Afternoon.
「もう一時過ぎね、お腹は空いていない?お昼も食べてないし、お昼と軽くデザートでも食べましょうか。何がいいかしら、そうね、軽食に程よいクロワッサンにでもしましょうか、とびっきり美味しい具材を詰めてもらって、お昼もお菓子も食べちゃいましょ。少し待っていて頂戴ね。」
そう言ってスキップしながら厨房にいる召使に頼みに行く。
「今日のお昼はクロワッサンサンドがいいわ。チーズとかお肉とかいろいろ挟んだのと、はちみつとか甘い系統のやつと二種類食べたいの。お願いしてもいいかしら。」
「勿論ですお嬢様。今すぐ準備させていただきます。」
そう言って発酵してあるパン生地から、クロワッサンを焼き始めた。
そうだ、ルシアにも食べてもらうなら、自分で作りたい。
ふと思いつき、
「ねえ、私にも焼かせてくれない?たまには自分でやってみたいの」
「でもこういうことは我々召使のお仕事ですから……そういうわけには」
「なあに、私の命令に歯向かうということよそれは。手伝ってちょうだい、私にもやらせてよ」
「わかりましたお嬢様。」
そういって召使はくるくる、と三角形の生地を巻き巻きし始めた。
私もそれを倣って、くるくる、くるくると巻いてみる。
「みてみて、上手じゃない???」
「はい、では焼かせていただきますね。先に焼いている分があるのでチーズとレタスとローストビーフを挟んでおきました。次の焼いた分はすべてお嬢様が作った分なので楽しみにしていてくださいね」
「ありがとう。先に持ち帰って食べるわね」
そう言って部屋に戻った。
「ねえルシア、私今クロワッサンを作ってきたの。もう少しで私が焼いたクロワッサンが届くわよ。先にお昼にしましょうか、いただきます」
そう言いながらも、私の手作りのクロワッサンを彼女に食べさせることで頭がいっぱいだった。
彼女も首を長くして待っている気がした。