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23始めての友達 3

ハリーとシッロの兄弟はアドラスのお目付けが役目なので、あまり深く森に入らないクエストを選び、受付に出した。


ジミーは最初アドラスの申し入れに少し迷ったようだが、オーケイした。

「僕はジミー、ホーミー街のジミー」

「僕はアドラス、こっちは両親の友人のハリーとシッロ。二人は僕が薬草採取のクエストで、危険な森に近づかないように、いわばお目付け役なんだ。二人がクエストをこなす間僕は薬草採取をするんだ。」

アドラスがそういったときどこからか

「A級冒険者がお目付け役って、どこのお坊ちゃまだよ」と揶揄する声が聞こえたが、すぐにしっとたしなめる声がした。

だが、ジミーにはきづかれなかったようで、アドラスはほっとした。


「それじゃ皆行こう」


アドラスがそういうと、ジミーはちょっと待ってと、ギルドの隅に置いてあった空の背負いかごをヒョイと背負った。

どうやらアドラスのようにアイテムバッグは持ってないらしい。

いやいや5歳の幼児がマントして薬草採取に空間バッグを使用するって、領主の息子が自分だと言ってるようなものだとアドラスはきづいた。


<しかしもう遅い、このままいくしかない!、どこかの金持ちのボンボンでごまかすんだ!!>


「じゃいこうか?」シッロの掛け声で一行はギルドを出て馬にまたがり出発した。


門はこの前と同じでシッロ達の顔パスで難なく通り過ぎ町の郊外に出た。

10月の終わりである今日この頃、麦畑の麦はとっくにかられ、畑には畝が作られ小麦の種がまかれたたばかりだが、アドラスはある疑問を感じた。

「ねえねえシッロ」

波足で馬をゆっくり歩かせていたシッロは何ですか?とアドラスに聞き返した。

後続にハリーとジミーが続く。


「ここの麦畑って毎年毎年ずっと麦を植えてるの?」


「そうですが、」


「それって麦の生産量が前より落ちてない」


「よくご存じですね、そのとおりです。領主様も農家もどうしたら生産量が元に戻るか悩んでるんです。」


「僕解決策わかったよ、」


「本当ですか?」


「これは連作障害だよ」


「れんさくしょうがい?」


「例えば麦なら毎年毎年ずっと麦ばかり同じ畑で育てていると、次第に麦の収穫量がどんどん下がってくるんだ。それを防ぐには麦以外のほかの作物を育てるのがいいんだけど、おすすめは大豆を育てるといいんだ。なぜ大豆かといえば大豆の根には畑の土の肥料になる腫瘤菌というのがなるんだ。

だから実をとった後は、残りの枝や葉は家畜の食料にすればいいのさ。根っこだけ地面に残してね。」


「アドラス様、それは初めて聞きました。それが本当なら是非お父上に申し上げるべきです。

しかしアドラス様はどこでそんなことを知ったんですか?」


「うん?うちの書庫室の本棚の裏に落ちていた本にそう書いてあったんだ。」


「そうですか……ところでアドラス様、ジミーを誘ったのはエルマの店の女主人のことを調べるためですか?」

「・・・・わるい?母上の敵ということは息子の僕の敵でもあるからね、『己を知り敵のことを知らば百戦危うからずや』というからね、何事も情報集めは必要さ、

情報集めに失敗すれば時世に乗り遅れることもあるしね。」


「アドラス様、本当に5歳ですか?アドラス様は神童といううわさを聞きましたけど、本当だったんですね。」


「……神童てほどじゃないさ。」

そう、俺には前世の記憶があるからだ。

だからと言ってジミーが敵というわけではない、彼は母親を守るためなら僕の敵にも回るかもしれない人物ってこと。

そう、彼はグレーゾーンにいるんだ。



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