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○曜日の朝

掲載日:2026/04/05

 ピピピ……ピピピ……


 目覚ましのアラームが僕の枕元で鳴る。時計の針は8時を指している。

 重たい体を起こして縮みきった関節の節々を伸ばしていく。

(腹が減ったな……)

 空っぽのお腹を抑えて僕はリビングへ行く。ドアを開けると誰も居ないリビングへ1人僕は歩く。

 テレビをつけるといつもと少し違うニュース番組が流れていた。なるほど、今日は土曜日か日曜日なのか。テーブルに置かれてある新聞の見出しを流し見する。

 多分昨日の晩御飯の残りがあるはずだ、ダラダラと前屈みになりながら冷蔵庫へ向かった。


 ある時から私に曜日や日にちという概念が消えた、これといった理由はない。ただ仕事にも遊びにも行かなくなって家にずっと籠るようになっただけで、他に何かした訳ではないからだ。

 よくネットでは華の金曜日だとか私服の土日だとかそういったことを耳にする。私には本当に無縁の話だ。

 そういうことを言えるのは、人生や社会のレールに上手く乗れたいわば成功者が言えるセリフで、僕のような全てにおいて転けてしまったドベには理解し難いセリフだ。

 彼らは僕と同じように、朝起きて仕事や学校に行って夕方に家に戻ってくるというような、ある程度のルーティーンのもと毎日時間を過ごしている。

 にも関わらず、月曜はしんどいとか金曜は頑張れるとか、日にちに対しての意識がまるで違う。僕からすれば月曜も金曜も同じようなもんだし土日だからといって特別うれしいことがある訳ではない。

 ただ……


「おいお前何勝手に冷蔵庫漁ってんだ!働きもしてないくせに生意気な!」

タイミングが悪かったみたいだ、寝起きで機嫌の悪い父がこちらへ近づいてくる。こんなときにバッタリ会いたくなかった。

「……悪かったよ父さ___」

ドン! 父が机を思い切り叩いた。

「……さっさと出ていけよ全く、近いうちに追い出すか殺してやるからな……」

 ただ僕は、何か起こるかもしれない○曜日を恐れ、日々部屋で家で縮みこんでいる。

 今日がその○曜日にならないことを心の中で祈りながら……


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