表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
娼婦に婚約者の第二王子を奪われ、すべてを失った令嬢は、復讐のため第一王子と結婚して王妃になる。  作者: 林 真帆


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/65

代表選考

「でしたら、楽譜をお持ちします。クロード、楽譜を」


「はい、すぐにお持ちいたします」


「いや、楽譜はいい」


「?」


 エリスが不思議そうな顔をしていると、


「ああ、この曲は昔よく弾いていてね……暗譜しているんだ。まあ、ピアノ自体久しく弾いていないから、ちょっと自信はないが」


 とルードヴィッヒが微笑んだ。


「さあ、演奏を始めてくれ。君に合わせるから」





 演奏が終わると、しばしの静寂ののち、ロイが立ち上がって拍手をした。


「すごい! ルーイ兄さまって何でもできるんですね! 文武両道……いや、ピアノも弾けるから、それよりももっとすごいのか……」


「ええ、先輩の演奏のおかげで、とても気持ちよく演奏できました」


「二人とも、そんなに褒めないでくれ。しかし、この部屋にこんなにいいピアノがあるとは」


 ルードヴィッヒが愛おしそうにピアノを撫でた。


(きっとピアノがお好きなのね。それに、私よりもずっとお上手だった。ピアノも先輩に弾いていただいた方がずっと……)


 エリスは、ピアノを見るルードヴィッヒの表情を見て、ぼんやりとこんなことを考えていた。


「いかがでしょう? お時間のある時に、ピアノを弾きに来ていただいては」


「え? ああ……うん」


「主人もこう申しております。どうぞお好きな時にいらっしゃってください」


「そうか。ならばお言葉に甘えることにしよう」


 考え事をしているときに、クロードに話しかけられ、空返事をしてしまったことをエリスは後悔した。


 




 ――数日後。


 エリスのクラスで、披露会の代表を選ぶための話し合いの時間が設けられた。


 選考方法は、推薦された生徒の中から投票で、最も多くの票を獲得した生徒を代表とするというものであった。


(今回、私には関係ないわね……。だってつい最近、この学校に入ったばかりだもの。みんな私にどんな芸があるか知らないもの)


 エリスはのんびりと構えていた。


「アーサー君を推薦します」


 いきなり自分の名前が呼ばれ、エリスは慌てて声のした方を振り返った。


 見ると、声の主は、エリスを見てにやにやといやらしい笑いを浮かべている。


 嫌な予感がした。そして、それはすぐに現実のものとなった。


 エリスは、圧倒的な票数を獲得し、クラスの代表に選ばれ、披露会に出ることとなったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ