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18初めてのクエスト 2 

ミュレー家の領主館は町から少し離れた小高い丘の上にある。

館としては普通の作りで、立派という以外取り立てて言うことはないが、庭に湧水を利用した小さな噴水があることが、ご領主様の自慢であることが小さな領民の子供でも知ってることだった。

領民にかける税率は、ほかの領地に比べるとこれまた普通で、重くもなく軽くもなくよい領主といえるだろう。

領民から集めた税の一部で道路の整備とか、教会や孤児院に助成金を出してたし、領内の薬師や医師には補助を出し、貧しい領民でもできる限り医療を受けられるようにしていた。

そのおかげで風邪をこじらせて死んだり、幼い子が水が合わず腹下ししてそこからひどい脱水症状になって死ぬ子も、ほかの地の領民よりはかなり少なくなっているのだ。

スーダンの息子もそうやって領主に助けられた子供の一人だった。

彼女はそのことに領主に心から感謝していた。

この町で夫とっともに衣料品店を営む彼女は、店を出したばかりは万一閑古鳥が鳴くといった塩梅で、経営がかなり苦しかった。

そんな時一人息子がひどい腹下しして、ひどい脱水症状に陥ったのだ、あの時息子を医師にかける金はほとんどなかった。

しかし医師はだめでもともととやってきた彼らに、ご領主様からこんな時にと補助金が出てると息子を治療してくれたのだ。

そのおかけで息子は無事回復し助かったのである。あの時の嬉しさを今も忘れないと彼女は思った。

今は店は軌道に乗り家族そろって幸せに暮らしている。

彼女は毎日店を開けオープンの札をドアにかけるとき、いつも領主館に向かって感謝のお祈りする。

ご近所の人々はその光景を、いつも通り太陽に挨拶してるのだなと思っていた。

そうして今日も店は開き、お隣の雑貨屋の店主の老女と、朝の挨拶をして営業を開始するのだった。

今日はどんなお客様が来るのか、彼女は胸をワクワクさせていた。

なんだか今日はいいことが起こりそうな予感がするのだ。



「カラーンコローン」


玄関扉のベルが鳴りそのお客様たちが入ってきた。

時間は10時ごろ。

一見して貴族の子らしい子が中心で、隣をおつきの私服の侍女らしい女性と、前方後方を腰に剣を携えた私服の護衛らしき男性二人がついていた。


<どこの貴族家のご令息かしら?それとも裕福な商人の息子?>



アドラスは今世初めての買い物に胸をどきどきさせていた。

店内には自分たちのほかに女性客や親子連れが買い物をしていた。

一見したところこの店にある商品は、平民の新品の服のほか質のいい古着の平民服が売られているようだ。

アドラスはどんなデザインの服があるかなと、ハンガーに掛けてある服を適当に眺め、時にはハンガー掛けからとって眺めてみる。


「ねえマリア、この格子島のフードづき、チュニックシャツ僕に似合うとおもわない?」


「あら本当ですね、いいですね、アドラス様、マリアの選んだこの青いシャツと若草色のしゃっなどはいかがですか?」


「うん、いいな、となるとズボンは」

するとシッロが


「冒険者をするにはポケットの多いズボンがいいですよ、これならいかがです、ポケットも多いし生地も丈夫です、デザインも悪くない。

あとこれとこれも。俺は騎士になる前は冒険者もやってたからよくわかるんです。」


シッロが冒険者をやっていたことは初めて知った。

結局皮の半ブーツの靴と、冒険者用の子供の縫い上げしてあるかわいい耐防水耐衝撃耐防刃付きマントと、小さな空間魔法付きかばんもシッロのおすすめで買い、店内で着替えて鏡で見た自分の冒険者風の恰好に、我ながらRPG風のカッコよさだとうっとりしてしまうアドラスだった。

それを見た親子連れの女の子が、私もあんな恰好したいと親にねだり親を困らすのはご愛嬌だった。

そしてアドラスはシッロに預けてあった財布を受け取り金貨15枚を支払った。

服代よりマントとマジックバッグにお金がかかったのだ。



「カラーンコローン」


「ありがとうございました、またのお越しをお待ち申し上げております。」


<あー売れた売れた!!、今日はおおもうけしたわ!!・・・・でもあのお客さんたちどこの家の方だろう>

と最後まで知らぬスーザンだった。


こうしてミュラー家領都ファッソの町の何気ない日常が過ぎてゆくのであった。


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