第零話
※注
第零話となっておりますが、この部分は読まなくても大丈夫です。
と言うかこのロストメモリーが完結後に、
この小説の続きを書くので、それの為の奴とでも考えてください。
選択肢を選ばないと言う選択肢は存在しない。
選択肢を選ばないと言うのは“選択肢を選ばない”と言う選択肢を選んだ事になるのだから…
??? 「はぁーだるいわぁ…」
金髪の女性が机にもたれ掛かり、机の上に置いてある書類を横に追い遣る。
美しい金髪がさらりと流れるかの様にゆれる。
??? 「駄目ですよー、ちゃんと仕事してくださいよー」
そんな金髪の女性を注意する黒髪の頭に天使の輪を浮べ、
布をそのまま纏っているかの様な服を着用した女性。
??? 「だぁってぇ、世界の管理なんてつまらないんだもん、ねぇねぇガブちゃぁ~ん」
猫なで声で金髪の女性がガブちゃん…もとい、ガブリエルに話しかける。
ガブリエル 「はぁ…アテーナー様…仕事してください…」
大きな溜息をつきながらガブリエルはアテーナーが机の墨に追い遣った書類を手に取る。
アテーナー 「えぇーガブちゃぁーん、アテナもしくはアテネって呼んでよぉ~」
頬を膨らませて子供の様に駄々をこねるアテネ…見た目は大人の女性なのだが…
ガブリエル 「アテーナー様…この書類を……」
手にとって見た書類を見て、一瞬で表情を引き締め、アテーナーを見るガブリエルだが、
アテーナー 「ふんっ」
頬を膨らませて、そっぽを向いているアテーナーが視界に入った。
ガブリエル 「…アテネ様…」
ここは自分が折れなければ話が進まないと仕方なくアテネと呼ぶ。
アテネ 「なぁ~に?」
とたんに満面の笑顔になるアテーナー…もといアテネ。
ガブリエル 「この書類の世界なのですが…」
凄く癪なのだが、こんな子供っぽい事をしているふざけた人でも、
一応はガブリエルの上司に当たる人物である。
出来る事なら今すぐにでもアイテール様に土下座してでも上司をチェンジして貰いたいのだが、
アイテール様じきじきのお願いでアテーナーの下についているので
チェンジして欲しいなどいえるはずがない。
アテネ 「ん~…ん?何々?うわぁ…世紀末みたいな世界ねぇ」
ガブリエルが渡した書類をさっと見ると、アテネは溜息をついた。
アテネ 「この世界がどうしたの?」
ガブリエル 「いえ、その世界の人間の中の、■■■■と言う者なのですが」
アテネ 「この子?この子がどうし…あぁ、無断に魂が改造されてるじゃない、
誰よこんな事したの、天国と地獄にどやされるじゃないっ!」
ガブリエル 「それが、その魂は人間の手によって改造されたみたいなので…」
アテネ 「人間が魂の改造なんて出来る訳無いじゃない、ふざけてる?」
ガブリエル 「いえ、それが元人間で今現在は強大な魔力をもった魔王になっている様で」
アテネ 「成る程、その魔王が息子の魂を改造して輪廻の機構から
外れた魂を作り出したのね…」
ガブリエル 「えぇ、それに肉体の強化と改造の所為か死ににくいですし…
この人間、このままでは輪廻を狂わせてしまうのでは?」
アテネ 「ん~…この子が死んだら別の世界に転生させて魂の修復を図ってから
天国なり地獄なりに送るのが良いわね、このまま送ったら刎ねられるわ」
ガブリエル 「刎ねられる…ですか?何がです?」
アテネ 「私の首とか私の首とか私の首とかね」
ガブリエル 「それは…笑顔で答える事なのですか?」
アテネ 「大丈夫よ、とりあえずこの世界のこの子の監視頼むわね、
その子が死んだら魂を、輪廻の間に送っといてね♪」
ガブリエル 「はぁ…この■■■■と言う人間、強化されて人外チックになってるのですが
死ぬなんて事があるのですか?」
アテネ 「大丈夫よ?死ぬと言うより世界に拒絶されると思うわ」
ガブリエル 「それは…未来透視ですか?それとも予想ですか?」
アテネ 「予想よ?その性格だと、多分過去と未来の狭間辺りに落ちて世界に拒絶されるわね」
ガブリエル 「はぁ…とりあえずアテネ様の言うとおりに致します」
アテネ 「よろしくねー」
ガブリエルが退室していった後、アテネはニヤニヤとした笑いを浮べながら呟く。
アテネ 「これで合法的に人間を転生させて遊べるわねぇ…ふふっ楽しみだわぁ
早く死なないかしら?」