007 オーガ討伐、テンション上がりすぎて変な踊り
ギルドで受けたのはCランクの討伐依頼で、オーガの群れを倒しに行くことに決めた。山道を進んでいくと、すぐにオーガたちが現れた。数は少ないけれど、気を抜いてはいけない。
「行くよ!」
エルフィーナの声が響くと、背後から魔狼が現れた。彼女は遠吠えをひとつ、オーガたちに向けて放つ。
「ウオオオオ!」
うるさっ!耳が痛くなりそうだ…。でも、まあ、オーガたちが驚いたのは間違いない。
そのすきに、エルフィーナは魔狼たちを一気に召喚して、オーガたちを囲いこんだ。戦局は完全に彼女のペースだ。
「さすがエルフィーナ、魔狼と一緒にオーガをさばいてる感じだな…まるで料理番組のようだ!」と、内心でつぶやきつつ、私は準備を整える。
「ユイナ、行け!」
エルフィーナが指示を出すと、私はすぐに走り出した。戦闘に慣れてきたとはいえ、油断したくはない。リチャードも呪文を唱え、私に魔法をかける。
「これで、頑張ってください!」
「ありがとう、リチャード!」
その瞬間、私の体に力がみなぎった。でも、ちょっとオーバーすぎる…体中から力がみなぎって…やばい、鼻血が吹き出しそうなんだけど!?
その力を存分に使い、私はオーガの胸に斬撃を放った。オーガはひとたび倒れ、残りのオーガたちも次々に片付けられていく。リチャードが再び呪文を唱えた。
「スロウ!」
リチャードの魔法が効いて、オーガたちの動きが鈍くなった。そのすきに、私はどんどんオーガを倒していく。
エルフィーナも魔狼たちと共にオーガたちを囲んで、順調に倒していった。
「やったね、ユイナ!」と、にっこり笑いながら言うエルフィーナ。
でも、まだ終わらなかった。倒したと思ったオーガの中から、まさかのキングオーガが登場した。
「それ、依頼書には記載がありませんでしたが…」
リチャードが疑問を口にする。そう、載ってないよ!こんな巨体、先に言っといてよ!
「エルフィーナ、私をサポートして!」
私は剣を握り直して、一歩前にふみ出した。こうなったら、全力で行くしかない。
「了解!」
エルフィーナが魔狼たちを引き連れて、キングオーガに向かって走り出す。威嚇の遠吠えを響かせるが、ぶっちゃけうるさい。でも、まあ、気持ちはわかる。
「お嬢様、気をつけて!」
リチャードが私に魔法をかける。
「これで力を発揮してください!」
なんだか全身が熱くなってきて…このままじゃテンション上がりすぎて変な踊りしちゃいそうなんだけど!?
「じゃ、行くぞ!」
私はキングオーガに向かってかけ出し、一気に斬りつける。キングオーガは少し手ごわかったけど、無事倒すことができた。
「勝った!」
エルフィーナが笑顔で近づいてきた。
「ちょっとやりすぎたかな?」
私は剣を収めながら、照れくさく言う。
「お疲れ様でした。」
リチャードが満足げに歩み寄ってきた。
「お見事でした、ユイナ様。」
その後、私たちはギルドに戻り、報酬を受け取った。
報酬内容:
金貨1000枚
依頼内容に見合った報酬金額。オーガの群れの討伐に多少の困難があったため、少し豪華な金額が支払われた。
「金貨1000枚か…まずは宿代と食事代を確保して、それから少しだけ贅沢して新しい装備を買おう!いや、でも、スイーツでひと休みするのもいいな…どっちが先かな、迷っちゃう!」
『オーガの大牙』
オーガ討伐の証として、貴重な素材が支給された。この牙は、高価な薬や装備の材料として使われることが多い。特に高品質なものは、精緻な武具や薬品の製作に役立つ。
「これ、次の武器に使えるかな…いや、これだけがんじょうなら、かたいせんべいも粉々になりそうだな!」と言いながら、牙をじっと見つめる。
特殊ポーション『獣の力』
使用すると、一定時間、身体能力が強化されるポーション。
「戦闘にめっちゃ役立ちそう!エルフィーナ、これきっと大喜びするだろうな!」
ギルドの名誉証書
パーティー全員に授与される名誉の証。この証書を所持していることで、他の冒険者たちから一目置かれ、ギルド内での評価が上がる。
「これで少しは他の冒険者にもリスペクトされるかな。うん、良い感じ!」
私はちょっぴり達成感を感じながら報酬を受け取り、仲間たちと一緒に次の冒険の話をするのが楽しみだった。どんな壁が立ちはだかっても、私たちなら必ず突破できる。だって、エルフィーナとリチャードがいるからね。
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