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65恋せよ少年・・・・・アドラスの幼い初恋(改)

随分随分たせして申し訳ありませんでした。

今日から再開です。

どうか楽しんでで読んでくださいね

「アドラス、お前に重大なことを知らせねばならん」


「重大なこととは何ですか、父上?」父と母は顔を見合わせた。


「実は昨日の夜サセックス領主と愛人、領主の姉君が領民の反乱にあって屋敷が焼討ちされお亡くなりになったのだ」


「えー!!!」

アドラスは応接室の長椅子の対面に腰を下ろす、前世日本人のアドラスには見慣れた黒髪が美しい女性と、彼女の背後に立つ侍女らしき赤毛が印象的な女性、さらにみなれぬ長身の逞しい騎士二人に、呼ばれてこの部屋に入ったときからお客様かしらと注目していた。

サセックス領の領主一族が領民によって焼討ちにあったことは衝撃的だったが、するとこの美しい女性と一行はサセックス領主一族の生き残りと供のもの・・・・・?


「実はサセックス領の反乱は前からある程度予見できることだった。こちらのルーシー子爵夫人がひそかにこの私に助けを求めてきていたのだ。出来れば反乱を止めたかったが、私が知った時はもうその段階をとっくに超えていたのだよ。それに他領のことゆえ、下手に口を出せば内政干渉だと非難されかねない、どっちみちルーシー子爵夫人が助けを私に求めたときはもうすでに領は手遅れ状態だったのだ。」

ルーシーはすっと立ち上がってカテーシーをした。


「アドラス様とおっしゃるのね、わたくしはルーシー・ヘンドリック子爵夫人です。ですが今はもう子爵夫人ではなく結婚する前の性ルーシー、オーバーリック男爵令嬢ですわ、これからはルーシーと呼んでくださいね。それと侍女のカトリーヌ・コロンに護衛のオリバー・ツインビーとキース・グレンノード、彼らはここまで私を守ってきたのです、ああもちろん、ミュラー子爵には護衛のものを2名送ってもらったからこの逃亡劇が成功したのですわ、どれほど感謝してもしきれませんわ、本当にありがとうございました。」

アドラスは立ち上がりミュラー領主嫡男アドラスミュラーですと挨拶を返した。


「実は誠に言いにくいのですが、実家は貧乏貴族ですので正直私が戻っても困ってしまうのです、できれば侍女として私を雇っていただきたいのですが、それとカトリーヌやオリバー、キースも雇っていただきたいのですが、ご無理でしょうか」


「ちょうど侍女2名が結婚妊娠退職するのでその空きを埋めると考えれば無理ではない。それに護衛騎士だが、先のサンザ―帝国との戦争で欠員が出てな、その穴埋めをせねばと考えていたのだ。だから4名共に雇うことができるよ」


「おおっ」

驚きと喜びの声が4人のうちに上がり、彼らの間に心からホッとした空気が流れた。


アドラスの心臓はさっきからドキドキしていた。ルーシーを見るとなぜか体がぽっぽっ熱くなるのだ。

アドラスはそんな自分に、調子がおかしい風邪でも引いたのかなと思った。

その気持ちはルーシーをもっと見ていたい、もっと一緒にいたいというものだった。


<どうして・・・・・・?>

後にこの時のことを、あれが僕の初恋だったと、アドラスはきづくことになるのだった。


「これからどうぞよろしくお願いいたします」

4人の挨拶にヘンリーとエリザベスは、こちらこそよろしくとおうように挨拶を返した。


その夜、ベッドに入ったアドラスはなぜか明日が楽しみで仕方なかった。


<ルーシ-の黒髪なんだか日本を思い起こさせるな、懐かし色、なんて近づこうかな?

近づ近づく、近づくってまるで僕が特別な感情を彼女に対して持っているみたいじゃないか!!?

ち、ちがうぞ!そ、そうだ、こ、この情勢不安定の折だ、生き残りをかけて彼女に刺繍の仕方でも習おうか、

それとも洋裁や毛糸編みでもいいな、日本人だった時洋裁は学校でならった程度、ろくすっぽ洋裁なんてできないんだよね、まして毛糸編みなんてしたこともないんだった、毛糸編みって男性でもやっていいんだった?

どうもこの先いい予感がしないんだよね、僕の感て前世時代から結構当たるんだよね、だからこそやっぱ・・・・・サセッス領なんて住民に焼き討ちかけられて滅んじゃったし、明日は我が身だな、父上がんばって善政しいてね、だからここは生き残りをかけて習えるものはならわなくちゃ。僕は転んでもただでは絶対起きないぞ!!

この僕にそう教えたのは前世の父さんだったな、今ではもう顔さへよく覚えてないけど、こういうことって覚えてるもんなんだよね、父さん、なつかしいな・・・・・・・・・むにゃ>


夜のとばりがすっかり更け、月が美しく夜空に三日月を描き星々が輝く、アドラスの健やかな寝息がスース―と室内に聞こえるのみであった。



こののち王太子の死が、庶民の口に噂として流れるのは、二年後のことだった。







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