嵐を司る魔導師
スヴァ都市国・・・中央区
ヘルメス達が中央区を去って数分後、中央区に出現した筋肉隆々の疫病の狂天使に対して、早急に対象するべきと判断した戦略長・ザヴィード・シュミレート・サファイヤの判断により十数名の警備兵が派遣され戦闘を行っている。
報告書に書かれている通りなのであれば中央区に出現した疫病の狂天使に対して、接近戦は圧倒的に不利と判断したザヴィートにより警備兵は全員、魔導銃、または弓矢を装備して出撃した。
そしてザヴィートの予測通り、中央区に出現した疫病の狂天使には遠距離攻撃が有効であり、警備兵達は数名が餌食となってしまったが、今だに健闘している。
『ぎぃぃぃがぁぁぁヴァぁぁ』
一人の警備兵の魔導弾が疫病の狂天使の顔面に直撃し、呪い、怨むような叫び声をあげる。
中央区で暴れている疫病の狂天使は全身に矢や、魔導弾を受けてしまいながらも戦う事は止めずに今だに暴れ続けているが・・・最早虫の息なのか最初程の動きにキレは無くなっていている。
数名の警備兵は魔導弾を使い切ってしまったのか弓矢で応戦していて、残りの警備兵も後どの程度でこの疫病の狂天使が力尽きるのか検討もつかないからなのか、一発一発を慎重にはずなさないように撃っている。
その中でも狙い難く、弱点である顔面に魔導弾が直撃したのは良い結果だ。
『ナイスだ。セレクトロ』
『だけどもよぉ・・・こいつはあとどれくらいしたら倒れるんだよ』
『さぁな・・・しかし残弾が心もとないな』
疫病の狂天使と距離を置いていた一人の警備兵が動きを止める。
彼は最初にこの疫病の狂天使と対峙したが、魔導弾を使い切ってしまったが為に、現在は後方で疫病の狂天使の動きを見て指示している立場の人間だ。
前線にいないからなのか、こちらに近いてくる音も良く聞こえ、数名の足音が近づいて来ているのが聞き取れる。
『もう一発喰らわせてやるぜ!』
そう言いながら魔導銃を構え発砲する警備兵、狙いはセレクトロと同じ顔面だが・・・疫病の狂天使は再び魔導弾を直撃するのを避け、隙が出来た警備兵に向けて一気に距離を詰める。
『しまっ・・・』
疫病の狂天使の雄叫びと共に警備兵の首から上が吹き飛ぶ。
首から上が吹き飛んだ警備兵の首からは噴水のように血が吹き出て、疫病の狂天使の両手を赤く染める。
『不味いぞ陣形が崩れた!』
一人の警備兵が倒されたことによって陣形が崩れてしまった警備兵達は、すかさず陣形を立て直そうとするが・・・疫病の狂天使は倒れた警備兵を別の警備兵に投げつけ吹き飛ばす。
そのことに気を取られてしまったセレクトロは反応が遅れてしまい、一瞬で距離を詰めてきた疫病の狂天使に気がついた頃には時既に遅かった。
『セレクトロ!』
最早これまでと思ったセレクトロは目を瞑り、死を待つが・・・訪れる事はなかった。
その理由はセレクトロと疫病の狂天使の前に出現した壁にある。
突如として出場した壁によって疫病の狂天使の攻撃は阻まれ、セレクトロに届くことはなかったのだ。
『土壁?』
そう、疫病の狂天使からセレクトロを守ったのは土属性魔法・土壁である。
先ほどまで土属性魔法はおろか、魔法を使える者が一切いなかったこの場に土壁が出場したということは・・・援軍が来てくれた証拠である。
『早く逃げろ!こっちだ』
セレクトロは一目散に増援に来てくれた魔導師の方へと移動している最中、土壁が疫病の狂天使の攻撃によって砕け散る。
『俺の土壁がもうこんなに早く砕け散るなんて』
『だったら俺の魔法で応戦する。喰らえ火弾!』
援軍で来た火属性魔導師が火弾を放ち、疫病の狂天使に直撃し、この気を逃すまいと残りの魔導弾を一斉に放ち直撃する。
黒煙が晴れて露になった疫病の狂天使は地面に倒れ込んでしまっていた。
しかしまだ息をしているのか微妙に動いている。
『今だ!止めを!』
そう言い終えるより早く地面が揺れる。
何事かと警備兵、増援に来た魔導師が見た先には異形の化け物・・・もう一匹の疫病の狂天使が飛んで来たのだ。
上半身は普通なのだが下半身はタコを思わせるような不気味な十本の触手には血で染まっているのか、赤くなっており無数の傷を負っている。
しかしまだ体力が残っているからのか着地した瞬間から行動を開始し、警備兵、魔導師に向かって攻撃を仕掛ける。
咄嗟に土壁を展開して攻撃を防ごうとしたが・・・展開しおえる前に触手の疫病の狂天使は土壁を飛び越え魔法を使用した魔導師を触手で絡めとる。
『がぁ・・・あ、たすけ・・・』
土属性魔法を扱う事が出来る魔導師は触手によって絡めとられ、骨の砕ける音と悲痛な叫び声が聞こえたと思った瞬間、大きく嫌な音がこの場に響き渡り魔導師は絶命してしまう。
『がぁ・・・』
絶命した魔導師を見つめる疫病の狂天使。
一瞬の出来事で何も、どうする事も出来なかった警備兵、魔導師達は次に疫病の狂天使がとった行動を見ていることしか出来なかった。
『嘘・・・だろ・・・』
『あ、あぁ、あいつ・・・ロ、ロックを・・・』
『食べやがった・・・』
『う・・・うっ・・・あぁぁ・・・うあぁぁぁあぁぁ』
触手の疫病の狂天使は事もあろうか倒した魔導師を補食し始める。
その十本ある触手の内側にはどうやら口らしき物があるのか、魔導師を内側に潜り込ませると・・・ゴリゴリ、グチャグチャと嫌な音をした後触手が赤く染まる。
それを聞き、見ていた一人の警備兵は堪らず吐き出してしまい地面に踞ってしまう。
さっきまで一緒に戦っていた者が死ぬのは理解できる。戦場では当たり前であり、自身もそうなることだってあるのは理解している。
しかし・・・目の前で人間が補食されて冷静でいられる者はいない。
そして更に、次に触手の疫病の狂天使が行動もまた警備兵、魔導師達を戦慄させる。
グチャッ・・・ゴリッゴリ・・・グチャ・・・
触手の疫病の狂天使が瀕死であった筋肉隆々の疫病の狂天使に近づくと・・・捕食し始める。
目の前で捕食されるのをただ見ているしかなく、そして・・・疫病の狂天使は変化してゆく。
『ぴぃぃぃぃぎゃぁぁあぁぁぁ』
触手の疫病の狂天使が新たなる力を獲て産声をあげる。
狂気に満ちた叫び声は人々に恐怖の心を植え付ける。
恐怖に支配されてしまった人間の身体は重く、まるで足枷をかせられたようにその足取りは鈍重になり、武器を持つ手は震えてしまう。
ありえない事実・・・絶望的な力が警備兵、魔導師達に襲いかかる。
『うぁぁぁあぁぁ・・・く、来るな!』
『何なんだよ・・・何がどうなってるんだよ!』
『く、喰らえ火弾』
『土弾』
『あ、水弾!』
迫りくる疫病の狂天使に向かって次々と魔導弾、火弾、土弾、水弾を撃つが・・・疫病の狂天使にはまるで効いていない。
それもその筈・・・この疫病の狂天使は筋肉隆々の疫病の狂天使を捕食した事によって、その力を取り込んだのか普通の人間と変わらない程しかなかった上半身が変化してしまい、筋肉隆々の疫病の狂天使と同じように変わってしまう。
更に、先ほどの筋肉隆々の疫病の狂天使よりも更に筋肉量が増大しているのか見るからに厚く、魔導弾や火弾すらダメージを負わせている気配はない。
そしてこの疫病の狂天使は先ほどの筋肉隆々の疫病の狂天使よりも俊敏であり、フットワークを軽く逃げようとした警備兵の足を絡め取り、捕食してしまう。
『くそぉぉ・・・くたばれ!』
魔導弾を連射するセレクトロだが・・・その壁とも言える筋肉によって弾かれ、降り下ろされた拳によってぺしゃんこになってしまう。
片や戦意旺盛で人を殺める事も躊躇することがない疫病の狂天使。
片や戦意喪失気味であり恐怖に支配された警備兵、魔導師では相手にならず・・・数分後この場から悲鳴が消えてしまった。
スヴァ都市国・・・西区
ノロン達が対峙している鎧の疫病の狂天使の錆色の鎧に皹が入ってはいるが、今だに暴れ回っていることからこの疫病の狂天使の体力の高さにも驚くべきことだ。
既に三十発以上の魔法を喰らっているのにも関わらずに、ノロン達ヘの対空砲のような投擲は止めてはいないことから、もしかすればこの疫病の狂天使の体力は無限だとでも思いたい程のタフネスなのだ。
『なんて固さだ・・・』
『これだけの魔法を喰らっているのにも関わらずに、何でくたばらねぇんだ・・・』
『どうする?都市長の話ならまだこの国にはこいつも含めて四体の疫病の狂天使がいるらしいぞ』
『不味いですよ・・・残りの疫病の狂天使の中にもこれ程タフネスな疫病の狂天使がいるのだとすれば・・・私は残りでは役立たずになってしまいますよ』
多数の魔法の攻撃を喰らっているのにも関わらずに、一向に倒れる気配のない疫病の狂天使に弱音吐いてしまう。
ここで全力で魔法を行使してこの疫病の狂天使を倒したとしても、残り三体の疫病の狂天使を倒せなければ意味がないのだ。
それに魔力のない魔導師ではもしかすれば一般人よりも戦力にならないかもしれないのだ。
しかし彼女は違う。
この都市国で一二を争う程の魔力をもち、尚且つ魔導師の中でも限られた魔導師しか生ることの出来ない二重属性魔導師である彼女ならばまだ戦う事は可能だが・・・今はノロン含めて五名の人間を浮かせているので大技を出せずにいた。
『確かにこのままでは不味いですね・・・』
『魔導長?』
疫病の狂天使の投擲攻撃をかわしながらノロンは懐から指輪を取り出す。
小さな赤い宝石がはめ込まれた指輪・・・この指輪はただの指輪ではない。
この指輪は自身の魔力を増幅させる装置的な役割を果たす指輪であり、まだ世間一般的に流通していない。
『でかいの一発撃ちます。そのために時間を稼いでください』
『了解ですよ』
『わかりました』
指輪をはめ込んだノロンが呪文を詠唱し始める。
そのことに気がついたのか、それともただ単に気まぐれなのかはわからないが、鎧の疫病の狂天使は隣に倒壊している家屋から大黒柱なのか、太い木片を取りだしぶん投げる。
『土弾!』
『防げ・・・風壁』
『水壁』
鎧の疫病の狂天使が投げた木片を二つの防御魔法によって防ぎ、残りの魔導師が鎧の疫病の狂天使に向かって攻撃する。
しかし、鎧の疫病の狂天使は土弾程度ではダメージを喰らっている気配はない。
だがそのような事は問題ではないのだ。
彼らの目的は時間稼ぎ、この疫病の狂天使を倒す事は目的ではないのだ。
『時間稼ぎご苦労様』
魔法の詠唱をし終えたノロン。その右手には風で出来た丸ノコのような物があり、けたたましい音を立てながら高速で回転している。
『敵を切り裂け風鋸』
けたたましい音を立てた風鋸を投げつけるノロン。
一直線に飛んで行った風鋸は鎧の疫病の狂天使を一刀両断・・・するはずであった。
『かわした!?』
鎧の疫病の狂天使に当たる直前にその重そうな身体をくねらせ、かわす事に成功した鎧の疫病の狂天使。
本能で危険だと察知したからの行動なのであろう。今まで避けるという手段を使っていなかったのに回避をしたということはこの攻撃、風鋸での攻撃は鎧の疫病の狂天使に通じるということだ。
『そんな事はさせないよ。風による浮遊』
鎧の疫病の狂天使がかわした風鋸を風による浮遊で操り誘導する。
その事に気がついた鎧の疫病の狂天使であったが・・・時既に遅かった。
『これならどうだ。土壁』
『これもおまけだ!土槍』
鎧の疫病狂天使が回避した方向に土壁を展開して行くてを防ぎ、更に鎧の疫病の狂天使の足元に土槍を出現させた事によってバランスを奪う。
突如として出場した土槍でバランスを崩してしまう鎧の疫病の狂天使。
逃げ出そうにも土壁によって退路を絶たれてしまった鎧の疫病の狂天使は、風鋸で斬られる瞬間に咄嗟に右腕で風鋸を弾こうとするが・・・鎧と風鋸が互いに弾き合い、鎧の疫病の狂天使の鎧をガリガリと削り取る。
『今だ!こいつを倒す』
『任せな。いくぜ土鎖』
『了解。暴風弾』
『貫け・・・高水圧弾』
『土岩弾』
土属性を操る魔導師が鎧の疫病の狂天使に、土鎖を発動させて身動き取れないようにする。
それにすかさず風弾の強化版である暴風弾と、土弾の強化版である土岩弾を放ち、水属性を操る魔導師は貫通力重視の高水圧弾放つ。
複数の魔法を叩き込まれた鎧の疫病の狂天使は悲鳴を上げて、砂埃が辺りにたちこめる。
ノロンが風の魔法で砂埃をはらうと・・・そこには鎧の疫病の狂天使が倒れ込んでいた。
『やったのか?』
ピクリとも動かない鎧の疫病の狂天使。
この場の誰もが倒した・・・と思った瞬間、勢いよく土岩を持ち上げ鎧の疫病の狂天使が立ち上がる。
その全身は多数の魔法によってひび割れ、凹み、砕け散り、血を流しているのにも関わらずに、その瞳の狂気は衰えてはいなかった。
最早為す術がないないノロン達。誰もが撤退を、敗北を確信した瞬間・・・嵐が巻き起こる。
絶対なる力。
凡人がいくら束になろうが決して抗えない。自然の力の集約した一本の魔法の矢が鎧の疫病の狂天使を貫く。
その矢は嵐の力とも言える膨大な風を圧縮した矢であり、ノロン達がやっとの思いで傷つけた鎧の疫病の狂天使をいとも容易く貫く。
喉を突き刺された鎧の疫病の狂天使は悶えるていると、更に数発の圧縮された暴風の矢が鎧の疫病の狂天使を貫く。
そして・・・数秒後には息の途絶えた鎧の疫病の狂天使が灰になってしまう。
なぜいきなり嵐のような暴風の矢が降って来たのか?
その疑問の答えは上空にある。魔導師のローブを身に纏いっているのでその顔色を伺う事は出来ないが、その右手にはどす黒い弓が握られていた。
何かの動物を思わせるような骨格、月明かりがなければわからない程の黒さと、血管のように数多にその弓に刻まれた緑の奇妙な文字の刻まれた弓だ。
一目で超一級の弓であり、ノロン達が今まで見たこともないような弓だ。
『な、何ものだ!?』
鎧の疫病の狂天使を倒してくれた相手に言うようなセリフでは無いのは理解しているが、相手が何者なのかわからない状態では警戒するのも同義であり、場合によってはこの人物との戦闘も考えられるが・・・ローブの魔導師は何も告げずにこの場を去る。
助けてくれた?見逃してくれた?どちらとも考える行動をしたローブの魔導師が去った方向を見つめていると・・・中央区で嵐が巻き起こる。
何が起きたのか?ノロン達は急いで確認しに行くと・・・そこには既に倒された灰になりかけていた疫病の狂天使がその場にはいた。
『す、すごい・・・』
『何者なんだあいつは・・・』
皆が驚愕していると、どす黒い弓を持った魔導師が降りそのローブを脱いで顔が露になる。
深緑色の髪に緑色の瞳、まだ幼いその顔立ちをノロン達は知っている。
知ってはいるがこれ程まだ絶対的は力を持ってはいない。
『ヘルメス・・・ヘルメス・T・アレイスティア』
名前を呼ばれた少女。ヘルメスがノロン達を見つめる。
その瞳は水晶のような硬質に変化しており、どす黒く溢れでる殺意は別人のようだが・・・
『ほ、本当にあの・・・アレイスティアなのですか?』
『貴女と話す必要はない』
『な!?お前ノロンさんになんて口のきき方してるんだ』
一人の魔導師がヘルメスの前に出る。
確かにはヘルメスは疫病の狂天使を倒した。
しかしだからといってヘルメスの上司であるノロンに、この状況を説明しないのは規約違反だ。
するとヘルメスはおもむろに、ノロンの魔導協会の一員であるバッチを取り出すと・・・踏み潰す。
『なっ・・・』
『私は魔導協会を抜けます。今後私は貴女の組織の者ではないので』
そう言い終えるとヘルメスはこの場を去る。
嵐のような戦いが去り・・・都市国に平穏が再び訪れる。
しかし、都市国が受けた傷はかなりの物であった・・・
スヴァ都市国・・・上空
人間の視力では目視することが出来ない遥か上空にて雲に紛れるように、その影は移動している。
いや・・・正確にはその影自体が雲を発生させて移動しているのだ。
『彼女は上手く力扱えているようですね』
『しかし、よかったのですか?あの石・・・賢者の石を彼女に与えて』
『よかったのでしょうね。マリア様がお決めになられたのでしから』
そう言いながら船の舵のような物を動かしているアリセスに、何かの機器のような物を動かしているエール。
そして部屋の中央にいるマリアティアス。
マリアティアスの下には何重にも重なるようにして描かれている魔方陣に、マリアティアスの立っている両脇には何やら奇妙な造形と奇妙な文字の描かれた二本の柱に手をかけ、柱の先端が球体状になっておりそれを握っている。
『それよりも体調は大丈夫ですかマリア様?』
『良好ですよ。試験運転は順調でしたからね』
『無理はなさらないでくださいね』
『さて・・・そろそろ都市国を去りましょうか』
そう言いながら二本の柱に魔力を流し込むマリアティアス。
その魔力が魔方陣を通じて全機械へと流し込まれ機械が起動を開始する。
『聖飛艇・オラクルロード始動』
ゆっくりと雲の中から影が浮き出てその姿を現す。
全身が闇に紛れるように黒く塗られた空に浮かぶそれは飛行艇と呼ばれる物だ。
ただその飛行艇は外装全てに魔法を付与され、更に内部の機器には無数の貴重魔導石を使用している。
この飛行艇、聖飛艇・オラクルロードはマリアティアスの魔力によって動かされ、マリアティアスの魔力が続く限り飛行できる。
そしてこの飛行艇はこの世界の技術では再現出来ない。
マリアティアスが魔力を込めて聖飛艇を加速さて都市国を去る。