表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
娼婦に婚約者の第二王子を奪われ、すべてを失った令嬢は、復讐のため第一王子と結婚して王妃になる。  作者: 林 真帆


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/65

責任

「責任重大だな……」


 エリスは大きくため息をつく。〈披露会〉をただのお遊戯会程度のものだと甘く見過ぎていた。


「もし僕が披露会で無様な姿をさらせば、僕を代表として選出したクラスのみんなにも恥をかかせることになる」


「それだけじゃない。君がしくじれば、もう二度と生徒会役員の候補に君の名前が挙がることはなくなる。それこそが連中の狙いさ」


「そう……」


 ――面倒なことに巻き込まれた。そもそも生徒会も生徒会の人脈も、エリスの目的には関係がない。せっかくルードヴィッヒに近づけたのに、重要な手がかりを得ることができなくなってしまうかも知れない。


「クロードさんが選んでくれた衣装と、君のバイオリンの腕前があれば、結果として生徒会に入れなかったとしても、誰も恥をかくことはない。ただ――」


「『ただ』、何?」


「披露会の当日に、何らかの妨害を仕掛けられるかも……。僕はそれが心配だよ」


「……」


 ――無事に披露会を終えることができるのだろうか……。ちょっとやそっとの事には動じない自信はあったが、大勢の人の前で、突然、予期できない災難に見舞われたら……。




「あ、でも! 君は生徒会に入ることにあまり乗り気じゃないみたいだけど、生徒会に入ればいいことだって、もちろんあるんだよ――もう誰も君に手出しをすることができなくなる。要は、今されているみたいな嫌がらせが一切なくなるってことさ」


「嫌がらせに屈するか、生徒会に入るかの二択しかないということか……」


 まさに究極の選択であった。またしてもため息が出た。


 当日、仮病を使って休んでしまおうかとも考えたが、それでは敵前逃亡としてさらに批判されかねない。


「僕も、君が無事に披露会を終えられるように、協力するよ!」


「ありがとう、ロイ」 


 エリスは心を決めた。





「披露会用の衣装が届いております」


 放課後、学校から帰ってくるなりクロードから報告を受けた。


「どんな衣装? 見たい! 着てみてよ!」


 ロイがせがんだ。


「ロイ様もこうおっしゃっていますし、今、試着してみてはいかがでしょう」


「今!?」


 エリスは驚きのあまり、素っ頓狂な声を上げてしまった。


「どうせここには僕とクロードさんしかいないんだ。恥ずかしがることはないよ!」 


「ええ、その通りです。衣装はクローゼットにしまっておきました」


 いつも無表情なクロードが、この時ばかりは嬉しそうにしていたのが癪に障った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ