003 運命のカジノクイーン、今日も運頼み!
リチャードは私のステータスウィンドウをじっと見つめていた。何かを考えている様子だ。
「お嬢様、ちょっと面白いことがわかりましたよ。」
彼がにやりと笑った。
------------------------------------------------------------------------
キャラクター名:ユイナ
称号:運命のカジノクイーン
種族:人間
性別:女性
レベル:25
<基本ステータス>
戦闘力:1000
HP:1500
MP:300
攻撃力:50
筋力:25
防御力(物理):30
防御力(魔法):15
魔力:120
知力:18
命中率:90%
敏捷性:110
回避率:70%
スタミナ:120
信頼度:60
魅力:95
運:200
経験値:0/1000
<装備>
武器:なし
防具:キャミソールワンピ(魔法防御+10、魅力+20)
アクセサリー:運命のリング(運+10、回避率+5%)
<固有スキル>
???(成長して覚える)
<その他>
所持金:0ゴールド
ルーン:(現在装備していない)
--------------------------------------------------------------------------
「運命のカジノクイーン?」と、私は眉をひそめて聞き返した。
「はい。あなたの運、すごいですね。」
リチャードが指さす先の数字「運:200」に目を凝らす。もう一度スクロールして、他の数値を確認したけれど、やっぱりそれが目立つ。
「こんなに運が高いキャラクター、珍しいです。」
リチャードは興奮気味に続ける。
「きっと、あなたが何もしなくても、勝手に幸運が舞いこむんです。しかも、全く気づかずに。」
「それって…うっかり幸運がやってくるってこと?」
私はあまり納得がいかない顔で言った。
リチャードは軽く笑ってから、「そうですね。どんな危機的状況でも、あなたの周りに偶然助けが現れるような…」と、楽しげに話している。
私はしばらく黙って、そのステータスウィンドウを見つめた。運が200って、普通じゃない気がするけど、確かに気づかないうちにラッキーなことは多かったかもしれない。酒場でのあの事件だって、結局は偶然に助けられたし。
「じゃあ、私は…運だけで冒険してる感じ?」と、私はつぶやいた。
リチャードはうなずきながら、「まさにその通り。あなたの運が、これからもどんな奇跡を起こすのか、楽しみですね。」と、目を輝かせた。
「なるほど、私、運だけで乗り切るタイプか。」
私は少し照れくさそうに笑う。
「じゃあ、次は宝くじでも買ってみようかな。運がいいから、きっと当たるでしょ!」
リチャードは呆れているようで、「あながち間違いでもないかもしれませんね。」と肩をすくめた。
私は手を広げて、「さあ、運命よ! 今こそ私のチャンスを与えてくれ!」と、ちょっとおふざけ気味に言ってみた。
リチャードは無言で笑っている。私たちの間に、少しだけ柔らかな空気が流れて、なんだか少しだけ安心した。
「じゃあ、まずはその運を試すために、冒険を始めてみましょうか。」
リチャードが言う。
私は元気よく立ち上がり、「そうだね! 今ならどんなことだってうまくいきそうな気がする!」と、胸を張って答えた。
その言葉を聞いて、リチャードもまた少し笑みを浮かべた。
「ああ、あなたならきっと大丈夫。運を信じて、進んでいこう。」
これから何が待っているのか、わからない。でも、きっと私は、どんな困難だって乗り越えていける気がした。だって、私は「運命のカジノクイーン」だから。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。