少年、自身の顔を確認する。
ある程度、歳がいくまでテンポ良く行きます
日課の魔力操作の練習をしながらふと思った。
あれ?自分の顔ってどんなだっけ?
ってことでハイ!やってきました、in 鏡の前〜
……で、見てみました、はい。めっちゃカッコよくなってました。えっ、マジ?ってほど。
父親似でした。金髪で、目の色は母親と同じ深みのある青。
父が七割、母が三割のような割合の顔でした。
まあ、顔が良かったのは嬉しいけど、魔法が使えること、自然が近くにあること。この二つがあるから充分だったんだけどね。
神様、ありがとうございます。
……またドヤ顔が浮かんだ。なんなの?呪いなの?
「アル!遊ぶわよ!」
お気に入りの書斎の窓側にある椅子で、本を読んでたところに来たのは姉のルル。
「姉さんの遊ぶは痛いから嫌なんだよなぁ」
ルルのいう遊ぶとは剣術の練習の事だ。
貴族として剣を習うのは必修科目みたいなものらしい。……けどまだ二歳だよ?ライド父さんでさえ、まだやらせないんだよ?
「いいから行くわよ!私があげたアレを持って庭に来なさい!ロン兄さんもくるから、遅れないようにね!」
ロン兄さんも捕まっていたとは、これまでか……
別に剣術は嫌いじゃない。だけど、ルル姉さんのは兵士の訓練のように過酷なのだ。
自分の部屋に行き、木剣を手にして庭に向かう。
そこには既に素振りをしている二人の姿があった。
そこに混じって素振りをしようとするが、木剣が重くて振れない。
……てか、自分の身長と同じくらいの木剣って。
けど、なんとか一回ずつなんとか素振りを行う。
前にこの剣術訓練を父に相談したら苦笑いされた。
そして、諦めろと言われた。なんでもルル姉さんの性格はマリン母さんそっくりなのそう。
それを聞いた時、思わず……え、マジで?と聞きそうになった。
あの優しそうなマリン母さんが、あのルル姉さんと同じ性格?
「アル、素振り追加二十回ね」
!?
「な、なんでさ!?」
「なんかアルが失礼な事考えてた気がしたから」
ルル姉さんはエスパーだったのか……
その後しっかり追加分もやって、ヘトヘトになりながら部屋のベッドに向かった。
もう今日は動けない……
すぐに夢の世界へと旅立った。
ルル視点
今日は弟のアルと一緒に遊んだ。
私の弟は凄いと思う。二歳になったばかりなのに素振りが出来るのだから。
最初はずっと本を読んで家にこもっていたから、気分転換に誘ったんだけど、驚かさられた。
絶対出来ないようなメニューを言ったのに、ヘトヘトになりながら全部出来てしまった。
アルには剣術の才能があるかもしれない。けれど、それに私以外誰も気づいていない。
私が育ててあげなければ!
初メニュー内容
素振り×20回
ランニング→家(屋敷)を2周(合計1キロ程)
腕立て伏せ×30回
腹筋×30回
※2歳児に行うメニューです。
父、ライド視点
私に新たに子どもが生まれた。三人目の子だ。
男の子で、ロンやルルはマリン似だったが、アールグレイーーアルは父親似だ。
アルはとても可愛い、そしてとても賢い。
二歳にして書斎の本を一人で読んでいる。
この前チラッと覗きに行った時は、『カピス王国の歴史』なんて本を読んでいた。
ロンは天才かもしれないが、アルはそれ以上の天才かもしれない。
それに剣術も筋が良いとルルが嬉しそうに言っていた。
……アルよ、強くなれ。決して父さんはアルのことをルルの生贄なんて思ってないからな!これっぽっちも!