夜明けの“月”の恋歌
活動報告に解説あります。
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Love Song of “The Moon” at Dawn
一章 収穫祭
「町の広場に 柱を立てて 宴の準備 始めよう」
『子供こぞって 柱を飾る 秋咲薔薇の 冠を』
「狩人山から 猪担ぎ 包丁突き立て 子らは泣く」
『二時間煮込んだ トマトの中へ 一時間焼く パプリカを』
「ドワーフ酒の 樽を抱えて 宴前から 呑み歩く」
『猫族達の 芸は軽やか 宿の屋根まで 跳び乗って』
「秋の太陽 疾く地に落ちて 野山染まりて 祭り始まる」
『収穫月の 第一の月 まあるく昇り 祭り始まる』
「共に祭りへ 腕組み行こう 踊り明かそう 夜明けまで」
『貴方のくれた サテンのリボン 銀のブローチ 着飾って』
「秋桜の花 髪に挿すと 貴女微笑み くるりと回る」
『夜明け前から 作った料理 夕暮れ前に 胃の中へ』
「焚き火で焼いた 焦げた肉でも 笑い楽しみ 口にする」
『海を渡りし エルフの詩人 謳うは異郷の 恋の歌』
「焚き火のそばで ため息をつく 女たちみな 頬染めて」
『貴方は私の 右手をとって 火から離れて 闇の中』
「宝石を贈ろう 美しき人」
『高価なものを 受け取れませぬ』
「歌を贈ろう 優しき人よ」
『囁く愛を 信じられませぬ』
「『愛しき人よ』」
「身分の壁など 超えて見せよう」
『身分の壁は 超えられませぬ』
「『思い出すのは 幼きあの日 共に野原を 駆けた日々』」
「貴女に渡す 輝石の指輪」
『貴方に渡す 刺繍の護符も』
「『渡せず共に 持ち帰る』」
