表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
娼婦に婚約者の第二王子を奪われ、すべてを失った令嬢は、復讐のため第一王子と結婚して王妃になる。  作者: 林 真帆


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/65

心配事

「生徒会長がいらっしゃる……?」


 グラスを磨いている手を休め、クロードはエリスの方に振り返った。


「そう――」


 やっぱり無理よね、とエリスが言葉を繋げようとする前に、


「それで、いついらっしゃるんですか?」


 とクロードが即座に返した。


「え……ご招待してもいいの?」


「問題ありません。主人が決めたことに反対する理由などありませんので。それに、生徒会長とお近づきになる絶好の機会ではありませんか?」


 もう、この話は終わりだ、と言わんばかりにクロードは作業を再開し始めた。


「まだ他に何か?」


 なかなかその場を離れようとしないエリスに、クロードは声をかけた。


「言いたいことはわかるけど、私自身、生徒会長とは知り合ったばかりだし、個人的にお茶にご招待するほどまだ親しくはないというか……」


 こうは言ってみたものの、エリスの心配はほかのところにあった――ルードヴィッヒは、きっとクロードに探りを入れてくるだろう。しかも、あのルードヴィッヒのことだ、どのような形で探りを入れてくるのかわからない。


 目的を果たす前に、どんなに些細なことであっても、こちら側の情報は漏らすべきではないとエリスは考えていた。だから可能な限り不要な接触は避けたかったのだ――特に向こう側から接触があった場合は。


「ご心配は無用です。主人の恥になるようなことは決していたしません」




「ところで、私のことよりも、まずはご自分のことを気にされたらいかがですか?」


「えっ、私!?」


 エリスは素っ頓狂な声を上げた。


「先ほどから、随分と言葉が乱れていらっしゃいます」


「あ……!」


 エリスは慌てて口を押さえた。


「この学校に入学してから……いえ、正確に申し上げれば、実技試験を終えてから様子が変わられました」


「……」


 具体的には言っていないものの、エリスのルードヴィッヒに対する感情のことを、クロードは指摘しているのだろう。


 クロードに感づかれていたことを知り、エリスは恥ずかしさのあまり倒れそうになった。


「あなたの人生ですから、私がとやかく言う筋合いはございません。しかし、今のご自分の立場をお忘れなきよう」


「わかった……これからは気を付ける……」


 エリスは気まずそうに小さな声で答えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ