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ブラックジョーク大魔王 掃除を頑張る。魔王の捨てられない性格が発覚

## ジョークランド情報局


・今日のばかげたお天気

今日は朝から晩までずっと晴れ!ただし、空から降ってくるのは雨ではなく、100円玉です。傘ではなく、ザルをお持ちください。


・ばかげた占いの結果

今日のラッキーさんは、鼻毛が30cm以上伸びている人です。思わぬ幸運が舞い込むでしょう。


## ジョークランドからお知らせ ゴミの分別を確実にお願いします。


記事:


ジョークランド市環境局は本日、市民に向けてゴミの分別を確実に行うよう注意喚起を行いました。


最近、可燃ゴミに生きたゾウが混入していたり、不燃ゴミの中から歌って踊るバナナの皮が見つかったりと、分別ルールが守られていないケースが多発しているとのこと。


環境局局長のオモシロ・ワライ氏は、「このままでは、ゴミ処理場のロボットたちが混乱して暴走する恐れがあります。皆さんの協力が必要不可欠です。」とコメントしています。


また、ゴミの分別が正しく行われなかった場合、ジョークランド警察により「くすぐりの刑」が執行される可能性があります。


主な分別ルールは以下の通り


* 可燃ゴミ: 火をつけると燃えるもの。ただし、ドラゴンやフェニックスは除く。

* 不燃ゴミ: 火をつけても燃えないもの。ただし、氷の彫刻や雪だるまは除く。

* 資源ゴミ: リサイクルできるもの。ただし、使い古した魔法の杖や空飛ぶ絨毯は除く。

* 生ゴミ: 食べ残しや野菜の皮など。ただし、人食い花や動くキノコは除く。


ジョークランド市民の皆さま、ゴミの分別をしっかりと行い、清潔で楽しい街づくりに協力しましょう!

 ## 第1章 ガラクタの山と悲鳴


「きゃああ!」


 ミスティの甲高い悲鳴が、倉庫の埃っぽい空気を切り裂いた。私はため息をつきながら、自動靴下分類機から彼女の足を引き抜いた。ピンク色の派手な靴下が、機械の歯車に絡まっている。


「まったく、何をやっているんだ、ミスティ。靴下を入れる場所を間違えるとは、救いようがないな」


 私は呆れたように言った。ミスティは涙目で足首をさすりながら、ぶつぶつと文句を言っている。


「だって、ヴィクター様・・・この機械、どこから靴下を入れるのか、わからないじゃないですか!それに、突然スイッチを入れないでくださいよ!」


「ばかな。この機械は、靴下を入れる場所など決まっていない。どこからでも構わないのだ。それに、スイッチを入れる前にいちいち許可を取る必要などないだろう」


 私は鼻で笑いながら、機械から靴下を引き剥がした。ピンク色の靴下は、あちこちが破れて無残な姿になっていた。


「ほら、お前の靴下だ。もう片方は機械が食べてしまったようだな。残念だったな」


 私は靴下をミスティに投げつけた。ミスティはそれを受け取ると、悲しそうな顔で眺めていた。


「ヴィクター様・・・私の靴下・・・」


「どうした?まだ文句があるのか?新しい靴下を買ってやるから、それで我慢しろ」


 私は苛立ちを抑えながら言った。ミスティは私の顔色を伺いながら、小さな声で答えた。


「いえ・・・ありがとうございます、ヴィクター様」


 私はため息をついた。ミスティのドジっぷりには、いつも手を焼いている。しかし、彼女は私にとって唯一の理解者であり、忠実な部下でもある。私は彼女のことを、心のどこかで大切に思っていた。


「さて、話を戻そう。ミスティ、この倉庫を片付けたいのだが、どうすればいいと思う?」


 私は山積みのガラクタを指さしながら、ミスティに尋ねた。ミスティは周囲を見渡し、困ったように眉をひそめた。


「うーん・・・全部捨てちゃえばいいんじゃないですか?どうせ、役に立たないガラクタばかりですし」


 彼女の言葉に、私の堪忍袋の緒が切れた。


「ばかな!これは私の大切な発明品だぞ!一つ一つに思い出が詰まっているんだ!」


 私は怒鳴りながら、自動鼻毛抜き機を手に取った。


「これは、私の最初の発明品だ。鼻毛を抜く力が強すぎて、鼻の穴が風穴になるという欠陥があったが、それでも私の発明家としての第一歩を刻んだ記念すべき作品なのだ!」


 私は鼻毛抜き機をミスティに見せつけた。ミスティは顔をしかめて後ずさりした。


「ひぃっ・・・痛そう・・・」


「次は、これだ」


 私は次に、怪しく光る球体を手に取った。


「これは、自動暗闇生成装置だ。スイッチを入れると、周囲を一瞬で暗闇に包むことができる。しかし、光を元に戻す方法がわからず、一度使用したら二度と使えなくなった」


 私は懐かしそうに球体を眺めた。ミスティは呆れた顔で言った。


「ヴィクター様・・・そんなもの、何の役に立つんですか?」


「役に立たないからこそ、面白いんだ!失敗から学ぶことが大切なのだ!」


 私は得意げに答えた。ミスティはため息をついた。


「ヴィクター様は、本当に変わってますね・・・」


 私はニヤリと笑った。


「もちろん、私は普通の人間とは違う。私はブラックジョークマスター、ヴィクター・ライアンだ!」


 私は高らかに宣言した。ミスティは呆れたように私を見つめていたが、その目はどこか楽しげでもあった。


「はいはい、ヴィクター様はブラックジョークマスターですね」


 彼女はそう言って、くすくすと笑った。


 ## いらない発明品: 自動靴下分類機


 ヴィクターは山積みになったガラクタの中から、奇妙な機械を引っ張り出しました。それは錆びた金属の箱で、複数のチューブとボタンがついています。


「これは、自動靴下分類機だよ」ヴィクターは少し誇らしげに言いました。「洗濯後のぐちゃぐちゃになった靴下を、この機械に入れるだけで、自動的にペアを揃えてくれるんだ」


 ミスティは眉をひそめました。「それ、本当に役に立つの?それに、どうやって手に入れたの?」


「役に立つかどうかは別として、これは僕の偉大な発明の一つだよ。大学生の時に、近所のガレージセールで見つけたんだ。確か、5ドルだったかな。壊れた掃除機とセットだった」


 ### 自動靴下分類機:取り扱い説明書


 機能: 洗濯後の靴下を自動的にペアにしてくれる画期的な機械です。


 使用方法:


 1. 洗濯後の靴下をすべて機械の上部にある投入口に入れます。

 2. スタートボタンを押します。

 3. 機械が自動的に靴下を分析し、ペアを揃えて下部の排出口から出します。


 注意:


 * 機械は色や柄は判別できません。似たような色の靴下を入れると、間違ったペアが生成される可能性があります。

 * 穴の空いた靴下や、極端にサイズが違う靴下は、機械の中で詰まる可能性があります。

 * 機械の動作音は非常に大きいため、使用する際は耳栓をすることをお勧めします。


 免責事項: この機械によって発生した、靴下の紛失や損傷については、一切の責任を負いません。



 ### 靴下の分類とヒーローの悲劇


「え? またか??」


 私は慌てて機械を止めた。私の忠実な腹心、ミスティの足が、またしても自動靴下分類機に飲み込まれてしまっているのだ。


「ミスティ!大丈夫か?!」


 私は機械を分解しようとすると、ミスティは意外な言葉を口にした。


「ヴィクター様・・・私の足、くすぐったいです・・・」

「すいません。この機械が・・・気になってしまって・・・」


 靴下の匂いは2度嗅ぐような感覚だろうか・・・ミスティは靴下フェチのようだ。


 それより、ミスティの足が心配だ。


 しかし意外にも、機械はミスティの足を分類するのではなく、くすぐっていたのだ。くすぐりに弱いミスティは大笑いしながら、足をバタバタさせている。


 私は呆れた顔をして、ため息をついた。


「はぁ・・・なんでまた使うかな・・・」


 私は、自動靴下分類機を倉庫の隅に放り投げた。


「もう、発明なんてやめてやる!」


 私が捨て鉢になっていると、突然、秘密基地の入り口の扉が勢いよく開いた。


「ヴィクター!また悪さをしているな!」


 赤いマントをなびかせたアキレウスが、正義の怒りに燃えた目で私を睨みつけていた。


「アキレウス!よく来たな!ちょうどいい、お前を実験台にしてやる!」


 私は、アキレウスに向かって自動靴下分類機を投げつけた。


 アキレウスは華麗に機械をかわし、私に言い放った。


「ばかなやつだ!そんなもので俺を倒せると思っているのか!」


 私は、アキレウスの足元を見て、ニヤリと笑った。


 アキレウスの足元には、自動靴下分類機から転がり出た靴下が落ちていた。それは、アキレウスが履いていた靴下の片方だった。


「おっと、片方だけの靴下なんて、かっこ悪いな。ヒーロー失格だな!」


 私の言葉に、アキレウスの顔は真っ赤になった。


「う・・・うるさい!正義に、見た目は関係ない!」


 そう言いながら、アキレウスはそそくさと秘密基地から逃げ出して行った。


 私は、アキレウスの後ろ姿を見ながら、高らかに笑った。


「ははは!今日も、ブラックジョークは大成功だ!」


 私の発明品が役に立たなくても、人を笑わせることができることに気づいたのだ。


 ◇◆◇


 あらあら、それは大変ね。ヴィクターったら、また妙な機械を動かして、ミスティを困らせているようね。あの子ったら、発明の才能はピカイチなんだけど、いつもどこかズレているのよ。まるで、靴下を片方だけ食べる機械を作っちゃうみたいにね。


 私、エミリー・ハート。この町のホームメイド掃除屋よ。ヴィクターのお屋敷にも、週に一度お掃除に伺っているの。大きなお屋敷だから、隅々まで掃除するのは一苦労だけど、私はこの仕事が大好きなの。だって、お掃除しながら、いろんな人の暮らしや人生を垣間見られるでしょ?


 ヴィクターはね、この町でも有名な変わり者なの。大きなお屋敷に一人で住んでいて、一日中、自分の研究室に籠って変な機械を作っているのよ。彼の研究室は、まるでガラクタの山。ねじれた金属や、怪しく光る球体、用途不明のレバーやボタンが付いた箱が、所狭しと並べられているわ。


 あの子の性格は、一言で言うと頑固ね。自分の発明品を「ガラクタ」なんて呼ぶと、烈火のごとく怒るのよ。失敗作だろうがなんだろうが、彼にとってはどれも大切な宝物なの。


 でもね、ヴィクターは根っからの悪人じゃないのよ。むしろ、純粋で、自分の発明で世界を良くしたいと思っているの。ただ、その方法がちょっと変わっているだけ。


 例えば、自動鼻毛抜き機。これは、鼻毛を自動で抜いてくれる機械なんだけど、試作品第一号は、毛を抜く力が強すぎて、使った人の鼻の穴が風穴になってしまったのよ。


 他にも、自動靴下分類機があるわ。これは、洗濯した靴下のペアを自動で見つけてくれるはずだったんだけど、なぜかいつも片方だけを食べてしまうの。そのせいで、町の人たちは、片方だけの靴下を履いていることが多くなったわ。


 そんなヴィクターだけど、最近、ちょっと寂しそうなの。ずっと一人で研究室に籠っているから、話し相手もいないし、息抜きもできていないのね。


 だから私は、お掃除のついでに、彼のお話を聞くようにしているの。彼の発明の話を聞いたり、世間話をしたり。そうすると、彼も少しは笑顔を見せてくれるのよ。


 あらあら、またミスティの悲鳴が聞こえてきたわ。今度はどんな機械で、ミスティを困らせているのかしら。ちょっと様子を見てくるわね。


 ・・・・・・・


「きゃああ!」と叫んだのもつかの間、足元の機械は大きな音を立てて止まりました。なんとか足を抜いた私は、ホコリまみれになって呆然としています。ヴィクター様ったら、こんな危険なものを……。


 私はため息をついて、ヴィクター様の秘密基地を見渡します。薄暗い倉庫は、天井から床までガラクタの山。ヴィクター様が過去に生み出した「発明品」が、所狭しと並んでいるんです。


 壁際には、ねじれた金属の塊が山のように積み上げられています。まるで、鉄くずの山みたい。その上には、怪しく光る球体がいくつも転がっていて、まるで宇宙人の卵みたいに見えます。


 倉庫の中央には、用途不明のレバーやボタンが付いた箱が、ところどころに置かれています。中には、数字が書かれたメーターが点滅しているものや、液体がぶくぶくと泡立っているものもあって、なんだか怖いです。


 天井からは、奇妙な形の金属製の部品がいくつもぶら下がっています。まるで、巨大なクモの巣みたい。その間を縫うように、古びた電線が張り巡らされていて、今にも火花が散りそうで不安になります。


 床には、工具や部品が散乱していて、足を踏み入れるのも危険な状態です。油汚れやサビのせいで、床はぬるぬるしています。足を滑らせて転んだら、きっと大怪我をしてしまうでしょう。


 倉庫の隅には、古いソファとテーブルが置かれています。ヴィクター様が休憩するために使っているようですが、ホコリまみれでとても座る気にはなれません。テーブルの上には、食べかけのカップラーメンやお菓子の袋が散乱していて、ハエがブンブン飛び回っています。


 この秘密基地は、まるで悪の科学者の実験室みたいです。薄暗くて、ホコリっぽくて、危険なものがたくさんあって……。私は一刻も早く、この場所から逃げ出したい気分でいっぱいでした。


「ブラックジョーク大魔王 掃除を頑張る」を読んで、大魔王って面白いなと思いました。だって、大魔王なのに掃除をするなんて、とっても意外だったからです。


魔王って聞くと、怖いし、散らかっているお城に住んでいそうなイメージがあったけど、この大魔王は違ったんです。お城をピカピカにするために、ほうきで掃いたり、雑巾がけをしたり、一生懸命頑張っていました。


でも、大魔王には困ったところもありました。それは、物を捨てられない性格だったことです。古いおもちゃや、もう読まない本、穴の開いた靴下まで、全部しまっていました。


頑張って掃除をしているのに、物が捨てられないから、なかなかきれいにならない大魔王を見て、ちょっと笑っちゃいました。


この本を読んで、私も自分の部屋を掃除しようと思いました。大魔王みたいに物を捨てられない性格なので、まずはいらない物を捨てるところから始めようと思います。


大魔王のように、私もお掃除を頑張って、ピカピカの部屋にしたいです!

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