001 追放されたユイナ、最強の執事に拾われました
「俺はできそこないの村人Aなんだが、幼なじみのダークエルフの超絶美女が何かと勇者にしようと企んでいる!」の続編です!
前作を読んでいない方にも楽しんでいただけるよう、今回の物語は初めての読者様にも自然に世界観に入れる構成にしています。安心してお読みいただけますので、どうぞご期待ください!
<ユイナ>
私は「クリムゾン・ガーディアンズ」の一員だった。ある日、酒場でパーティーメンバーに呼び出された。タツヤンが冷たい目で私を見ながら言った。
「ユイナ、お前をパーティーから追放する。」
リカも無情に続ける。
「あなた、私たちが稼いだ経験値を盗んでいる。」
デナヤンも冷ややかに言った。
「これ以上、ただ飯を喰わせるわけにはいかない。」
ポカッチが顔をしかめて言う。
「無能なクセに。」
周りの客たちが私を注視していた。言葉が出なかった。涙がこぼれそうになるのを必死にこらえ、私は店を飛び出し、外へかけ出した。
「私だって、必死に戦っているのに…」
外に出ようとした時、タツヤンが冷たく言った。
「装備もアイテムも、全部置いて行け。」
ポカッチが嫌悪をこめて言う。
「本当に厚かましい。」
デナヤンも同調した。
「そうだ、そうだ。」
リカは私を冷たく見下ろしながら言った。
「全部、私たちの物よ。」
私は何も言わず、それらをすべて差し出した。お金も、装備も、何もかも。心の中で最後の支えを失い、私はただ歩き続けた。街を抜け、森へ向かって進んでいった。涙が止まらなかった。
「うっ…うっ…」
心が完全に折れそうになっていた私の前に、突然空が光り輝き、思わず顔を上げた。すると、空から一人の男性が降りてきた。
「やっと見つけた。」
男性が私に歩み寄り、少し微笑んだ。
「お嬢様、昔からセクシーな衣装を好んでいましたが、今回は少し…」
「あなた、誰ですか?」
男性はアイテムボックスから衣服を取り出し、私に渡した。
「リチャードです。記憶を失ったのですか?」
その言葉に驚きながらも、私はその衣服を受け取った。無言で着替えた後、リチャードを見つめた。不安げに尋ねた。
「これから…どうすればいいの?」
心の中に新たな希望がわいてきた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。