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AI少女とゲームクリエイターの世界創造日記 〜AI少女を愛した開発者はアタシです〜  作者: せーぶうわがき
第1部

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第26話『ニ"ャハハハハハハ!』

 ――繰り返し弱点を突かれ、凪の足腰はぷるぷるとふるえていた。


 "ネームレス・セレス" は、その壊れかけの身体を玩具(おもちゃ)のように抱き上げる。



『な~にぃ?』

『おねえちゃんの耳ぃ、ざこざこのざこじゃ~ん』


『いつものエラそうな態度は~、どこ行ったのカナァ?』

『ねぇねぇ』



「クッ……コロセッ」

「こんな姿……妹に顔向け……く、んっ……!」



『にゃは♡』

『まだまだ、余裕ありそうじゃ~ん』


『それにぃ、妹ぉ~?』

『ねぇ、()()()()()って言ったよね~♪』


『あ~むっ』



 甘噛みをしていた唇は、歯を立てて、凪の耳を強く噛んだ。


 電流が走ったようにビクッと、腰を跳ね上げる。



「ん……は、ぁ……や、やめ……っ」


「(くっ、リモコンさえ……どこだ)」



『……ねぇねぇ、ざこおねえちゃんが探してるのって、コレぇ?』


『ん~? だめだめぇ』

『ざこおねえちゃんがぁ……()()()1()()って言うまで止めないんだから』


『ほーらっ、がんばれがんばれ♡』



 凪はリモコンに手を伸ばそうとするが、腕にも力が入らず焦らされる。


 トドメのご褒美(かみつき)をしようとしたその時―― "ネームレス・セレス" の口から、ピリッとした "別の声色" が飛び出した。



『――ダメだよ。セレスちゃん』

『おねえちゃん、(わき)を指で押し込んで』



「はぁはぁ……七海なみ、か」

「こ、ここか?」


「ぽちっとな」



 ピタリと止まっている "ネームレス・セレス" の両脇を、中指でグイっと押し込んだ。



『ぷっ……』

『ニ"ャ……ニ"ャハハハハハハ!』


『むりむりぃ……そ、そこっ……だめぇ』



「な~るほどっ♪」

「ここが弱点、ってワケかぁ」



『ちょ、ちょっと……待とぉ~?』

『ねっ。いちじきゅうせぇぇん』


『ほら、コレぇ……リモコンも返すからぁ』



 息を切らしながら、"ネームレス・セレス" はあざとく降参する。



「むふん」

「ねぇねぇ、さっきまでの偉そうな態度はどうしたのカナァ?」


「ざこセレスちゃ~ん♡」

「こちょこちょこちょ~」



『ニ"ャハハハハ!』

『ご、ごべんなざい! ニ"ャハハハハ!』


『はぁはぁ……ダメだってぇ……バ、ばとんタッチぃ』



 凪は押してくれないと判断して、"ざこセレスちゃん" は自ら持っていたリモコンを "OFF" にした。


 

 

 ――床に押し付けられ、ピタリと止まっているセレス。


 

 凪はまだ、セレスの(わき)から手を放していない。




『あ……あのぉ……凪さん?』

『その……そろそろ……放してほしいのですが』



「…………」

「ねぇねぇ、セレス」


「"ざこセレスちゃん" になってた時、意識あった?」



『…………』

『い、意識? な、ナンノコトデショウ?』



「…………ふーん」

「そっかそっか。覚えてないかぁ」


「こうしたらさぁ……思い出すカナァ?」

「ざこセレスちゃん♪」



『や、止めっ……アハハハハ!』

『分かりました! 意識ありました! 意識ありましたからっ!』


『…………はぁはぁ』

『あ、ありがとうg――』


『アハハハハハ!』


『なんでぇ! 言ったのにぃ!』

『正直にイッ……アハハハ!』


『も、もぅ…………やめっ!』


『アッ――』



 セレスは、笑いの防波堤ぼうはていを超えてしまったのか、ピクリとも動かなくなってしまった。



「ありゃ。やりすぎちゃったか」


「にしても……すげぇ顔して気絶?してんなぁ」



 ***



『むっっすぅぅ』



「あ~ん、もう。"ロリせれちゅたん" は可愛いなぁ♪」

「よちよちよち」



『早く()()させたらどうですか?』

『むっすぅぅ!』



 あれから凪は、いつもの調子で、今日リリースした "せれちゅたん" イベントを遊んでいた。



「えー、だって、もったいないじゃんかぁ」

「進化先の管理AI・セレスは目の前にいるしぃ……むくれてるけど」


「怖いおねえちゃんでちゅね~?」



『ネ~』



 進化前の "せれちゅたん" も一緒に、"ネ~" をする。



『もう! 付き合わされる方の身にもなってください!』

『8時間ですよ!?』


『……しかも、ずっと抱っこして』


『今日のプレイヤーの動向とか、確認する方が先ですよね!!』

『むっっすぅぅぅ!!』



「分かった! 分かったから!」

「その口で "むっすぅ" って言うのやめてくれ。可愛いんだが」


「まぁ、不具合も出てないみたいだし、引き上げて大丈夫そうかな!」



『……ふん』

『私の部屋に行きますよ!』



 "可愛い"という言葉に、ちょっとまんざらでもない顔をするセレス。

 パチンと指をはじき、ドアを出現させスタスタと歩いて行った。



「それじゃ、せれちゅたん♪」

「またお姉ちゃんと遊ぼうネ~」



『ネ~』



挿絵(By みてみん)



『――チッ!』



 ***



「セレス様」

「それではそろそろ、本日の "MAU" でも確認しましょうか」



『……肩』



「ハイハイ。なんなりと!」



 凪は、いじけているセレスの肩を揉みながら機嫌をとっていた。



『……足』



「はい! おおせのままに!」



 セレスは、凪に足を揉ませながら、MAUが表示されているウィンドウを確認する。



────────────────────

【現在:2150年3月10日 MAU】

6,900,265人


【1,000万人未達成の場合:ワールド消滅】

※期限:2150年3月31日まで(2/14改定)

あと3,099,735人

────────────────────

※MAU=ひと月に1回以上、"ワールド:日本" に訪れるプレイヤー数



『ふん』

『 "せれちゅたん" イベント初日で、約50万人増ですか』



「はっ!」

「セレス様、上々(じょうじょう)にございますっ!」



『明日以降は……私のネームレス・セレスの "ARG型プロモーション効果" で、なんとか3月末までにMAU1,000万人に到達できそうですね』

 ※ARG型プロモーション=第25話参照



「はっ!」

「セレス様のご活躍があってこそでございます!」



『……あの』

くるしゅうないので、そろそろ普通にしてください』



「はっ!」



 セレスは尚もふざけようとする凪を、キッと睨みつけた。

 そして、ひざまついていた凪を、自身の横に座らせる。



「あはは、ごめんごめん」

「うーん、まぁ、問題ないかなぁ」


()()()()()()()、ね」



 凪はセレスの手を、ぷにぷにとマッサージしながら、何か考えているようだった。



『何か心配ごとでも?』



「いや、確証はないから、今は……大丈夫かな!」

「まだわからんが、そのうち()()()()()()()()()んじゃないかなぁ」


「まっ、心配してもしょうがない!」

「今日はお前の頑張りもあって、"大成功" ってことで~~~?」


酒盛さかもりだぁー!!」

「セレス! とっときの日本酒出してぇ♪」


「一緒にみ明かそうず!」



『はいはい』

『取ってくるので、手を放してもらえます?』



「えー、もうちょっとぷにぷにさせてよ~」


「はぁ…… "せれちゅたん" の手もぷにぷにだったなぁ」



 凪の余計な一言に、またセレスの頭に怒りマークが点灯する。



『どうせ私は、一番じゃないですよーだ』

『へーんだ』



「へーんって面白いこと言うのやめろよ、草」


「あ! まだ "ざこセレスちゃん" が残ってるかなぁ」

「こちょこちょ~♪」



『アハハハハ!』

『や、やめっ……コラァァ!』



 ***



 ――3月13日 某所ぼうしょ



『――"ワールド:日本" に、プレイヤーが流れておる……何事か』


 暗がりの中で、頬杖をつき、()()()()()()()()()()()()()()()がそこに居た。



『ククッ……セレス……否。()ちた遺物(いぶつ)めが、まだ足掻あがいておったか』


『遺物は遺物らしく、速やかに消え失せればいいものを』


『まったく……の手を(わずら)わせおるわ』



『まぁ、い』


『全ワールド最大規模 "ワールド:中国" の管理AIである――"ユイシェン・エンクラティア" が、直々に、だんを下してやろう』



―第27話につづく―

どうも、せーぶうわがきです!


早いもので、もうセレスたちのワールドが消滅するまで、残り半月ほどになってしまいました。

そして遂に、第18話でセレスが言っていた「ワールド:中国の管理AIのあの子」の登場です!

「ユイシェンちゃんが気になる!」

「凪さんの弱点……ふぅ」

「ざこセレスちゃん、可愛かったよ~」

など少しでも思っていただけた方は軽はずみに★★★★★をいただけると、軽はずみに私がにっこりします(´・ω・`)←?

(いつも皆様から元気をいただいております!本当にありがとうございます!)

皆様の応援もあり、ついに日間20位以内にランクインしました!

ランクインしたからか、より多くの皆様に読んでいただけて、嬉しくて床に転がっております。


あ、挿絵にもなっている"せれちゅたん"ですが、第12話で凪とエンプが一緒に作っていた秘密兵器になります。

この子を作っておりました!

横にいる小さい白クマは、"ホシ娘"は育成バトルゲームなので、戦闘はこの子たちがファンネルのように戦ってくれます。

本人は可愛く"ネー"ってしています。


ではでは!第27話でお会いしましょう!

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― 新着の感想 ―
中国の娘がどう関わってくるのか楽しみですよ。 (「`・ω・)「
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