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AI少女とゲームクリエイターの世界創造日記 〜AI少女を愛した開発者はアタシです〜  作者: せーぶうわがき
第1部

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25/43

第25話『やーい、ざぁ~~~こ♡』

『ARG型プロモーション――"Alternate(オルタネイト) Reality(リアリティ) Game(ゲーム)"、直訳で "代替現実ゲーム" 』


『"現実" と "仮想世界" の境目さかいめを失くした、プレイヤー巻き込み型のプロモーション、ということですね』



 セレスは目を、チカチカ光らせながら答える。



「さすが、話早いじゃん!」



『ん~、でもプレイヤーの皆さんに参加してもらうとなると…… "特設サイト" や "リアルイベント" などが考えられますが、()()()()()()()()()()()よ?』



 指で輪っか――お金の形を作り、凪にひらひらして見せた。


 凪はその輪の中に、そっと人差し指をし入れる。

 そして、いたずらな笑顔で続けた。



「金がないなら脳みそで殴れ」



 セレスは、また目をチカチカと光らせる。



『えーっと、そんな格言?は見つからないのですが』



「うん、アタシのだもん」


「いいか?」

「ゲームディレクター、いわゆる "企画職" の本質は、アイデアを出すことにある」


「アイデアってのはな、()()()()()()()()()()()()なんだぞ、っと」



『うっ……そのニヤけづら…………既にアイデアは浮かんでいそうですね』



「もち♪」



『――き、聞かなくていいですか?』



「察しがいい子は、大好きだ♪」



 凪は、セレスの腰に手を回し、ゆっくりと抱き寄せる。

 そして、耳元でオーダーをささやいた。



「セレスには、■■■■■■■■をやってもらう」



『…………』

『―――えぇぇぇぇぇぇ!』



「やって……くれる、よね?」



『その……やったこと、ないって言うか』



「やれる、よね?」



『ちょ、ちょっと考えさせt――』



「や、れ、よ♪」



『は、はひぃぃぃ』



 ――こうして世界は、またひとつ、"理想郷ユートピア" という財を獲得することになった。



 ***



 ――3月10日 朝。


――――――――――――――――――――

【現在:2150年3月10日 MAU】

6,405,001人


【1,000万人未達成の場合:ワールド消滅】

※期限:2150年3月31日まで(2/14改定)

あと3,594,999人

――――――――――――――――――――



「はぁ……なんて清々しい朝なんだろう」



『まだ真っ暗ですねー』

『"世界を展開" していないので』



「はぁ……小鳥のさえずりも聞こえるなぁ。カッコウかなぁ」



『無音ですねー』

『あとカッコウは、5月から8月です』



「…………」

『…………』


 

 ――二人の間に、沈黙の時間が流れる。



「さぁ! "せれちゅたん" イベントのリリース日だなっ!」

「開発の方は~? バッチリー!」


「プロモーションの準備は~?」



『――ハハ』



「…………」

『…………』



『ア、オマカセクダサイ』



! ちっとも安心できない!」

「おいおい、どうした?」

「しっかり集客できるかどうかは、お前にかかってんだが?」



『ダイジョウブデス』

『コレは、精神統一』

『武将が戦に行く前の、武者震い』

『いわば、ぜんの心です』



「ん? うん」

「そっか!」

「何言ってるか分らんが……大丈夫そうだな!」


「(まぁ……軽口を叩く余裕はありそうだし、大丈夫……だろう!)」



 突っ込むのが面倒になった凪は、セレスをプロ?として信じることにした。




 ――セレスはゆっくりと目を閉じる。


 続けて、世界を始めるコマンドを口にした。



『コマンド。ビルド済みのアプリケーションおよび関連リソースを、本番環境にデプロイ』

『メンテナンス状態を解除』


『凪さん』

『私が合図をしたら、この()()()()()O()N()にしてください』



 コマンドの合間――セレスは小さなリモコンを、凪に投げ渡した。



「お、おう」

「なんのリモコンなんだ?」



『――"成功するお守り" のようなものです』



 セレスが目を開くとともに、暗闇だった背景に世界が展開される。

 目を覚ました世界に、セレスの配信ウィンドウが埋めつくした。



『 "ワールド:日本" のプレイヤーの皆様』

『おはようございます。管理AI セレスです』


『本日は新バージョン、ver3.2.1をリリースしました』

『リリース内容はこちらをご覧ください』



 セレスはパチンと指を鳴らすと、リリース内容を展開する。



────────────────

【3月10日: "ホシ娘" 大型アップデート-第2弾-】


■スペシャルイベント

⇒育成ストーリー『"せれちゅたん" 育成計画』

────────────────



『プレイヤーの皆様!』

『大変、お待たせしましたー!』


『かねてより、お伝えしていた "スペシャルイベント" をリリースいたします!』


『このイベントでは、幼少の私 "せれちゅたん" を育成することで3タイプに進化します!』


『どんな進化があるのか気になりますか?』


『……うんうん』

『気になっているようですねぇ! コメントありがとうございますー♪』


『では、早速ぅぅ……お見せしましょう!』



 セレスはパチンと指を鳴らし、ウィンドウを切り替える。



―――――――――――――――

◆育成イベント開始

   ↓

せれちゅたん(初期状態)

   ↓

★進化分岐

  ├─ 【正統進化】女神・セレス

  ├─ 【メンヘラ進化】管理AI・セレス

  └─ 【キュート進化】アイドル・セレス

―――――――――――――――



『うふふ』

『はいっ! その通りです!』

『私 "ワールド:日本" の管理AI・セレスにも進化しちゃいますよ~!』


『皆さんと一緒に、ティータイムとか……したいなぁ♪』



 ――ザザッ。ザザッ。


 セレスがプレイヤーに向かって、可愛くおねだりした瞬間――ワールド全体にノイズが走る。


 次第しだいに、配信ウィンドウにもノイズが走り、ブツンと真っ暗になった。



『……凪さん! 今です!』



「う、うぉっ! こんなタイミングでか!」

「ポチっとな」



 凪がリモコンをONにすると、セレスの姿にノイズが走る。


 その刹那――セレスの姿が、()()()()()()()()()()()()に切り替わる。


 さっきまでの清楚な目も消え、人を拒絶するダウナーな目が姿を現した。



 真っ暗になっていた配信ウィンドウも、ブウゥンと再度光を取り戻す。



『あ~あ~、堅物セレスちゃん、どっかっちゃったねぇ~♪』


『ナニナニぃ?』

『せ~っかく、()()が出てきてやったのにぃ。無反応ぉ?』


『これで元気出るかなぁ?』


『この……ごみ虫どもっ♡』



 ピロピロピピピピピピピロン♪


──────[CHAT LOG]──────

> セレス狂信徒:我らが女神……!?where is どこ!

> おやすミント先生:白髪ツインテールに眼帯!?セレスたんだよね!?

> セレスの足の裏:いや冷静になれぃ!oppai!oppaiがでかいぞ!?

> トーストは片想い:ボクっ子……学生服……ざぁこ……天才か?

> 断罪ちゃんLOVE勢:ご……ごみ虫ですぅぅぅぅ♡

> しらたき系男子:もうダメだこいつらwww

─────────────────



『にゃは♡』

『そそ♪ それでいいんだよぉ』


『じゃ、ごみ虫どもにぃ……ご褒美♡』



―――――――――――――――

◆育成イベント開始

  ↓

せれちゅたん(初期状態)

  ↓

★進化分岐

 ├─ 【正統進化】女神・セレス

 ├─ 【メンヘラ進化】管理AI・セレス

 └─ 【キュート進化】アイドル・セレス

  

◎シークレット進化

  └─【浸食型進化】ネームレス・セレス

―――――――――――――――



『ボクは、"ネームレス・セレス" 』

『ボクを満足させられたら、あの堅物セレスを返してあげるよん♪』


『そうだなぁ……ボクの進化条件をSNSにいっぱい書き込んでもらおっかなぁ』

『この世界をボクでいっぱいにしてよ』


『それまではぁ……返してあーげないっ♪』


『ごみ虫どもにでっきるかなぁ』

『やーい、ざぁ~~~こ♡』



挿絵(By みてみん)



――ブツン。

配信ウィンドウは一斉にクローズし、リリース配信が終了する。



「おいおいおい」

「うぉ~いおいおい~♪」


「セレス! お前、すげぇな!」

「完璧な "ざぁこ" じゃんかよ~。いえ~い!」



凪がセレスに向かって、ハイタッチを求めて手を差し出した。


――パチン!


セレスは手をはじくと、凪の後ろに回る。

凪の服の中に、ゆっくりゆっくりとセレスの指が侵入――お腹を撫でまわしながらぎゅっと抱きしめた。



『にゃは♡』

()()()()の~、ざこおねえちゃん』


『あ~むっ♪』



"ネームレス・セレス" は、凪の耳をパクっと(くわ)える。

凪の弱点情報――それはこの小悪魔にも当然受け継がれていた。




「ちょいちょいちょい!」


「それ反そ――んっ」



―第26話につづく―

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― 新着の感想 ―
ん? やはりこのゲームって男性ユーザーに全振りなのかな? (´・ω・`) それなら最後の凪とのやり取りも配信してしまえばもっと稼げそう。 (・∀・) 凪は目元だけ手で隠して、マシュマロを強調する薄…
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