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クナスト  作者: グリム
8/14

休息

春の暖かな日差しがすべてを包む

人工的な温もりではなく自然由来な温もりが心地よい

今が授業中でなければ居眠りをしていただろう


「いいかい? 能力というのは悪事を働いたり何かを傷つけたりするもんじゃないよ、そういうのはダサい人間のやることだからね!」


綱子先生の明るい声が教室に響く

私達はまだ入学したてということもあり能力についての基礎を先生が教えてくれている

私は今、物凄い平和を感じている

どこら辺が? と聞かれたら()()()()()()()()()()()()()()()()()

昨日スカジャン男に襲われたあの恐怖も今はない

あのあと薫くんを病院まで送り、寄り道をせずに真っ直ぐに帰った

道中少しだけビクビクしていたけど、特に何もなく家にたどり着いた瞬間眠ってしまった

もう少し瞼にあの光景が焼き付いているのかと思っていたが、それよりも疲労感が勝ったらしい

案外私って図太いんだろうか

ちなみにあの出来事を知っているのは、私と薫くん、そして吹っ飛ばされたスカジャン男だけだろう

広子ちゃんにも言おうと思ったのだが、心配かけさせたくなかったので言っていない


「ちなみに今日初めての授業は体育があります!」


1発目から体育、どんなカリキュラムだよ…

私は心のなかでツッコミを入れた


「マジかぁ…私運動できないんだよなぁ」


ボヤいている佐竹さんとは対象的に「頭を使わなくてラッキー!」なんて薫くんが盛り上がっている

彼の腕を見ると包帯が雑に巻かれている

きっとお医者さんの巻いた包帯が窮屈だとか思って1回外したってところだろうか

また改めてお礼しなきゃね、カレーとか作って持っていこうかな


「今回の体育は普通のじゃないんだよ! 君たちは能力者の端くれだからね! それをうまく扱えるように体力をつける必要があるとは思わないかい?」


確かに一理あるかもしれない

能力って思っているより体力や精神力を使うらしいというのを何かで聞いたことがある


「まぁそうは言っても今回は能力と体の関係を説明するだけだと思うけどね、でも」


フッフッフと先生がまるで何かを企んでいる子どものような顔で私たちをみる

一体先生は何を考えているのだろうか

答えを教えてあげようと言わんばかりに先生は言葉を繋いだ


「もし立候補があればだけど、手合わせをする時間を設けようとおもうんだ!!実践だよ実践!! ちなみに相手は僕とだよ!!」


その瞬間男性陣の一部とアイドルが盛り上がった

能力を手にしたら実際それを使って戦ってみたいとか、やっぱり男子は思うのだろうか

そんな男衆+αを落ち着かせるように


「立候補があったなかの抽選で選ばれた人になるけどね、とりあえずはグラウンドに集合だよ!」


そう言って先生は何処から取り出したかわからないホイッスルをヒューヒュー吹きながら教室を出ていった


「ねぇルミ、貴方は立候補する?」


まさか、私がそう言うと広子ちゃんもそうよねぇと同意してきた

盛り上がる男衆の一部と自称アイドルを横目で見ながら、ダラダラと私たち残り組はグラウンドへ向かうのであった


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