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エチュード

土曜午前の愚痴ポエム(ポエムでない)

 スーパーで買い物をした。


 店員が米を陳列していたから迂回しようとしたところ、ふと米の値段が気になった。私は足を止め、少し離れて値札を雑に見ようとした。すると店員が気を遣い棚の前を空けてくれた。買うつもりはないので何だか申し訳ない。ちらりと二、三確認してだいたい四千円前後と分かったから「すみません」と小声で言って店員の前を通ったその時、彼も疲れていたのか、マスクの中でぼそりと声が漏れていた。「あっ、買わないんすか」声が低く、くぐもっていたからか、ちょうど非難するような言い方だった。失礼な奴だ。私はいらりとした。


 豆乳を買うよう言われていた。私も豆乳は好きである。つい先ほど喰らったもやくやを吹っ切るためか、冒険したい気分で、未経験の紅茶味を買ってみようと白いパックに手を伸ばした。親子が近づいてきた。幼い子供が豆乳に興味を示す。母は子供をコントロールしようと「それ豆乳、豆のミルク」ばっちいものを拾ってくるな、の言い方だった。子供が「おええ」と言った。母も「おええ」と鸚鵡おうむ返しで、純粋な親子が私の後ろを通り過ぎる。私は「おええ」を三つ買った。直接でないとはいえ、見知らぬ人間に味覚を馬鹿にされたのは衝撃だった。無邪気な子供はかわいい。だが母親は許さん。民度の低いこの町に、いらりとした。


 陰湿な奴がすかさずネットに書きたがるから、迂闊うかつな口は閉じておく方がよい。


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