表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/43

エリュシオンからの帰還と15年前の事件の終結

智紀達が目覚めたのは、もといた事件のあった叔父の旧家だった。


「エリュシオンから戻ってきたんだ……」智紀が言った。

「夢だったのかな」史郎が呟く。

「ううん、夢なんかじゃない」蘭が言った。

「そうだな……」蓮羽も同意した。


「あれ見て!!」光が怯えたように叫んだ。


そこにいたのは、ボロボロになった黒沢だった。

手に庭に咲いてあるダリアを持っている。


黒沢はダリアの花を眺めながら、ポツリと口をひらいた。

「……ダリアの花言葉を知っているかい?ダリアの花言葉は……『裏切り』」


そしてゆっくりと語りだした。


「事件の真相をおしえてあげるよ。乃蒼君の父である、義光は、大學卒業後、音楽作家として華々しく活躍し、美しい妻、由紀と子供2人を得た。俺は義光に大學のサークル仲間の縁で、作曲を提供した。しかし、あいつは『これはつかえない』と笑った」

「悔しかった…悲しかった。あいつのすべてを破壊してやろうと思った」


「その日、義光の家にいき、口論になった。口論の末、持ってきたナイフで義光をめった刺しにした」


「おれのほうがすごい!!おれのほうがすごい!!」

憎しみと涙が溢れ、何度も刺した。

死に際、「驕るな。お前は世界も狭く、自分の事しか考えてない。尊敬されるためには尊敬するべきだ」義光は俺に、この俺に説教してきたんだ!!

「うるさい、うるさい、うるさい!!」

義光は絶命した。

その後、妻の由紀を手籠めにして胸を刺した。

長男の正は家に部活でいなかった。

2階に次男の乃蒼がピアノを弾いていた。由紀は刺された体を引きずり、乃蒼を守るため体を這ってきた。俺は由紀にとどめを刺した。

俺は二階に上がった。

扉を開くと、なじみのある曲が聞こえてきた。

「……ザルガバース城で叔父さんが弾いてた曲ですね」

智紀が言った。


「それは俺が作った曲だった。義光に貰ったのか、自分で発掘したのかわからなかったが。涙が溢れた。この子を殺したら、俺はもう何もなくなってしまう……楽しかった大学時代も、夢も、音楽作家を志す大切な意思も……」


「殺せなかった……殺せなかったんだよう……」

黒沢はその場にへたりこんだ。


そこにエリュシオンから帰還した、星哉、加奈子、小夜が黒沢を捕らえた。

外には警察のパトカーが何台も止まっていた。


こうして15年前の事件は幕を閉じたのである。

42話よろしくお願いします。いつもよんでくださり、感謝です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ