ジレンマ
新しい年が明けて3日目の朝、雪は、セントレア空港へ、車を走らせていました。
年の暮れに、フリーウィーリング_Y(freewheeling_Y )のメンバータカ、アキの
合同極秘挙式に、参列した息子悠と父親悠里が一緒に
年末年始を海外で過ごしていた、その悠から、チケットが取れたから
明日、帰国するからねと、連絡があったのでした。
ユキは飛行機が到着する1時間前には、空港内に入るつもりで
早めに自宅を出た甲斐あって駐車場探しに、苦労することなく
スムーズに止めることができた時に、ユキは独り言を呟きました。
ユキ「いつもながら、この時期は、満車だらけだねぇ。早く来て、、よかったぁ」
この時期の駐車場は常に満車状態、臨時の場所まで出来る始末
車を止める所を探すのに、一苦労してしまいますが
早かったこともあって、空港と直結した駐車場に
すんなりと止めることが、出来たのでした。
ユキは待つ間、お気に入りのカフェに入り、注文した
珈琲を飲みながら、ガラス越しに見える人の波を見つめ
家族三人の時、悠里を迎えに行くと必ず、ここのカフェで
ユウと何度も待っていた、過去を思い出していました。
ユキ「私、何回こんな風に、待つたかなぁ、、、」
ユキ「ふ、、今日はユウを待ってるなんてね」
ふっ、、と笑ったユキは、スマホ画面に目を向け
時間は大丈夫か、確認した後、ゆっくりとコーヒーを飲みました。
そして
国際線、到着出口に移動して、待つこと数分後
大きなリュックを背負い私を見つけるなり綻ぶ笑顔
大きな声で歩み寄る悠が、目の前に飛び込んできました。
悠「ただいま!!」
ユキ「お帰り!!!、、あれ?一人、、、?」
当然、悠里も一緒に出てくると、思っていたので、視線を後方に向けると
何やら騒がしく人混みを、かき分けて来る帽子とサングラス姿の人物は
ユタカでした。
ユタカ「悠~、、、、、!!」
悠は、ユタカに呼ばれて振り返り
悠「こっちだよ、、。」
ユタカ「ハ~、、あ、やっと追いついた。 お!!ユキ、久し振り」
ユキ「ふふ、、いつもながら、騒がしい人だねぇ。久し振り」
高校の頃から、友人関係のユタカは、今でもユキと呼び捨てです。
ユタカ「昨日、事務所から連絡あってさぁ、悠里の奴
東京行きに、乗らなくちゃいけなくなってさぁ急遽、悠の事、頼まれたんだ」
悠里に悠を託されたユタカは、一緒に此処、セントレア国際空港に
降り立ったのでした。
ユキ「悠に付き添ってきてくれて、ありがとう」
お礼を言った後、ユタカに私の車で一緒に帰る?と言う間もないぐらい
ユタカ「俺も一緒に、載せてってよユキ!!」
悠も「いいよ!!いいよねユキ」
二人の会話を聞いていたユキは、笑顔で答えた後、三人は空港を後にしました
悠里から、国際電話が掛かってきていたが、運転中で気付かず
バックから、スマホが取り出される事は、ありませんでした。
悠達がセントレアに到着して、数時間後
東京へ飛び立った悠里は、事務所の社長に呼び出されていたのでした。
久し振りに事務所に出向いたユウリは
会議室の一室に用意された席に座り、週刊誌に来週記載されるはずだった記事を
見せられ、回答を求められていました。
内容は元妻と、復縁か、隠れ家で密会のスクープ写真記事でした。
先月、ユキ達が雪で足止めされて、やむなく
別荘に泊まった時の写真を、取られていたのでしたが
いち早く、その情報をキャッチした
事務所の方で、記事の流出を止めていたのでした。
波羅社長は、これは本当なのか?ユキさんと復縁するのか?と尋ねられ
ユウリは、息子ユウと会う為、ユキとは普通に逢っているし、
先月の、泊りの件も詳しく説明し、お互いユウの親で会うのは、当たり前
この様に復縁などと、騒ぎ立てられる覚えは無いし
ユキ達親子は一般人、、パパラッチされて、こちら側がこの件は
訴えてもなんら問題ないと、毅然と社長に話すのでした。
事務所としては、グループ活動休止から3年過ぎるのを目途に
秋頃に復活させようと、していた矢先に、この記事があることを知り
海外にいたユウリを急遽、東京に呼び戻したのでした。
只でさえ、メンバー二人が、極秘挙式した事もあり
この事に、輪をかけ騒がれる、虞を気にして
復活劇の計画が、見えずにいました。
会議室で、ユウリの話を黙って聞いていた
ユウリ達の担当になった、新しい人物も今回は、同乗していました。
メンバーとは挙式で、顔合わせは済ましていた。
中さんの代わりに、新しく担当することになった蔦夏菜子
年齢34歳、離婚歴一回、シングルマザーである。
社長は、彼女を信頼しているし。仕事は中さんより、やり手らしく
噂によると、社長といい関係?と耳に入ってくる女性でした。
説明するユウリは、虚しさを感じていました。
ユキ達との距離間は今のほうが、いい関係でいる中
こんなことで、又遠いてしまう事は、耐えられないと思うと同時に
本当は、ユウと一緒に、ユキが待つているセントレア空港にへ降り立ち
三人で過ごすはずだったが
自由な時間も求めることが、また出来なくなっていると思うのでした。
ユキはの方は
ユタカを送って行く為、海岸線を運転していました。
ユタカ「ユキ、悪いね、遠回りになって」
ユキ「え、何、気を遣ってんの、友達じゃん」
ユタカとは昔から、話しやすく今でも良い友人関係である
二人で話す時は、お互いに、ため口になってしまいます。
疲れて助手席で、ウトウトする悠は、久し振りに明るく楽しく会話する
母親ユキの声を聞くも瞼が重くて、、、意識が遠くなりました。
完全に睡魔に襲われた悠の寝息がスース―と、微かに聞こえる中
ユタカは、、後部座席から身を乗り出し横目でユウが、寝ていることを確認した後
この機会に、若干一人だけ気になっていた人物の事を、聞くのでした。
ユタカ「え、と、ユキと一緒に仕事してる彼ってさぁ?」
ユキ「え、、?凡人」
ユタカ「ああ、、ファレンて言うんだあ。その彼は一緒に来なかったんだね?」
ユキ「ああ、凡人は年末から香港に帰ってるよ」
ユタカ「え?」
ユキ「仕事忙しくて、休み取れて無かったから、旧正月終わるまで休みだよ」
ユタカ「そうなんだ」
ユキ「だいぶと、無理いって仕事してもらってたから、今回長い休みを
取ってもらったんだよ」
ユタカ「じゃぁ、当分一人でアトリエで仕事?」
ユキ「ううん!バイトさんいるから一人じゃないよ」
ユタカ「そうなんだ、俺さ、結構時間に余裕あるから、ユキの仕事見てみたい
と思ってたからさぁ~」
ユキ「「え?いつでも、良いよ見に来ても。ただし、、こき使うかもよ。ふふ、、。
それに、バイトさんビックリするかもね」
そういうと二人は笑い出しました。
何故なら、フリーウィーリング_Y(freewheeling_Y )のメンバーが
友人で、悠里が元夫、もし、バイトさんが地元では、有名なバンドの事を
知っているフアンだったら、ユタカが突然現れると、仰天してしまうであろう
ユキと一緒に笑うユタカは、思うのでした悠里なら、ともかく
俺の事は、そうそう知っている人は、少ないから大丈夫でしょ
ユタカ「早く、行ってみたいなぁ」
運転する後ろ姿のユキを見つめるユタカは、小さく呟いた。
今回も読んで頂きありがとうございました。




