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28古代王国ロマン3

父に続いて書庫室に入るアドラス。

父上が目指したのは入って左の壁側の本棚、5段あるうちの一番上の棚から2冊抜き出した。そして本棚のわきにかけられている女神像を向かって右に回転させると、ゴゴゴゴゴという音とともに本棚がずれ動き、そこに扉が見えたのだ。父は扉を開けて中に入っていくと、魔道照明をつけた。


「入ってきなさいアドラス」


びっくりしているアドラスに父は優しくいった。

中は少し黴臭かった。どうやら古書のにおいらしい。父上は換気のために窓を開けて「ふー」と息を吐いた。

以外にも6畳ほどの部屋に机と長椅子と本棚が壁際にずらっと並んでいた。


「わがミュラー家のご先祖様たちは代々失われた古代王国に関する書籍を集めていてな、いわば先祖代々のライフワークと言っていいだろう。とはいっても私も教わったが読めるのは平仮名と一部の漢字だけでな、それほどまでに日本語はむつかしいのだ。

残念だが、この国で日本語を完全に解析できるものはいない、だからこそもし読めるものがいたら、王宮は三顧の礼でもって迎えるだろうとまで言われているんだ。」


アドラスは本棚に並んだ日本の書籍の題名を、次々と心の中で声に出さず読んでいった。

見た所色々雑多に並んでいる、例を挙げるなら乙女ゲーム小説の横に数学の本が並び、さらにその横にはマナーの本が並んでいるというありさまだ。全然分別がされてないのだ。


<おっ、これはマンガ本だ!!わー、星間国家の悪徳領主のマンガ本だ。俺第3巻までしか読んでないのにここには第10巻まであるぞ、読みたい、読みたいぞ!!まてこれのライトノベル小説はあるのか!?>


「アドラス、それはマンガと言ってそれなら私も読めるのだ、初めてそれを読んだときすごくおもしろかったのを今

でも覚えている。それに目をつけるとはさすが私の子だ。」


「父上、僕このマンガ読みたいです。この部屋にある本全部読んでみたいです。でも父上疑問があるのですが、いったい日本人は結局どこに行ってしまったんですか?ああそれから日本の位置ですがどこに国があったんですか。」


「それはこの地図帳に乗っている」

そういって父上は机の引き出しから折りたたまれた一枚の紙を取り出して机の上に広げて見せた。

それは世界地図だった。そこにはこの大陸以外の大陸も描かれていてかなり正確な地図だと感じた。

父は地図の1点を指でさししめした。そこはこの国バリアス王国を、海を挟んで対岸に日本列島があったことにアドラスはびっくりした。


「日本列島はここにあった。この国の対岸にな!」


<そうか交易してたんだ、しないわけがない!!

日本の食料自給率は地球世界的に見ても低レベルにあった、この世界の海外から食料を輸入しなければ何千万という日本人が餓死したはずだからな、それとエネルギー問題、石油も当然輸入したはずだ。>



「父上日本は転移後すぐに食料と資源を輸入しようとしたのではないですか?」


「その通りだアドラス、そのことにすぐきずくとはさすが私の自慢の息子だ。

日本は転移後すぐに食料と資源を輸入しようとしたそうだ。その頃は当然バリアス王国はなくここは帝国の一部だったが、帝国から大量に穀物を輸入したという、そして資源だが、当時は知られてなかった石油資源を掘削し堀り、これまた大量に輸入したという。帝国だけでなくほかの国からもどんどん輸入してたそうだ。何しろ日本の人口は何と1億人以上あったそうだから、食料の輸入も資源の輸入も桁外れの量だったそうだ。おかげで輸出側の国は大いに潤ったそうだ。しかも日本は単に輸入するだけではなく、輸出する側のインフラ整備まで日本側がやってくれたんだ。道路に港湾・鉄道に上下水道設備、今考えると夢のような話だ。1千年前、日本のおかげでこの世界は今より豊かで、文明がずっと進んでいたそうだ。中でもすごかったのは空港だな、一度に100人以上の人を運べる空飛ぶ乗り物飛行機が、日本との間を行きかっていたという。今は完全に荒れ果て廃墟となってしまった各空港の跡地が残っているが、港は今も使われ大型の船が世界の各港を行きかっているよ、これも日本のおかげだ。

日本人は礼儀を重んじ、大人も子供も冷静で思慮深く聡明で誠実な民族だった。

その国民性ゆえにこの世界の国の人々にも愛されたよ。

日本人の特徴はこの世界にはない真っすぐな黒い髪と茶味がかった黒い瞳を持ち、はだは象げ色でしっとりとしていて体毛が薄い小柄な民族だった。なんというか大人でも幼顔をしていて童顔だったらしい。

日本がある日突然この世界から消えてしまってから、この世界には混乱が訪れ、それが帝国の崩壊につながったという。そして文明は1千年前よりも劣り衰退して今にあるわけだ。

もしあのまま日本が今も存在してくれていたら世界は今よりもはるかに文明の進んだ素晴らしい世界になっていたに違いないといわれているんだよ。

日本の存在はどの国も成り代わりようのないものだったんだな。

本当に惜しいよ」


<父上、今も日本を思ってくれるんですね、元日本人の俺はうれしいよ>


「消えた日本はどこに行ってしまったんだろうな。」


<本当に日本はどこに行っちゃたんだろう・・・・・・・・・・>




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