーズの二名、後衛が名無しとスイレンである。


クルシス   「誰か居るな」


ミラーズ   「だね、そこの王座の後ろ、誰?」


王座のある大きな部屋、王座の後ろの壁はごっそりと消失している。


その王座の入り口から死角になっている場所から誰かが現れる・・・


???    「あはは~・・・見つかっちゃったねぇ・・・流石この時代最強の剣士さんだなぁ~」


現れたのは女の子であった・・・ワンピースを着たさらさらの黒髪の10歳程の女の子・・・


まるでかくれんぼをしていて見つかったみたいな雰囲気であるが・・・


こんな所に一人で居る女の子・・・あからさまに怪しい・・・


いくらここの辺りの魔物が討伐されて減っているとはいえ、


女の子一人で居るのは危険極まりない・・・イコールここに居るこの女の子は人間ではない・・・


魔物の中には完全に人間に擬態する物も居る・・・


大概、地下都市の外に居る武装していない人間は魔物の擬態である。


クルシス   「誰だお前・・・」


女の子    「ふぅ~ん・・・偉そうな剣士さんだなぁ・・・まぁ、いいけどねぇ・・・

         貴方に用は無いのーだから黙っててくれるかなー?」


その女の子は笑みを浮かべながら話しかけてくるが、目が笑っていない・・・


質問に対して答えない・・・対外の場合は住まう都市名と自分の名、


所属ギルドを言うのが普通・・・らしい


だが、女の子はその質問を無視している・・・


女の子    「私はお兄ちゃんを迎えに来ただけだからねぇ~」


その女の子と眼が合う・・・


名無し    「兄・・・?誰だお前・・・」


クルシス   「お前の知り合いか?」


クルシスが名無しに聞いてくるが、生憎と記憶喪失中なので覚えている訳が無い。


女の子    「あるぇ?あぁ~そうか~今回のお兄ちゃんはまだ私の事しらないよね~

         自己紹介からー?面倒くさいなぁーもう三十回目だよー?」


一人で何かを納得したように両手を打ち合わせてから、ニコニコ笑顔で語りかけてくる・・・


女の子    「私はぁー・・・ぁー」


と、女の子が右手を右側に突き出す・・・その右手が肘の辺りまで次元の裂け目に飲まれている・・・


女の子    「やっぱ自己紹介やめー、今回のお兄ちゃんが私の言う事聞いてくれなかったら

         結局消しちゃうんだしー、言う事を聞いてくれるお兄ちゃんに自己紹介した方が

         楽だよねー?何でこんな簡単な事に気が付かったんだろー?」


その女の子が右手を次元の裂け目から引き抜く――その手には機関銃が――


咄嗟にリボルバーを女の子に向け――


――ガギッ――ガンッガラランッ・・・


手に持っていたはずのリボルバーは後ろの床に落ちる・・・


女の子    「流石お兄ちゃんだなぁ~油断できないよ~」


そう良いながら女の子はいつの間にか左手に持っていた拳銃で


名無しのリボルバーを打ち抜いたのであった・・・


女の子    「さぁーて、話し合いの時間だよー?はい、武器を床に置いてねー

         変な動きをしたら次は頭を消し飛ばしちゃうからねー?」


片手で扱える風には見えない重厚な機関銃を片手で操りこちらに向け・・・


まるで見た目相応の幼さを残した楽しげな声で忠告をしてきた・・・


ミラーズ   「話し合い?武器を突きつけて話し合いだなんてねぇ・・・それは脅迫って言うのよ?」


ミラーズが短剣をゆっくりと地面におきながら女の子をにらみつける・・・


スイレンも足元に長杖を置く・・・クルシスが大剣を床に置く・・・


女の子    「はぁーい、良い子良い子~じゃー、お兄ちゃんは一緒に帰ってくれるー?」


次元の裂け目・・・数多くの道具等を持ち歩きたい時等に道具を保管しておくための魔法・・・


次元倉庫ディメンションゲートは人間のみが使う事が出来るようになっている魔法だ・・・


イコール魔物ではない・・・だが、人間でもないだろう・・・じゃあ何なのだろう?


名無し    「帰る?何処に?」


この場は落ち着いて相手から情報を聞き出すのが先決だ・・・


相手を刺激しないように質問をしてみる・・・


クルシスとミラーズは名無しの意図を悟ってくれたようで、黙っている・・・


スイレン   「名無しを知っているの!ねぇ、教えて、私の事は知らない?」


スイレンは焦っているのか怒鳴りつけるように相手に質問をする・・・


女の子    「はぁー・・・質問は受け付けないんだけどー?」


明らかに不機嫌になっている、これは不味い。

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