強行突入
エレメンティア魔法国・・・もとい魔機国アルケメティア
魔法国が魔機国と名前を変えてから数日後・・・浮遊都市となった魔機国には数多くの魔導師が魔法の研究及び、多数の実験をしている。
しかしながらその研究や実験というものは非人道的であり・・・中には生きた人間さえも実験体としている研究や実験が複数存在する。
だが実験体となった人間、実験している人間共にその瞳には生気が感じられない・・・
その理由は彼らは女神の神眼によって身体の全てを支配されてしまっているからだ。
情報というず情報全てが女神の神眼に伝達しており、その情報量はゆうに人間の処理能力を越えてしてっている。
だが人智を越えた力を有している女神の神眼であれば可能だ・・・それに特異点とならば更にその力を引き出せる。
『うーん・・・まだ見つからない』
浮遊都市となった魔機国で何者にも縛られずにいる人物が一人。
巨大な水晶を背に玉座のように変形した椅子に座っている。
そして彼女の周りには無数の血管のように張り巡らされている魔法の管が水晶に繋がられ、そして水晶を通して地下へと繋がっていて、魔法の管には絶え間なく真っ赤な・・・血液のような液体が流れている。
周囲を見ると見慣れない複数の機械が動いており、そしてその中には生身の人間や奇妙な物体が浮いていたり、魔導石と繋がっている。
そんな異様な場所に座っている彼女・・・女神の神眼は不機嫌そうにため息をつく。
『あの女・・・いったい何処にいるんだ?既に王国の大半は調べた、帝国は既に疫病の狂天使に占拠されてしまっている。まさか竜王国やあちら側にいるのか?』
女神の神眼は数分考え込んだ後に決定する。
複数の部隊を率いて人間の住まう都市よりも東の都市である竜王国に強行偵察することに。
『私の神目を逃れたあの女・・・アレによって消し炭になったと思っていましたが、絶対にまだいるはず』
女神の神眼が自らの手足のであり兵を動かそうとしたその時・・・魔機国の上空を警備していた風の属性魔導師の感知魔法に反応がある。
何者かが魔機国へと侵入してきた事の現れであり、直ぐ様に女神の神眼は視界を切り替え、探知魔法に引っかかった方を見つめる。
『何が近づいて・・・なっ!?なんだこの速度は!?』
感知魔法に引っかかった兵に視界を切り替えた女神の神眼だが、その感知魔法に引っかかった物の移動速度を探知して驚愕する。
『人に速さじゃない・・・それになんだこの風切り音は』
魔機国の上空から一直線にこちらに向かってくる正体不明の物体。
その物体の移動速度は速く、明らかに人間の・・・生物の移動速度ではないと判断する。
そして・・・風切り音と共に現れたのは全身が黒く塗りつぶされた機械であった。
けたたましいいエンジン音を響かせ、後方から炎を吹き出しているそれはジェット機であり、この世界に存在するはずのない技術によって作れない物だ。
そう・・・女神の神眼の力をもったとしても。
(まさか上から攻め込んでくるとは・・・それにこんな芸当が出来るのはあの女しかいないですかねぇ)
女神の神眼は待ち望んだ獲物が来たことに喜ぶと当時に、全部隊に伝令を出し迎撃するように指示を出す。
更に浮遊都市となった魔機国には多数の武器が存在しており、その中には対空砲も存在している。
流石に真上には無いがそれでも魔法の直撃によって軌道がずれた際に集中砲火するためだ。
『射程圏内に入った!』
魔法の射程圏内に入ったジェット機に向かって女神の神眼の指示に従い操られた魔導師が一斉に魔法を放つ。
火・風・水・土の属性魔法と各種 魔導銃がジェット機を襲い、盛大な爆発が起きるが・・・
『防御魔法!?しかもこの威力を防ぐとは・・・』
ジェット機に放たれた全ての魔法が防御魔法によって防がれてしまった。
しかし傷一つ付いている様子は無い。
その様子を見て女神の神眼は考え、そして答えを導き出す。
『まぁ・・・上空の警備兵は必要最低限のいれば大丈夫でしょうね』
女神の神眼の導き出した答え、それは必要最低限の魔導師を残しての魔導師による盾だ。
女神の神眼の指示通りに、魔法師達はジェット機の直線上に立ちはだかり防御魔法を展開して進路を妨害しようとする。
攻撃では迎撃することが不可能だと女神の神眼が判断したからだ。
防御魔法とは自身の目の前、自身の周囲に魔法を展開して防ぐ魔法であり、各属性魔導師はそれぞれの盾を展開することによって攻撃を防ぐ物だ。
女神の神眼はその防御魔法による盾によってジェット機を止める、もしくは軌道を変える算段だ。
『防御魔法による盾ですか・・・しかし無意味ですね』
ジェット機に改造した聖飛艇・オラクルロードに乗っているマリアティアスが、両手を載せている魔導石に魔力を流し込むと・・・聖飛艇・オラクルロードが武装が展開し、中から砲身のような物が複数出てくる。
(あの機械から砲身のような物が・・・砲撃でもしようというのですね。しかしこの壁を突破することが出来るのでしょうか?)
防御魔法を展開した数十名の魔導師に怯むこと無く、スピードを緩めることなく近づいてくる聖飛艇・オラクルロード。
防御魔法を展開した十数名の魔導師達もまた、女神の神眼によって支配され、恐怖という感情が存在していないので高速で近づいてくる聖飛艇・オラクルロードに対しても怯むことなく防御魔法を展開している。
そんな魔導師達に対してマリアティアスは聖飛艇・オラクルロードの砲身を魔導師達に向け・・・弾丸を放つ。
魔法の弾丸を・・・
(魔法を放つ大砲・・・私の知識に無い技術で)
女神の神眼は自身の集めた情報に無い技術を持っているマリアティアスに警戒しているが、時既に遅く前衛にいる魔導師が魔法の餌食となってしまう。
(な!?こ、この魔法は!?)
感覚を共有している魔導師達が魔法の餌食となってしまったことによって、女神の神眼にもその感覚が共有し、前衛の魔導師達に何が起こったのか理解する。
(この魔法は攻撃の魔法じゃ無い!?なんでこんなことを・・・)
魔法が直撃した魔導師達は爆発することも、切り刻まれることもなく、水の属性魔法と風の属性魔法の複合魔法により直撃と同時に結界の魔法によって閉じ込められる。
この魔法はマリアティアスが得意とする複合魔法の一種であり、対象者を水の結界によって閉じ込め、そして更に風の属性魔法をその上から重ねる魔法だ。
水を刀や拳などで斬ったり、破壊することが出来ないようにこの結界を物理で破壊することは不可能。
更に各種属性魔法を放とうとも破壊した瞬間から結界は自己修復し元に戻る。
最もこの聖飛艇・オラクルロードから放たれた魔法には更なる特殊効果があり・・・
『しずっ・・・魔法妨害の効果もあるのか!?』
『えぇ、そうです。道を開けてもらいますよ』
女神の神眼の問いかけに対して微笑んで答えるマリアティアス。
しかしながら言葉は通じないが・・・
魔法を当てられた魔導師達は魔法妨害によって自身の魔力を維持することが出来ず、次々と地面と浮力を失い落ちて行く。
『これでは盾の意味が・・・』
『盾など最初っから無意味だったのですよ』
落ちて行く魔導師達に向かってマリアティアスは風の属性魔法を圧縮した魔法を放ち、着弾したことによって自身を制御することが出来なくなった前衛の魔導師達は暴風によって四方八方に飛んで行ってしまう。
それにより前衛よりも後方にいた魔導師が姿を表し・・・再び聖飛艇・オラクルロードの魔法が直撃してしまう。
更に風の属性魔法を圧縮した魔法により四方八方に飛び・・・そして聖飛艇・オラクルロードの進路を妨害する魔導師はいなくなってしまった。
そしては聖飛艇・オラクルロードは魔機国アルケメティアへと侵入する。
侵入と言うには派手で、周囲を破壊しながらの侵入ではあるが・・・
(侵入されましたか・・・しかし、もう既に地方へと出払っていた魔導師達が戻って来るのも時間の問題、ここは攻めずに守りを固めるとしましょうか)
聖飛艇・オラクルロードが魔機国へと侵入してきた事に対して、さほど驚いたていない様子の女神の神眼。
それもそのはずだ。
情報を共有できるということは、誰か一人でもマリアティアス達の姿を認識した瞬間他の魔導師も認識出来るということであり、既に女神の神眼は地方へと出払っていた魔導師達を召集済みだ。
つまりわざわざ女神の神眼は無理してマリアティアス達の戦力を削ぐ必要は無く、この国から脱出させないようにすればよいのだ。
数とは力、一万の軍勢を十名程度では倒す事など到底出来ないのだ。
『さて・・・無事着陸出来たので始めましょうか?』
マリアティアスは呟くと同時に自身の分身たる呪術石に触れると・・・魔機国を覆い包むようにして巨大な結界魔法が発動する。
『根源たる風の牢獄』
女神の神眼が気がついた時には時既に遅く・・・瞬きする間に魔機国はマリアティアスの放った巨大な結界に覆われてしまっていた。
『無事着陸は出来ていないと思いますけどね・・・』
『強行突入・・・まぁマリアティアス様の魔法よって無事だけど少し気分が』
『大丈夫ですかガル?』
『食べ過ぎなんじゃないの?』
『そんな状態で本当に戦えるの?』
『大丈夫・・・もう大丈夫・・・』
『とりあえずこの治療液を飲んでください。気分がスッキリしますよ』
気分が悪くなってしまったガルに治療液を手渡しをしていると周囲から、マリアティアス達に向かって近づいてくる気配を感じとる。
『さて・・・お出ましですね。しかし無意味だと言う事を教えて差し上げましょうか?』
そう言い終えるとマリアティアスは着陸・・・というよりはかなり荒々しい着陸をした聖飛艇・オラクルロードから、砲身を取りだし・・・そしてマリアティアスに管のような配管が何本も突き刺さる。
そして取り出した砲身にその配管が繋げられ、マリアティアスは近づいてきた魔導師に向かって魔弾を放つ。
近づいてくる魔弾に対して防御することなく、避ける様子もなく魔導師達はマリアティアスに対して魔法、魔導銃から魔導弾を放つ。
お互いの魔弾、魔法、魔導弾が激突し、周囲は一瞬にして戦場となってしまった。
しかしながらマリアティアスの放った魔弾は放たれた魔法、魔導弾に触れた瞬間に魔法、魔導弾その物を風と水の属性魔法よって覆い包み爆発をその中で抑えることによって次々と無効化してゆく。
マリアティアスに繋がっている砲身の数は全部で十六門。
魔弾の一発、一発の威力は凄まじくそして防ごうと思っても防げるような物ではなく、次々と魔弾の餌食となってしまい無効化されていく。
(化け物が・・・人間の身体能力を超越し過ぎですね)
玉座のように変形した椅子に座りながら女神の神眼は伝令を飛ばし、奥の手を使う事を決断する。
『このまま雑魚を一掃されて・・・』
『どうしましたマリアティアス様?』
『アリセス、エール準備していてください。どうやら出番が来たようです』
マリアティアスに言われた通りアリセスとエールは各々の武器を手に持ち臨戦態勢に入る。
『マリアティアス様ヘル達は?』
『戦闘するんじゃないんですか?』
『・・・この気配は』
ヘル、クチルギ、それぞれ退屈そうにマリアティアスの後ろをついて行っていると、一人ガルが何かの気配を感じ取る。
『ガル何か感じ取りましたか?』
『マリアティアス様この下からガルと同じような気配がする』
『ヘルは何も感じないよ』
『クチルギも感じないですね』
『ガルは二人よりも特殊なんですよね?』
マリアティアスの問いに頷きガルは地面に向かって斬り込みを入れ・・・そして地面が割れる。
すると地面の下には地下通路が広がっておりガル、クチルギ、ヘルは落下してしまった。
『地面の下に通路が・・・』
『まだ下はあるけど・・・それよりも!』
突如下に落とされてしまったヘルが困惑していると、ガルがヘルの腕を掴み・・・そして目の前に向かって投げる。
何故自分が空を舞っているのか理解出来ていないヘルだが、自身近づいてくる気配を感じ取り、とっさに右腕でガードする。
するとけたたましい音と共にヘルの右腕に激突する刀・・・ではなく牙が其処にはあった。
動物の牙の様ではあるがまるで違う、この世界では見たこともないような生物がヘルの右腕に喰らいついている。
しかしながらその生物からは生きている気配が感じられない。
そもそもヘルの右腕に喰らいつている物は形こそ生物に似ているが、生物にあるはずの筋肉や血管、皮膚や鱗という物が存在していないのだ。
骨のような外見に、竜人のような尻尾が付いておりそちらにも筋肉や血管、皮膚や鱗がない。
どのようにして動いているのか?何故動けるのかは理解出来ないが、此方に敵意があることは間違いない。
ヘルに対していきなり噛みついて来たのだから。
『ヘルに噛みつくとはいい度胸だね・・・』
そう言いながらヘルは右腕に力を込め、喰われた頭の下に刀を入れると・・・『ベキッ』っと骨の折れるような音が響き渡る。
そしてその音が響き渡った瞬間、瞬時にヘルに噛みついていた物は通路の奥へと戻って行く。
『ちょっとガル!いったい何するのさ!』
ガルに対してキレた様子で怒鳴るヘルだが、ガルは先ほどと同じように通路を切りつける。
すると地下の通路の下にあったのは、大きく開けた広場のような空間であった。
それによってガル、クチルギ、ヘルはそも大きく開けた広場に落ちて行ってしまった。
『そちらの方は任せますよ・・・説得出来なかったら死なない程度に痛めつけておいてくださいね』
落ちている最中にマリアティアスの声が聞こえガル、クチルギ、ヘルは広場へと着地する。
上を見上げるとガルが開けた穴が広がっており空が見えている。
するとその開けた穴から下へと侵入してくる人影。
それに辺りを見渡すと人影がいるという事が確認でき、そして広場に照明が灯りる。
見渡すと周囲は壁に囲まれ、地下であるからか窓という物は一切無く、出入口らしき扉は一つしかない。
『こいつは・・・』
『地下の戦闘施設のようですね』
『ガル、ヘルどうやらお出ましのようですね』
クチルギの言う通りにガルが開けた穴から一人、そして元々地下の施設にいた人物が一人照明の灯りに照らされその姿が露になる。
ガルが開けた穴から降りてきた人物は深くフードを被った人物であり、その顔は深くフードを被っているので見る事は出来ない。
身長から考えるとこの中では小柄だ。
しかしながらその両腕、本来手が出る辺りのところから異様な物が・・・
その異様な物とは先ほどヘルを攻撃してきた物であり、今にも獲物に噛みつきたそうに口を開いている。
そしてフードの下か更にその異様な物が二つ出てきており、両足の変わりなのか自身の体重を支えるようにして立っている。
先ほどは通路が暗かったのでその全容はわからなかったが、その異様な物は金属のような光沢を持っており、先端には恐竜の頭部のようになっている。
この異様な両腕・・・刀を持っている者の名前は『獣ずる牙刀』
もちろん魔導六刀の一振りだ。
そして最初からこの部屋にいたのは忍者装束に身を包んだ女性であり、金の長髪に金色の瞳をしている。
何故か忍者装束は胸を強調した作りになっている・・・それはマリアティアスと同等の巨乳であるからなのかは不明だ。
両腕にはとても片手では扱うことの出来ない巨大な手裏剣を手に持っている。
遠距離攻撃を持っているのにも関わらずにヘル達攻撃して来ないのを不思議思っていると・・・地下の戦闘施設の扉が開けられ更にもう一人入ってくる。
その人物をクチルギは知っている。
マリアティアスを裏切りあの場所からいつの間にかいなくなっていた者・・・魔導六刀の一人である『沈みゆく鎖刀』だ。
『さて、全員集まったようですね・・・挨拶をさせていただきましょうか?』
忍者装束着た女性が恭しくガル、クチルギ、ヘルに対してお辞儀する。
『私の名前は廻る忍刀。よろしくお願いいたしますね』
お辞儀をしたディライであったが・・・それに対して続く者いなくディライは一人ため息を溢す。
『こちらは私と同じ魔導六刀の一振り・・・獣ずる牙刀と沈みゆく鎖刀です』
『へぇ・・・マリアティアス様の言っていた通りだね』
『とりあえず・・・ヘルはヘルを攻撃した奴を潰すけど問題ないよね』
『生きているのなら問題はないんじゃないの?瀕死でもマリアティアス様ならなんとかしてくれるでしょ』
『ガルはどっちと戦うの?』
ディライの挨拶を無視してクチルギの問いかけにガルはディライと戦うと宣言をする。
それに対してディライはお辞儀で答える。
『じゃ・・・クチルギの相手はライフルか』
『お前が生きているとダイヤ様が怖がるからな・・・殺させてもらうぞ!』
『ところでそのダイヤ様は今何処にいるの?あの変な触手に絡めとられた後どうなったの?』
クチルギの質問がライフルの怒りに触れたようでライフルから怒涛の殺意が溢れ出す。
しかしながら叩きつけるような殺意を浴びているのにも関わらずに、クチルギはまるで関係ない雰囲気をしている。
『さて、お互い挨拶も済んだとこで・・・そろそろ殺し合いを始めようか?』
『ヘルは別に最初っからそのつもりだけど?』
『礼儀という物は大切ですよ・・・例え直ぐに消え去るとしても』
『そんなこと出来ると思ってるの?ガル達を相手に・・・』
『どうやら説得は出来ないようですね。まぁ、相手が戦意剥き出しですから当然ですね』
魔導六刀が一同に集まり激闘が幕を開けるのであった。
『どうやらあの子達は戦闘になってしまったようですね』
迫りくる魔導兵を相手にしながらマリアティアスは楽しそうに微笑み、そして周囲を見渡す。
マリアティアスの周りにはまだ魔導兵がいるが徐々に数は少なくなってきており数える程度しかいない。
魔法を無力化されてしまった哀れな魔導兵が手持ちの武器で攻撃しようとしているが、マリアティアスの作り上げた結界魔法を突破出来ている者は未だにいない。
『マリアティアス様こちらは終わりました』
『こちらも問題無く・・・殺しましたよ』
一仕事終えたようにアリセスとエールはマリアティアスの元に戻ってくる。
アリセス、エール共に多少傷付き、衣服がぼろぼろになってしまっているが、普通に会話出来ていることから致命傷はない。
アリセスとエールが戻って来た瞬間マリアティアスは二人に治癒の魔法を施し、傷が何事もなかったように元に戻る。
『さて・・・ここですね』
マリアティアスはとある場所にたどり着き、そして地面に向かって風の属性魔法を発動させる。
風の属性魔法は鋭利な刃物のように地面を斬りつけ地面に穴を開ける。
『この下にいるのですか?』
『・・・えぇ。そうなのですが、まさか私の魔法で斬れない物質があるとは』
『その物質はこの世界で最も硬い鉱石で作り上げた壁です。残念ながら破壊や、切断はおろか傷つける事は出来ませんよ』
目的の場所に向かっていたマリアティアスだが、自身の魔法で切断することが出来ない鉱石があることに驚いていると、一人の魔導師が語りかけてくる。
マリアティアス以外の全員が戦闘態勢に入る。
マリアティアスの指示があれば即座に攻撃する算段だ。
『なるほど・・・これは親切にありがとうございます。ところで攻め込まれているのにも関わらずに何故そんなに悠長にしているのです?』
『余裕だからですよ・・・何故なら貴女方を倒す準備が出来たのですから』
女神の神眼に支配された魔導師が不適に微笑むと・・・数秒後地下の施設へと通じる扉が周囲にあったようで、地下から五名の兵がマリアティアス達に送り込まれる。
『最大戦力のお出ましですか・・・』
地下から現れた五名の兵。
それは魔法国において四大魔法機関に属する最高位魔導師の四名と、王国において最強の騎士と言われたヴァーミリオンであり、その瞳は周囲にいる魔導師と同じように女神の神眼に支配されてしまっている。
そして彼らは各々に見慣れぬ武装をしている。
これは女神の神眼によって作り上げられた武装であり、各々の能力を最大限にいかせるように多数の魔導石、魔化されていると推測できる。
『さぁ・・・始めましょうか?貴女が何者なのか知りませんがそれは支配してから考えるとしましょうか?』
『出来るものならどうぞ・・・私も貴女に用がありますので』
女神の神眼とマリアティアス達の戦いが幕を開ける。




