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77王都パルミス

王都パルミスはこの国バリアス王国の王都であり、人口60万を有し経済政治の中心点だった。

ヘンリーはじりょうの特産品の一つであるミュラーカボチャをより広範囲に売り込もうと王都にやってきたのである。すでに王都の中央卸売市場の仲買人とは商談を進め、とても良い感触で商談の第一段階は終わった。

ミュラーカボチャは他の種のカボチャより甘くてほっこりしていて煮物に最適だった。

仲買人も煮物やてんぷらにされたその味に大満足してくれ、あとはこのカボチャをどれだけおろせるかという話であったが、その話も成功に終わるだろう。


前祝いの一杯をしようと、貴族富裕商人御用達の紳士クラブに来たところである。


「いらっしゃいませ」

カウンターのウエイターが久しぶりに来たヘンリーに挨拶した。


「何になさいますか?」


「そうだな、ウイスキーをくれ、水割りでな」


「はい」


広々とした店内には6人くらいの客がいた。カウンターに向かって酒を飲むもの、あるいは上等なソファに腰をおろし、友人たちと談笑して酒を飲むものなどそれぞれだ。

その客たちの間に、この紳士クラブのママと女の子たちが客達と談笑していた。

むろんママはもちろんどの娘も容姿端麗なうえに政治から経済、あるいはスポーツや趣味にいたるまで客達と対等に話せる一流の接客係だった。


この店にはかつて国王陛下も王太子殿下もお忍びで訪れたことがあるという一流の店であることをじふしている店だった。

この店の客であるということは客にとってもステータスの象徴のひとつだったのだ。だが今日は客が少ないような気がする。


「今日は少し客が少なくないか?」


「はい、こんな時世ですから・・・・・子爵様がこの店に来て下さったのは3か月ぶりですか?」


「ああ、もうそうなるか、早いものだな。そういえば国王陛下は病にかかって床に伏してからまだご体調が悪いのか?ご回復された話は聞かないか?」


「それがですね」

ウエィターはそっとヘンリーの耳に顔を近づけて囁いた。


「だいぶ悪いらしいです」


「なっ!?その話は本当か?」


「本当です。俺の従妹は王宮の侍女をしていましてね、それも陛下付きの侍女をしているんです。」


「なっ・・・・・・・・・」


「それだけじゃなく王太子殿下も病にたおれて久しく…この国大丈夫でしょうかね、」


「・・・・・・・・・・・」


「明日にでもサンザ―帝国は攻めてこないでしょうか?」


「・・・・・・・・・・・」

我ながらのんびりしすぎてたかもしれんと、冷たい汗がヘンリーの背中を流れた、その時だ。


「よぉ、ヘンリー!」

突然声をかけてきて肩に抱き着いてきたのは、王立学院時代の中の良かった古い友人フランシス・ロウリア伯爵だった。ほっとしたのもつかぬま、彼が耳元で囁いたのだ。


『かぼちゃの売り込みどころじゃないぞ、お前の息子危ないぞ』


「えっ」


「ひさしぶりだなぁ、こっちきて飲めよ。」

酒臭いフランシスは千鳥足でグイグイヘンリーを引っ張って、店の一番奥にある部屋のドアを開け、ソファにどかりと腰を下ろし対面のソファをすすめた。

何か文句言おうとしたヘンリーは、酒を口近くにもち、こちらを見据えるフランシスの目が全然酔ってないことに気付きはっとした。

ここは大型の観葉植物が二つ置かれて自分たちの姿がドアから見えないような作りになっていた。どうやらここで一人で飲んでたらしい。この私にきづいたのは店の娘に先に自分が来たらと頼んでいたのかもしれない。


「ヘンリーお前の息子アドラスが危ない、サンザー帝国皇帝と皇帝一族に狙われている!

理由はバリアス王家の血と首狩り、キンバリー侯爵の甥っ子であるということ、そして希少な上級光魔法の使い手という点だ。すぐに息子を他国に隠すんだ!

このままではサンザ―帝国の体のいい人質にされるぞ!


お前はしらないかもしれないが、今現在サンザー帝国には上級光魔法使いは一人もいないんだ。

何年か前まではいたんだがな、どうやら年で亡くなったらしい。だから今現在いない。

その穴埋めの意味もあり、お前の息子は格好の人質対象に選ばれたんだ。


捕まったが最後、宮殿か教会の奥深くに閉じ込められ、死ぬまで力をしぼりとられる毎日を送ることになるぞ!

息子一人では不安だろう、護衛をつけて他国に避難させ隠すんだ!時間はないぞ!


俺はこれでも王家の犬の一族の出だ、直系ではなく分家の出だが、三日前までサンザ―帝国を探っていたんだ、今日国に帰り着いて明日王宮に報告に行くんだがこのことは報告するつもりはない。


今の情勢では味方も信じられないからな。それでお前の息子だが皇帝と皇帝一族に狙われていることが分かったから、お前にこうして話したんだ。

これは極秘情報だ!お前とは学院で仲の良い友人だったし、学院は俺にとって光にあふれた唯一幸せな時代だった。だからおまえに話たんだ。

アドラスを他国にやりかくまうんだ。

いそげ!この国はいつサンザ―帝国がせめてきても不思議ではない情勢だ。

それからカボチャの明日の最後の売り込みは予定通りしておけ。おそらくお前の周りにはすでにサンザ―帝国の監視の目がついているだろう、奴らの目をごまかすためにも予定どおり行動するんだ。

いいな、ヘンリー!!」


<アドラスぅうう!!!!>






長い間お待たせして申し訳ありませんでした。これからも作品を楽しんで読んでくださいね。


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