22初めての友達 2
バリアス王国ができる前、ミュラー家は地方郷士だった。
その時納めていたのがファッソの町で、バリアス王国が建国されてからグッテンマイヤー・バリアス王家に従い子爵の位を授けられたのだ。
以来200年間王家に忠誠を誓い、ミュラー子爵家はその後加増もありファッソの町と周辺の二つの村を領主として納め現在に続いている。
200年前とは人口も増え2000人から1万人に増えている。
小高い丘にある領主の屋敷が見下ろすように街が広がり、町の中心には生鮮食品を売る市場や商店が並び行きかう人々は賑やかである。
そこには人々の日常生活が確かにあり、その市場や商店街の周りにちょっとした富裕層や一般住宅に教会があった。
そして町の周りを、3メートルの高さの石造りの城壁がぐるりと囲み、東西南北に鋼鉄の門がおかれ、入り口を怪しいものや犯罪者が入らないよう、領地軍の兵士の門番たちが厳しく見張っていた。
そのうち南の門を出た向こうには、領地の村々に続く道と一面の麦畑と農作物を植えた畑が広がっており、さらに行くと開墾されてない雑草が生い茂る平地のなかを道が突っ切り、その向こうにある森を避けるように村々へとつづくのだ。
各村々にも教会はあったがファッソの町の立派な教会と比べればつつましいものであった。
各教会には孤児院が併設され、昔からミュラー家が援助してきたが、それでも運営には十分ではなく、篤志家や人々の寄付から成り立っていた。
また孤児院の子供たち自身も、ギルドからの依頼を受け仕事をしてお金を稼ぎ孤児院の運営費を稼いでいた。
その中でもファッソの町の教会付きの孤児院で、ジミーの両親は育った。二人は14歳で孤児院を出、成人年齢16歳になってから結婚し、長男ジミーが数年後に生まれ一家はそれなりに幸せだったのだ。
あの娼婦が現れるまでは・・・・・・・・。
ジミーの母親は息子に父親は王都にでかせぎにいったといったが、実際は妻子を捨て女と駆け落ちしたのである。ひどい話である。
シッロとハリーの兄弟はもともと両親がはやり病で死んだ後孤児院に預けられ,二人とも剣に才能がるのを見込まれ、たまたま孤児たちに剣を慰問として教えに来た領地軍の隊長に見込まれて、騎士見習いとして引き抜かれたのである。
だから二人は自分たちが運がいい方だと思っている。
そういうわけで二人は同じ孤児院仲間だったジミーの両親を知っていたのである。むろんその後うわさでジミーの父親が娼婦と駆け落ちしたことも知っていた。
二人は複雑な思いで自分たちが護衛する主家の息子のアドラスと話すジミーを見た。
むろんアドラスはこんな事情知るわけがない!
彼の関心は自分の父親の愛人について少しでも情報を得ることだった。
彼は言葉巧みにジミーを誘った。
そしてその誘いにジミーは知らずに乗ったのである。




