33.5練習の成果2
「さー頑張るぞ!!是が非でもホーンラビットを何匹か倒して、明日のシチューの材料にしなくては!!」
「ふふふふふ、そうだね、僕も頑張るよ、君に水魔法を教わったから僕でもホーンラビットを倒せるかな、母さんきっと喜ぶな」
「「おー!!」」
森を前に気合を入れてかわいいこぶしを振り上げる二人、思わず和む護衛のシッロとハリーのクストーデ兄弟。
周囲に気を配りながら目指すホーンラビットを探す彼ら、ホーンラビットは角は生えてても草食系の魔物のウサギだった。草食系ゆえに草や木の実を食べる彼らは、相手を見ると角突き立て相手に突っかかり鋭い攻撃をしてくるが、冒険者レベルではⅮランクの魔物だった。
いわば初級冒険者の登竜門の獲物、それがホーンラビットだった。
アドラスは今回のクエスト実行で、ある目論見を試すつもりだった。
それはただ水魔法を相手に高スピードで放出するだけでなく、それに回転を与えるつもりだった。つまり拳銃の弾丸のように回転させるのだ、それならば多量の水魔法を放たなくても、拳銃の弾丸のように相手を倒せるのではないかと考えたのだ。
つまり水魔法の省エネ化だ。
屋敷の裏庭の魔法練習場でこっそりやって練習していたが、生きた的に充てるのはこれが初めて、うまくいくかどうかナムさん・・・・・・・・思わず神に祈るアドラス。
10分、20分、30分、まだホーンラビット一匹も見つけてない。
するとシッロが赤い小さな実が鈴なりになっている低木にちかずき
「マームの実だ、この赤い実はホーンラビットの好物だ、フーン下の方が食べられているな、
マームの木は下の方から熟する傾向があるんだ、ホーたべられてない中ごろと上の方も熟しているな、これは食べに来るな、よし風下に隠れてホーンラビットが来るのを待つぞ、」
「「はい!」」
森の茂みに身を低めてしゃがんで待つこと15分、ホーンラビットが3匹もやってきたのだ。アドラスはジミーとうなずきあい、安心してマームのみを食べているホーンラビット達目がけて一斉攻撃した。
アドラスが2匹の頭めがけてまるで拳銃を撃つように細い水流で攻撃し、残り1匹はジミーが通常の水魔法の攻撃をした。
結果は見事三匹とも倒されたがその遺体には違いが現れた。アドラスの攻撃を受けた2匹は頭の後頭部から額に小さな穴が貫通して即死し、ジミーの場合は頭への衝撃で首の骨が折れたのだ。
「アドラス様これはどうしたんですか?」
「ああこれは放った水魔法に高速回転を加えさせたんだ。結果は見ての通り省エネルギー化に成功したよ、」
アドラスの言葉にシッロとハリーそれにジミーもびっくりした顔になった。
「さすがアドラス様は考えることが違いますね、」
「僕もやってみたい!、できるかな!?」
「練習すれば君にもできるよ」
「やり方教えて」
アドラスはジミーにこわれて高速回転の水魔法を教えた。
最初はコツがうまく掴めず上手く出来なかったジミーだが、ものの10分もしないうちにコツをつかんで曲がりなりにも水流を細く高速回転させることができるようになった。
そのことにシッロとハリーも驚く。ジミーは平民にしとくには惜しい魔力持ちだと二人は感じた。
なまじ幼いころからアドラスと一緒にいて、アドラスから色々と習っているため、平民の子にはない、考え方や魔法センスの持ち主になったのだ。
彼らがそんなことをしているうちに、いつの間にか倒されたホーンラビットの血のにおいにひきつけられて、ワイルドボアがちかづいているのにきづかなかった。
森の虫の声がしなくなったのに最初に気づいたのはシッロとハリーの兄弟、
しっと人差し指を口元にちかづけ合図する二人、ハッとするアドラスとジミー、それと時を同じくして「がおー!!」と雄叫びを上げるワイルドボアの姿に気ずいた。
次の瞬間、いつもと同じく完全無詠唱でアドラスはワイルドボアの額めがけて超高速水魔法を放った。
『ずしーん!!!』
派手な腹の底に響くような音を立てて、ワイルドボアは仰向けに地面に倒れて死んだのだ。
「すげえ、一撃でたおした!!」
「アドラスすごいや!!」
仲間の大喜びの賛辞に照れて頬をボリボリかくアドラス、アドラス自身内心うまくいきすぎて驚いていた。
その日冒険者ギルドでは、アドラスが魔法で一撃でワイルドボアを倒したことで大騒ぎになり、やがて町の人たちに噂として広まったのだった。
そしてアドラスは初めてワイルドボアを倒した記念として、町の高級レストランで両親と一緒にごちそうを舌包みしたのだった。
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