79三日はしか?
アドラスはこの国有数の商人から、案内人の黒メガネの男性をつけられた帝国商人風の親子の挨拶を聞き、早速患者である少年の様子について母親から聞いた。
「息子のマーカスは一年前まではどこも悪くなく、目もはっきりと見えていました。それが昼間でも目が暗いと言い出したのが今から10か月前です、それからこの子の視力はどんどん落ちていきました。夫も私も必死でよい眼医者にと掛からせましたが、この子の視力は回復するどころか悪くなる一歩、ついに目はほとんど見えなくなってしまったのです。
藁をもすがる思いで帝国中の名医と言われる眼医者に見せましたがダメでした。ならば王国にはとやってきた次第です。お願いです、お金はいくらかかっても構いません!息子の目が見えるようになるならば、どうかよろしくおねがいいたします。」と夫人はひっしにアドラスに助けを求めた。
「わかりました。ではまず診察しましょう。マーカス君こっちを見て、そう僕の方、どうやらまだほんの少しはぼんやりとだが見えるようだね。今からいくつか質問するよ。
君目が見える前階段から落ちたり、頭をドアや棚に強くぶつけたりしたかい?」
「いいえ先生、僕頭をぶつけたりはしていません。
「そうかい、それじゃ木登りして落ちたことは?」
すると患者の兄らしい少年がはっとした顔になり
「木登りからおちても眼が見えなくなることがあるのですか?」
「ありますよ、落ちどころが悪く、頭を地面や太い枝にぶつけても目が見えなくなることがあります」
「マーカス、お母様が怒らないから先生に正直におっしゃい」
「ありません、僕木登りそんなにへたくそじゃありません!」
「へたくそじゃないか、では10か月前高い熱を出す病気にかかったことは」
「それはありますわ」
「あるのですか?」
「はい、三日はしかにかかったのです、本当に高熱を3日出しこの子の熱は引きました。」
アドラスはとっくの昔に鑑定と人体透視の両方を発動していた。
その結果三日はしかとおもわれたものが非常に珍しい海外の熱病であることが分かった。この熱病の原因は蚊で、あるウイルスを持った蚊によって刺されることによって感染するのである。
幸いなことは脳に損傷はなくて目の視神経がやられていることが分かった。
此れなら僕の修繕魔法でも治るかもしれない。
すがるようにみている患者と家族の目、
「あなたの息子さんがかかったのは三日はしかではなく、ウイルキッシュ病というこの地では大変珍しい病にかかったのです。この病にかかると一見治った後、時に目が見えなくなる時があるのですよ。この病を運ぶものは蚊です、ウイルスのもとを持ったかに刺されるとこの病に感染して発症するんです」
「まあ、そんなおそろしい病にこの子は知らず掛かっていたのですね、それで先生この子は目が見えるようになるんでしょうか?」
「この病は目の視神経に損傷を起こさせるのですが、視神経の修復はこれまでにもやった経験がありますから、多分大丈夫だと思います。これが脳の損傷だったら無理かもしれないと思ったところですが、まあ一応安心してください、ただ時間は何日かかかるかもしれません。ご了承いただけますか?」
「もちろんです、今までどこいってもだめだったのが、数日で眼が見える様になるなんて、夢のようです!」
「お泊りはこの町の最高級旅館ですね、5日くらい予約を取ってください、よろしいですか?」
「「「はい先生!!」」」
「では第一回目の治療を今から始めます」
アドラスはマーカスの目に向かって修繕魔法を発動した。
この日マーカスは十か月ぶりにだが、母と兄の姿がまだおぼろげだがはっきりとした光の下に彼らの姿を見、歓喜の声を上げたのである。
長い間新作を上げずに申し訳ありませんでした。
久しぶりのこの作品をどうか楽しんでください。




