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第九話 旧魔王城

古き時代の中世の城を思わせるつくりの大きなレンガで出来た建築物・・・


今は使われる事も無く、大きな戦闘があったのかところどころに色々な痕がある・・・


その城は高い山の上に建っていた・・・


城の入り口側はなだらかな斜面が続いているが、


反対側は切り立った崖であった・・・


崖の下のほうには、川が流れていた。


その旧魔王城は王座があるべき所は何か大きな爆発でもあったのか、


崩れ去っていた・・・王座の後ろの壁は消し飛ばされていて、


その王墓のすぐ後ろのの穴からは切り立った崖が確認できた・・・


戦場であった事を思わせるような爆発痕等が数箇所残っていたが、


五十年もの時を経て、殆どの物は腐敗なり劣化なりして確認できなかった・・・


その城の入り口の大広間を見たときに一瞬だけフラッシュバックが見えた・・・



――燃え盛る炎の中・・・押し寄せる魔物の群れ・・・そこに切り込む肩を並べた仲間達・・・


後ろから戦車が続き・・・戦車の砲口から電撃光線(スタンレイ)が発射され・・・


敵陣の中央部分の大多数の魔物が消し飛ぶ・・・


横に居た二十代後半の青年がこちらに何かを叫ぶ・・・


そして、自分は敵陣に出来た穴から奥に進む・・・その後を少女がついて来る――



そんなフラッシュバックだった・・・その光景の中で見覚えのある物が目の前に佇んでいた・・・


砲口を天に向け・・・地面に車体がめり込んだ戦車である・・・


旧魔王城に来るのに受けたクエストは「哨戒」であった・・・


近頃、ここの辺りで中型~大型の魔物の目撃情報が多数寄せられた為、


旧魔王城の辺りを哨戒して、中型の魔物が居るのであれば討伐。


大型の魔物が確認されたのであれば正式な依頼として数十人でチームを組んで討伐すると言う、


前調査為にやってきたのである。


クエスト人数は最高6名だった。


予定通りに名無し、スイレン、クルシス、ミラーズの4人で調査に向かった。


旧魔王城につくまでは特に魔物と出会う事も無く、問題は何も起きなかった。


旧魔王城についても特に小型の魔物とも出会う事も無かった為、


記憶の手がかりになりそうな物を手分けして探しているのである。


そこで、名無しは入り口の大地に頓挫する軽戦車を見つけたのである・・・


名無し   「・・・スタン・・・レイ・・・」


スイレン  「どうしたの?」


その戦車に手を当てて考え事をしていたら、スイレンに声をかけられた・・・


名無し   「いや・・・何か思い出せるかと思ったんだが・・・一瞬だけ何か見えた気がしたが・・・

        良くわからなかった・・・」


スイレン  「・・・そう・・・」


スイレンはそう言うとミラーズが居る方へと行った・・・


クルシス  「うむ・・・これは軽戦車だな・・・型番は知らんが・・・」


と、今度はクルシスが名無しの元にやってきた。


クルシス  「何か思い出せそうか?」


名無し   「ここには来た事があると思うんですが・・・なんだか、こう・・・靄がかかってる感じで・・・」


クルシス  「ここに来た事がある?・・・倒れてた河原は確か崖下の川の下流だよな?」


名無し   「そうなんですか?」


クルシス  「あぁ・・・お前は記憶喪失だったな・・・確かお前が倒れてた河原の上流がここに

        当たると思ったが・・・何か関係あるのか?」


名無し   「さぁ・・・わからないですね」


クルシス  「そうか・・・」


そう言うとクルシスは沈黙し何かを思案し始めた・・・


名無しは名無しで自分の考えをまとめてみる事にした・・・



多分だが、自分はここに来た・・・あの老人が会ったと言うのは自分だ・・・


そして、ここで大きな戦いがあった・・・その戦いに自分と・・・スイレンも加わったのだろう。


そして、その戦いの最中・・・自分は・・・魔法に巻き込まれ時を越えた・・・のではないだろうか?


時空転移や時間転移の魔法は未だ開発されていないのでわからないが、


何らかの転移魔法の失敗によって自分は五十三年の時を越えたのでは?というのが


現段階での名無しの考えだ。


とはいえ、転移魔法の失敗によって時を越えると言うのは考えにくい・・・


転移魔法が失敗したのであれば、次元の裂け目の中を永遠と漂っているはずである・・・



考えて・・・考えて・・・思索を続けるが、特に思い出す事も無く・・・


奥に進んで王座についても、特に何も思い出せなかった・・・


落胆しながら王座のある大きな部屋に入る・・・


クルシス    「ん・・・・何か音がしなかったか?」


クルシスが何かに気がついたように辺りを見回す・・・

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