エピローグ
セラフティアスとマリアティアスの戦いから数年後・・・
バルエラ竜王国を中心に世界各地に飛び火した戦禍は未だに治まらず戦いは続いている。
全ての旧世界の知的生物の根絶を目指す天使の軍勢。
戦力は大幅に減ってしまっているが・・・それでも進軍が止まることなかった。
『エクアリーゼ兄さんそっちはどうです?』
そう言いながらエクアリーゼの元に一人の天使・・・弟であるバーズが近づいてくる。
瓜二つの姿をした二人。
天使の輪や背中から生えている翼も同じであり、手に持っている得物もまた同じ二人だ。
『異常無し・・・どうやらこっちの方にはいないぜ』
『そうなんだ』
『全く・・・何処に行ったんだろうな?』
『こんな状況だからね。何処に潜んでいてもおかしくないはずだよ』
『そうだ・・・あれは?』
『エクアリー・・・あの独特な翼は』
エクアリーゼとバーズの目線の先にいるのは、此方に向かってくる二体の影。
エクアリーゼ達とそれほど変わらない大きさなのだが・・・その背中から生えている翼は通常の翼とは違う形をしていた。
片方は天使達と同じ純白の翼。
なのだがその対となる翼は純白ではなく・・・血を凝縮したような真っ赤な枯れ枝のような翼。
そう・・・かつてマリアティアスと共に戦った二人、エリカとアイカである。
『エリカさま、アイカさま、お帰りなさい』
エクアリーゼとバーズはエリカとアイカに対して最敬礼をする。
それに対してエリカとアイカもまた手を振って答えようとしたが、歩み寄ることにした。
『お疲れ様です・・・何か変わったことはありませんか?』
『特段変わったことは・・・』
『ないです』
『そう・・・こっちも特に変わったことはないかなぁ』
『何かあり次第連絡くださいね』
『勿論です!』
『お任せください!』
元気よく返事をするエクアリーゼとバーズ。
そんなエクアリーゼとバーズに笑顔で答えたエリカとアイカは、そのまま後方に存在する前線基地へと戻ってゆく。
地上部隊第八前線基地
ここは地上においての前線基地であり、数ある戦略拠点基地の一つだ。
女神セラフティアスを筆頭に複数名が部隊長となり、地上へと侵略している。
そんな前線基地には多数の武器や防具等があるだけではなく・・・この前線基地は神力に満ち溢れている。
本来セラフティアスだけが扱うことができる神力なのだが、セラフティアスの技術によりその力の一端を天使達も使うことができるようになっている。
しかしながら自由自在に扱える訳ではなく、使える量にも限りが存在する。
なので今現在神力を扱うことができるのは、この第八前線基地においてはエリカとアイカの二名だけが扱うことができる状態となっている。
『お疲れ様ですエリカさま、アイカさま!』
エリカとアイカが第八前線基地に帰って来ると、中で働いていた天使達が全員で出迎えてくる。
『ただいま・・・何か変わったことは?』
『今のところは何も・・・今日のところは竜人の姿を確認出来ていません』
『この前まで戦闘をしていたのに・・・』
『何か仕掛けてくるのかなぁ?』
『どうだろうね』
出迎えてきた天使達と共に奥へと進んでゆくエリカとアイカ。
奥には今いる場所の地図が貼られていて、進軍した箇所には印が付いており・・・地図の半分以上に印が付けられている状態だ。
基本的にエリカとアイカが主戦力であり・・・他の天使達はそのサポートをしているようになっている。
主に天使達は索敵がメインで、敵を見つ次第エリカとアイカに連絡し、殲滅するという手筈だ。
しかも今までの連絡手段とは違い、念話というものを用いて連絡が可能となった。
念話とは、ある特定の手順を用いることによって自ら思っていることを他人へと伝える手段だ。
少し前までは出来なかったのだが、セラフティアスの力が強まったことによって出来たと言われている。
エリカとアイカも勿論使えるのだが・・・何故これが使えるのかはわかってはいない。
『エリカさま、アイカさま連絡が!』
『敵襲?』
『・・・そのようです。今から繋げます!』
念話というものには魔法と同じで射程距離という物がある。
しかしながら他の魔法とは違い、射程距離内にいる天使が中継地点となることによって、遠く離れた天使へと伝令することが可能な魔法なのだ。
事実上、中継地点を繋ぎ合わせればどんなに離れていたとしても連絡することが可能な、かなり便利な魔法なのだが・・・勿論弱点という物も存在している。
その一つに嘘や偽りの連絡なども自由自在に拡散することができることが上げられる。
例えば、あの場所に敵がいると言って誘き出すことも可能であり、掻き乱すことも出来る。
まぁ、セラフティアスと共に思いを同じくする天使達がそのようなことをするのはありえない話だが・・・
『れ、連絡します・・・敵襲です!西区第三部隊に敵襲です!』
『数は?』
『おおよそ二十以上です・・・こ、このままでは』
『わかった。直ぐに行くよ!』
『あ、ありがとうございます・・・』
『時間稼ぎが無理なのであれば、撤退してもかまいません』
『りょ・・・了解です』
念話を終えたエリカとアイカは、他の天使達にこの場を任せ飛び立つのであった。
地上・・・西区第三部隊のいる戦場にて
天使達から伝令を受け取ったエリカとアイカは無事合流することに成功する。
幸いなことに負傷者はいたが、重症というわけではなく命に関わる程の傷を負っている者はいなかった。
しかしながらこのままエリカとアイカが来なければどうなっていたかは不明だ。
何故なら敵は天使達と同じように空を飛ぶことが出来る存在・・・竜人なのだから。
『状況をご報告します!』
状況が落ち着いたのを確認し終えた天使がエリカとアイカに報告するために一歩前に出る。
まだあどけなさが残る少年の姿をした天使ではあるが・・・実力的には何も問題なく、エリカとアイカと同じように火の属性魔法を扱うことが出来る。
まぁ・・・エリカとアイカの炎はこの世界の理を超越した力なのだが。
『なるほど・・・敵は竜人が六体に兎人が二体、狼人が八体に、蛙人が一体と蛇人が一体、そして狐人が五体ですか』
『はい!他にもいましたが、エリカさまとアイカさまが来る前に蛙人を二体、蛇人を三体、そして蝶々人を合計で二体を倒しております』
『なるほど・・・他にも潜んでいる可能性はありますね』
『そうだね。やっぱり敵の主力の竜人を打ち倒した方がいいと思うけど』
『そうですね。残念ながら僕たちの力では竜人を倒すことが出来ませんでした・・・』
『でも他の奴らを倒したんでしょ?』
『はい。出来る限り・・・この音は!?』
『どうやら攻めてきたようですね』
『貴女達は休んでいてください・・・後は私とアイカが戦いますので』
『エリカさま!アイカさま!』
突然先にとは違う、力強い口調で話す天使。
何事かと思い質問するエリカとアイカ。
どうやら話を聞くとエリカとアイカに同行したいようだ。
『うーん・・・』
『別に戦ってもいいけど・・・助けるつもりはないよ』
『勿論承知しています。だけど僕もまだ戦えます!』
そう言った天使は見たところ傷を負っている様子はなく、顔色からしても体調不良ということもないと判断できる。
戦力にはなるかもしれないが・・・それでもエリカとアイカからすればあまり強いとは言えず、はっきり言って足手まといだ。
エリカの扱う純黒の炎は全てを焼き付くす超常の炎であり、味方にも被害が出てしまう可能性がある。
しかも今は珍しく攻め込んでいるのではなく逆・・・攻め込まれているということは余裕がないということなので、更に味方を巻き添えにしまう可能性が高くなってしまっている。
そんな状況で実力の離れた者を連れて行くとどうなるのか・・・
余裕がある状況ならばサポート出来るかもしれない。つもり今は無理なのだが・・・どうやら天使の本気であり、引くつもりは毛頭ないようだ。
しかしながらそんなことを言い争っている余裕は残念ならが無かった。
『それじゃここは任せたよ』
前線基地から出てから数分後・・・竜人が率いているであろう部隊との戦闘区画へと侵入するエリカ達。
そこは周囲にある木々は焼かれ、所々に転がっている大岩や不自然に切断された木や岩、そして水源が周囲に存在していないのにも関わらずにある大きな水溜まりなどが存在している。
明らかに自然現象ではありえない光景であり、必然的にこの場所で戦闘していたのだと判断できる。
『見つけた!』
『あれは蛙人と蛇人ですね』
『他にはいないようだよ?』
『索敵能力が強い二体・・・だけど面倒だから一気に終わらせる!』
そう言い終えるや否やエリカは両腕から純黒の炎を作りだし・・・そしてその純黒の炎は槍のような形状へと変化する。
突如として上空からただならぬ気配を感じ取った蛙人と蛇人。
双方共に空気中の温度の変化を敏感に察知したのだ。
そして蛙人はエリカの扱う純黒の炎を見るや否や、大声で警戒音のような物を発し、蛇人の方は一目散に茂みの中へと逃げ帰って行ってしまう。
『逃げたよお姉ちゃん!』
『問題ないよ・・・』
純黒の炎で作りだした槍を投擲するエリカ。
一本は蛙人に直撃し、もう片方は茂みの中へと着弾する。
エリカの純黒の炎の槍が直撃した箇所は、蛙人が開けていた大口であり・・・声にならない叫び声を上げながらのたうち回り、水溜まりへと向かう蛙人。
しかしながらエリカの純黒の炎は対象を燃やし尽くすまで消えることのない、超常の炎。
水溜まりに入れば大丈夫だと思っていた蛙人は消えることのない、純黒の炎を消そうと必死になるが・・・当然消えることはなく、そして息絶えてしまった。
もう片方の純黒の炎で作りだした槍の方はというと・・・残念ながら手応えは感じられない。
『あなたにも働いてもらうよ』
『え・・・あっ・・・はい!何をすれば?』
呼ばれると思っていなかった天使が驚くが・・・エリカはそんなことを気にしている様子はなく、次の何をすればよいのか指示を出す。
そしてエリカに言われた通りに周辺の茂みに火の属性魔法を放つ天使と同時に、エリカもまた所々に純黒の炎を放つ。
エリカの純黒の炎は他の物質に延焼することはない。
しかしながら、そんなことを知らない他の者が取る行動はいくつかあるが・・・この竜人達は愚行をしてしまった。
焼かれるのを恐れ、前に・・・エリカ達と正面から戦うという選択を。
『飛び出て来ました!』
『狙い通り・・・アイカ、竜人の方は任せたよ』
『わかった』
『それとあなたはアイカを手伝ってね』
『はい!分かりました』
二手に別れるエリカとアイカ。
エリカの方は出てきた亜人達を狩るために移動し、そして純黒の炎で作り上げられた火炎弾を放つ。
『怯むな!奴らを殺さなきゃどの道死ぬだけだ!』
エリカが放ったのは人の頭ほどある火の玉であり・・・メラメラと燃えているそのさまは恐怖そのものなのだが、亜人達は怯むことなく突撃してくる。
『へぇ・・・怯まないんだ』
一切躊躇することなく突撃する亜人達であったが、兎人の二体と狐人の三体は突撃することはなかった。
何故ならこの五体の亜人達は魔法を扱うことができるからだ。
そして兎人の方は片方が風の属性魔法と、水の属性魔法を放ち、狐人の方は三体同時に土の属性魔法を放つ。
逆巻く風は刃となり、放たれた水は弾丸へと変化する。
土の属性魔法は地面を隆起させ地形を変えながらエリカへと迫りくる。
『この程度!』
エリカの放った炎の弾丸がそれぞれの魔法と直撃する。
直撃した衝撃により、エリカの純黒の炎による熱波が周囲に襲い掛かるが・・・怯むことなく突き進む亜人達。
徐々に距離を縮め・・・
『そのまま突き進め!』
狐人達が土の属性魔法を発動させ足場を作る。
すると足場を器用に扱いその高い身体能力を生かした狼人が、空中にいるエリカに襲い掛かるが・・・
『そんなことしても無駄』
エリカは自身を中心に魔力を周囲に爆発的に発生させる。
するとその衝撃に耐えることが出来なかった狼人達は、そのまま地面へと落下してゆく。
『しまった・・・』
『だけどこれなら狙える!』
エリカが魔力を発生させるのを待っていた兎人の二体は、息を合わせたように同時にそれぞれの魔法を放つ。
迫りくる風と水の属性魔法。
魔力の発生させた隙を突いての攻撃なのだが・・・その攻撃は呆気なくかわされてしまった。
『な!?』
『は、速い・・・』
突如として先ほどよりも速く動き、迫りくる風の水の属性魔法をかわして見せたエリカは、そのまま地上へと急降下し、落下中の狼人達の横を通りすぎると同時に純黒の炎で燃やす。
突然の加速、そして身動きできない空中ということもあり、全員・・・全ての狼人が純黒の炎の餌食となってしまった。
『まだ余力を残しているぞ!』
叫ぶ蛇人であったが時既に遅く、加速し一気に距離を縮めたエリカはそのまま残りの蛇人と二体の狐人を純黒の炎で焼く。
これにより前線が崩壊してしまい、後方にいる二体の兎人と三体の狐人と目線が合う。
『まずい・・・前線が』
『崩壊して・・・』
一瞬にして前線が崩壊してしまったことに驚きを隠しきれない兎人達。
純黒の炎という見たことがない炎を警戒しなかった・・・侮ったことを後悔したとしても既に遅く、前線にいた狼人、蛇人、二体の狐人は消し炭となってしまった。
前線が崩壊してしまって漸くエリカの実力を理解し、自分達では太刀打ちすることができないと悟る。
『漸く理解出来たようですが・・・もう既に手遅れです』
エリカは純黒の炎を操り、巨大な炎の斧を作り上げる。
エリカの二倍以上の大きさであり・・・メラメラと燃え盛るその姿は兎人達にとって恐怖の対象でしかなく、恐怖からなのか動きが鈍くなってしまっている。
それでも僅かな望みを捨てきることが出来なかった兎人達は、それぞれの属性魔法を放ちエリカに対抗するが・・・兎人達の放った魔法は突如として放たれた純白の炎によって焼かれてしまった。
何事かと思い純白の炎が放たれた方向を見る兎人達。
すると、その先にいたのは既に半数以上の竜人を始末し終えていたアイカがそこにはいた。
『何処を見ているのです?』
自身の魔法を焼いたアイカに気をとられてしまった兎人達。
一瞬・・・ほんの一瞬ではあるがその隙を見逃さなかったエリカは純黒の炎で作り上げた斧を振るい兎人達を両断する。
何体かは攻撃をかわそうと反応したのだが、その反応を予想していたエリカは斧が地面触れると同時に火柱が上がるように仕掛けていた。
案の定かわしたと思っていた面々に襲い掛かる純黒の炎。
悲痛な叫びを上げることなく、残りの面々もまた燃やし尽くされてしまった。
『これで終了。アイカの方は・・・少し手伝ってあげようかなぁ?』
地上にいた亜人達を殲滅し終えたエリカは、上空にいるアイカに目線を送る。
すると、そこには竜人達と未だに戦闘を続けているアイカ達がいた。
善戦しているようであり、竜人の数は最初よりも減っている。
『炎よ・・・憎き竜人を滅するために黒き弾丸となれ!』
魔力と共に神力を付与させた魔法陣を出現させるエリカ。
明らかに異常な雰囲気を感じ取った竜人。
しかしながら目の前にいるアイカ達の相手をするのが手一杯であり、エリカまで相手にする余裕はなかった。
そして放たれる純黒の炎を纏った弾丸が竜人に襲い掛かる。
回避しようとも妨害され、竜法で防ごうとしてもアイカの純白の炎によって焼かれてしまい・・・残っていた全ての竜人に直撃する。
純黒の炎は絶対に消えることのない炎であり・・・直撃した竜人は必死に消そうとするが、更にエリカから追い討ちを喰らい、呆気なく燃やし尽くされてしまった。
『殲滅完了・・・ちょうどいい時間かな?』
『そうだねお姉ちゃん』
『後始末は任せたよ』
『お任せください!』
後始末を任せたエリカとアイカは、黄金世界の優夢都に向かって飛び立つのであった。
黄金世界の優夢都・・・全てが優しい世界であり、女神セラフティアスが作り上げられた永遠の理想郷。
その理想郷の中心に存在するのはこの世界の言葉では現しきれないほど美しき巨城だ。
そしてその巨城を統べるのは女神セラフティアス。
絶対にしてこの世界の理を逸脱した力を持っている者である。
『これで全員集まったようですね』
女神セラフティアスを中心に名だたる実力者が集結していた・・・
風の属性魔法を人々に教えた四教天使・信導の四教天使
火の属性魔法を人々に教えた四教天使・断炎の四教天使
土の属性魔法を人々に教えた四教天使・絶軍の四教天使
水の属性魔法を人々に教えた四教天使・衰癒の四教天使
名前を捨てた聖職者 アリセス
名前を捨てた聖職者 エール
混色の双天使エリカ&アイカ
嵐を操ることが出来る ヘルメス・T・アレイスティア
人々の願いの果てに作り上げられた六本の刀
魔導六刀・蠢く虐刀
魔導六刀・朽ちゆく奪刀
魔導六刀・沈みゆく鎖刀
魔導六刀・名もなき偽刀
魔導六刀・獣ずる牙刀
魔導六刀・廻る忍刀の面々が集結している。
そして女神セラフティアスの後方・・・まるで繭のような形状をしている物がそこにはあった。
異質な雰囲気を醸し出している繭であったが、その繭は神々しく、そして脈動していた。
『さて・・・定例報告をしてください。まずはアリセスから』
セラフティアスに促されアリセスから順々にて報告を済ませるアリセス達。
『なるほど・・・案外まだ生き残りはいるのですね?』
『そのようで・・・力は弱体化しているからと言ってもやはり飛べるというのは強いですからね』
『そうですねぇ・・・自由自在に空を飛べるということは強みの一つですからねぇ。貴女方もよく知っているはずですから』
アリセス達を見つめるセラフティアス。
アリセス達の背中からは純白の翼、もう片方には赤く、真っ赤な枯れ枝のような翼。
まるでエリカとアイカのような翼なのだが・・・アリセスを含めた全員がこのような歪な翼を持っている。
個人個人によって左右が異なるが・・・それでも魔力を使うことなく、空を飛ぶことが出来る。
そう・・・アリセスを含めたかつてマリアティアスに仕えていた者達は全員生まれ変わったのだ。
そして肝心のマリアティアスが何処にいるのかというと・・・
『それでは引き続き殲滅を続けてくださいね・・・皆さんも早く会いたいかもしれませんが、とりあえず殲滅しなければあの子も安心出来ませんので』
そう言い終えるとセラフティアスは後方に存在する繭・・・マリアティアスが包まれている繭を見つめる。
『誕生の瞬間が待ち遠しいですねぇ・・・マリアティアス私の麗しき半身』
愛おしく繭を見つめるセラフティアス。
その姿はまるで我が子の誕生を待ちわびる母親のようであった。