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娼婦に婚約者の第二王子を奪われ、すべてを失った令嬢は、復讐のため第一王子と結婚して王妃になる。  作者: 林 真帆


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剣術の稽古

「本日から試験勉強だけではなく、男性貴族としての振る舞いも身につけていただきます。要は男性として生活していただくことになります」


「はあ……」


「良い成績で編入試験を通過したとしても、入学後に女性だとわかってしまったら、そこですべて終わりですから」


「それもそうね」


「……言ったそばからそれですか」


「あ! ごめんなさい……」


 エリスは思わず口に手を当てていた。


 そのエリスの仕草を見て、クロードは、呆れたように言った。


「まずはその注意力のなさを直すべきでしょうね」


 散々な言われようであったが、否定のできない事実であることから、エリスはぐうの音も出なかった。


「それと……今日から『アーサー』様とお呼びいたしますので、お間違いのないよう」


「アーサー……」


「ええ、よろしくお願いいたします、『アーサー』様」




「この剣をお取りください」


 そう言ってクロードがエリスに差し出したのは、剣の稽古用の模造刀であった。


「重いっ……!」


 片手で模造刀を受け取ったエリスは、模造刀のあまりの重さに驚き、とっさに両手持ちに持ち替えた。


 エリスは、クロードが片手で軽々と模造刀を扱っている姿を見て、この模造刀が軽いものだと勝手に勘違いしてしまっていたが、実際は両手で持ってもかなりの重量があった。


「おや、どうされました?」


 模造刀相手に悪戦苦闘しているエリスを見て、クロードがわざとらしく尋ねてきた。


「あの、この剣が重くて……。両手で持つのもやっとなんです」


「それは困りましたね。これが片手で自由自在に操れるようにならないと、剣術の稽古は始められません」


「そんな……」


「ならば、一日も早くこの剣を片手で扱えるようになることです。お見受けしたところ、アーサー様は非常に筋力が弱くていらっしゃる。筋力だけではなく、筋肉自体も全くと言ってよいほどついていらっしゃらない」


(元々女性なのだから当然でしょう……?)


 とクロードに言ってやりたい気持ちを、エリスはグッと抑え込んだ。


「素振り百回」


「え?」


「とりあえず、朝と晩に、こちらの剣を使った素振りを百回やってみましょう」 


 エリスは、両手で持つのもやっとの状態の剣を、朝と晩にそれぞれ百回、合計二百回もの素振りを課されてしまったのだった。

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