四天王アディシェスとの再会
一方、ケブラー城に話は移る。
ケブラー城には、英雄の融合者である、星哉、加奈子、小夜、黒沢が、魔王ザルガバースの四天王アディシェスと再対峙していた。ケブラー帝国の皇帝ツァルクの前で。
「皇帝ツァルク殿、英雄の融合者たち、役者はそろいましたね」
四天王アディシェスは謎めいた笑いをした。
「ティファレトでは逃したが、今回はそうはいかないぞ!!」
星哉が義憤の感情を顕わに、アディシェスに詰め寄る。
「まぁ、英雄ジークフリートの融合者よ。英雄に纏わる昔話を聞きたくはないかね?」
「何を……」
「それはそれは、大昔の話」
「当時、世界を支配していた魔王バチカルという者がいた。その討伐に4人の英雄達が赴いた。4人の名は、魔法使いサムソン、騎士ジークフリート、巫女ネイト、戦士アンナ。
そして、4人は力を合わせて、魔王バチカルを打ち倒した。英雄の賛歌はエリュシオン中に轟いた。魔法使いサムソンは、予言者として名を馳せ、超自然的な力を使い、人々から神聖視された。騎士ジークフリートは、魔王を倒した後、世界の半分の領土を有した。巫女ネイトは、エリュシオンの娘と言われ、世界の半分の人に祈りを捧げられた。
戦士アンナは、人類史上最強の戦士として、数々の賞賛を得た。
4人は王を求めていた。エリュシオンに古来より伝わる、永遠の王国の王を。
女神アテーナイエの夫、エリュオニムがその王と信じられていた」
熱辯を振るっている四天王アディシェスに、皇帝ツァルクが口を挟む。
「その、エリュオニム亡き後、吾輩がその永遠の王国の王となるのだ」
「なんだと?」
「本性現したわね!!私たちに協力したのは、それが狙いって訳?」
星哉と加奈子が身構えた。
「残念なことですが……」
四天王アディシェスがそう言って刃を向けたのは……。
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