仄暗さ
仄暗い風景の真中には
悲しい響きの木々のざわめきがあり
心音というべき自らの鼓動に
共鳴を施した大地の震撼すべき無惨な姿
かつて栄えていた都市は廃墟と化して
人も見ることの出来ない程の景観が
鴉の群れを引き起こす
曇天の中に乾いた風が吹き荒れて
暗闇の中から足音が忍び寄る
暗い時間からこの街に現れるは
噂で聴いた殺人鬼
誰の目にも止まる事が無いために
無差別の殺人が平気でまかり通っている現状が
世の末を細やかに教えている
倫理や道徳は既に滅び去った
今の現代に存在するのは強者が弱者を踏みにじる
雨が降る前に殺人鬼は街を去っていくという
この世界の何処に希望を見出そう