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少年、アールグレイになる。

いうて、紅茶はそこまで読んだことありません。


飲んでみたいです。

 眼が覚めると、天井が朧げに見えた。


 周りを見ようとするが、首は動かない。


 しょうがないので天井を見つめる。


 すると眠くなってきた。おや…す……




 うーん……起きたけど、暇だ。


 木目を数えると、眠くなってくる。

 だけどそれより、お腹が減った。


「うんぎゃー!うんぎゃー!」


 泣いてアピールをする。すると、近くに座っていた女の人が胸を口に近づけさせる。


 少し恥ずかしかったが、食欲には勝てない。

 さすが三大欲求の一つだ。


 飲み終わると、また眠くなってきた。赤ちゃんだからしょうがない……





 そんな生活がしばらく続いた。


 ……だって、何回も寝るから日にち感覚が分からないんだもん。


 抱っこしてもらってる時に、部屋を見渡すと窓はあるが、カーテンのようなもので遮られている。



 そんな生活で、楽しみな時間が二つ……三つある。


 一つ目は食事の時間。お腹いっぱいになるあの感覚は満足感がある。


 二つ目は読み聞かせの時間。何言ってるのかは分からないが、暇だから楽しい。


 三つ目は睡眠。……眠いからね。



 この中で、問題は二つ目にある。

 それは、何が言ってるのか分からない事である。


 考えても見て欲しい、急にアラビア語で喋られても何にも分からないだろう。


 繰り返し言われるものが、名前かな?ぐらいだ。


 新しい言語を覚えるのは楽じゃない……


 ……英語、苦手な方だったしなぁ





 生まれてから一年が経った。

 なんで分かるかって?それは、誕生日会をしたから。


 ようやく、言葉が分かるようになってきた。


 名前はアールグレイ、愛称はアル。


 最初は何紅茶の名前を言ってるのだろうと思ってたけど、名前だと気づくのにしばらくかかった。


 ……前世の常識なんて意味ないのにね。



 家族構成は父、母、兄、姉。それにメイドや執事みたいな人、沢山いた。


 つまり、貴族なのだろう。


『自然溢れるところ』と言って、貴族になる確率はそう高くない気がする。


 神様に感謝しよう。



 ……何か今、神様がドヤ顔してきたのは気のせいだろう。そうに決まっている。


 父の名前はライド。金髪のイケメンだ。もし前世にいたら、世界一のイケメンと呼ばれてもしょうがないと思えるほど、イケメンだ。


 母の名前はマリン。透き通るような水色の髪の持ち主で、とても可愛らしい容姿をしている。外見だけだと、身長の低さも相まって十代と言われても信じてしまうかもしれない。


 兄の名前はローレイン、愛称はロン。母に似ていて、カッコイイより可愛いが似合う、そんな容姿だ。

 年は七歳だったはず。女の子と間違われることが多いらしい……


 姉の名前はルルーシュ、愛称はルル。ロンと同じく母に似ていて、将来間違いなく美人になるだろう。

 年は四歳で、とっても活発で、この前もほっぺを貫かれると思うほど強く押され、泣いてしまい、それを見てルルも泣いてしまって、凄い状況になったのは内緒だ。



 そして今日は祖父と祖母がいる。


 祖父と祖母は王都で王城勤務らしい。

 それを聞いた時、この家はエリートなのか?と思ったが、そうだった。


 祖父は国の財務大臣的なポジションらしい。


 おおぅ……今、目の前でデレデレしてるこのおじいちゃんが財務大臣……孫は可愛いってことか。


 父は魔境と呼ばれる未到達地域を任されていて、順調に開発が進んでいるらしい。


 さすがお父様。さすおと、だな。


 ロンは十歳になると、王都にある学園に入学するらしい。

 既に大人顔負けの計算や読み書きができるらしい。


 さすがお兄さ……やめておこう。



 そんなエリート一家に生まれたアルこと、アールグレイは自由に生きていくことを誓う。

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