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俺の指圧がチートすぎる  作者: 佐藤謙羊
第3章 クラスメイトをxxxします!
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28 決着のハーレム王

 俺の背に守られていた女が、後ろから歩み出る。


 すると男のどよめきと、女の歓声が交錯した。


 その反応は対照的。


 俺に襲いかかってこようと立ち上がっていた男たちは、イキった態度から一変……地獄に堕ちたような情けない表情になっている。


 跪いていた女たちは、絶望の暗闇にいるような表情から一変……天から降り注ぐ奇跡の光を受けたかのように、瞳を輝かせている。



「な……なんで、壺仮面だけじゃなく、女のほうまで生きてるんだ……!?」



「たしかにあの女は、壺野郎と一緒に『真・メデューサキック』の餌食になったはず……!」



「壺野郎が無事だったのは、とっさに女を盾にしたからだと思ってたのに……!」



「それだったら、女のほうがズタボロになってるはずだろ!? でも、実際は逆……! 壺野郎はズタボロなのに、あの女はカスリ傷ひとつ付いてねぇぞ……!?」



「なんでだ……!? なにがどうなったってんだ……!? なにがなんだか、全然わからねぇ……!?」



 答えにたどり着けない男たちは、ただただうろたえるばかり。

 ヤツらの足元から、蚊の鳴くような声が立ちのぼった。



「まさか……あの壺仮面さんが、お姉ちゃんを守ってくれた……?」



 ひとりの少女の何気ない一言が、その場を大いに揺らす。



「そんなわけあるかよっ!? 『メデューサキック』を受けるとわかっていて、女を守るバカなんているわけねぇだろっ!?」



「そりゃそうだ! あんな女一匹のために命を賭ける男なんざいるかよ!? 俺だったら真っ先に蹴り倒してるぜ!」



「それ以外の選択肢なんて、ありえねぇ……! いままで『真・メデューサキック』を受けてきたヤツらは100%そう……! だってそれ以外に、助かる道なんざねぇからなぁ!」



「おい、女! てめぇ、いったい何しやがった!? そっちの壺野郎みてぇに、変な技を隠してたんじゃねぇだろうな!? ああん!?」



 女はキッと男たちを睨み返す。

 さっきまで俺にすがっていた弱々しさは、微塵も感じられなかった。


 きっと……この堂々した態度こそが、この女の本来の姿なんだろう。



「わたしは、何もしていません……! でも、無傷だったのは……こちらにいる壺仮面さんが、わたしのことを守ってくだったからです……!」



 四方八方から飛んできた「ウソをつくなぁ!」というヤジを、「ウソではありませんっ!」と跳ね返す。



「男は女を家畜のように扱うもの……このバーに監禁されてから、わたしはそう思うようになりました。乱暴され、踏みにじられ、最後には男たちの争いために利用され、家畜のように屠殺される……! それが当たり前で、この世の男はすべてそうなのだと、思っていました……!」



「なに言ってんだテメェ!? それが当たり前に決まってんだろ! 女と家畜は同列に扱う……それが男らしさってもんだ!」



「しかし……その考えは間違いであると、壺仮面さんは教えてくださいました……! 壺仮面さんの足を押さえたわたしを、責めるどころか……! 守ってみせる、とおっしゃってくださったのです……!」



「そんなわけあるかっ! 恐怖で頭がおかしくなったんじゃねぇのか!? それとも脅されてるんだろう!?」



「壺仮面さんは、おっしゃいました……! 『男が女を守るのは、当たり前のことだ』と……! 男が女を守るのは、血縁や損得ではない……! 生き物として当然の行為だと、おっしゃったのです……!」



「そ……そんなわけ……そんなわけあるかよっ!? そんなことをして、何になるっていうんだっ!?」



「まだわからないのですか!? それが、壺仮面さんという殿方なのです……! 何の見返りがなくとも、大いなる強さと愛で、わたしたち女を包み込んでくれる……! そして無償の愛を注ぎ込まれたわたしの中に、初めての感情が芽生えました……! この方のためなら、何だってできると……! いままでは神の教えや道徳によって、人にしてきたわたしが……初めて……女として……殿方である壺仮面さんに、何かをしてあげたいと……そう思ったのです……! 壺仮面さんのためなら……嫌々ではなく、心の底から喜んで、靴だって舐められる……!」



 女は両手を掲げながら、なおも続ける。



「壺仮面さんこそ、我らが主、タクミ様が遣わした救世主……! わたしたちを助けに来てくださった、愛の戦士……! さあ、祈りましょう……! 私たちのわずかな力を、壺仮面さんに使っていただくのです……!」



 四つん這いになっていた女たちが、次々と祈りのポーズをとりはじめる。

 何かを囁いていたが、それが二人、三人と伝搬していき……ついには大きな合唱と化す。



「我らが偉大なる主、タクミ様……! どうか、壺仮面さんの傷を、お治しください……! 健やかなる身体を、壺仮面さんにお与えください……!」



 ……なんか不思議な呪文だな……と俺は他人事のように思っていた。


 俺に祈って、俺を治す?

 なんかよくわかんねぇけど……それって効果あんのか?


 しかし、ちゃんと俺の身体は光に包まれた。

 治癒魔法が発動した証だ。


 『アドレナリン・オーバードーズ』の効果と入れ替わるようにして、身体に健やかさが戻ってくる。


 ああ……助かった。

 死にかけでヤバかったんだが、これなら雑魚どもにいちどに襲いかかられても大丈夫だろう。


 俺は背後にいる女に向かって、グッ、と親指を立てた。



「助かったぜ、あとは俺にまかせてくれ。約束どおり、このガキども全員にたっぷりとお灸を据えてやっからな……!」



 さぁて、どのツボを突いてやろうか……と、指の骨をポキポキ鳴らしながら前に出る。


 ヤケになったガキどもが、自爆特攻してくるかと思ったんだが……なぜか全員、目を剥いて後ずさっていた。



「お……おい……見ろよ……! 壺野郎の腕……!」



「さっきまで血まみれだったから、気づかなかったけど……マジかよ……!?」



「あ、あれ……タトゥーじゃねぇ……! ほ、ホンモノの……真実の愛のアザ……!」



 それで気づいた。

 ガキどもは俺の腕にびっしりとある『真実の愛のアザ』に注目していることを。



「う、うそだ……! 『真実の愛のアザ』は、多くてもひとつだって聞いた……! 女に心の底から愛されるなんて、一生にひとりが限界だって……!」



「に……ニセモノだろ? 俺たちのと同じ、タトゥーじゃねぇのか……!?」



「いや……違う……! あれは全部ホンモノ……! 水に浮かんだ油みてぇに輝いてるだろ……!? あれがホンモノとニセモノの違いだ……!」



「ぜ、全部ホンモノって……マジかよっ!? アイツの腕は、アザだらけ……! いったい何人の女に愛されてるっていうんだよっ……!?」



「あ、アザが数えきれねぇ……! あれだけの女に愛されるだなんて、まるで『ハーレム王』じゃねぇか……!!」



「あ、あの、壺野郎が……!? 伝説の……『ハーレム王』だとぉ……!?」



 立ち尽くしていた男たちが、甲子園で逆転満塁ホームランを食らった球児たちのように……次々と崩れ落ち、膝をついていた。


 そして、誰もが……ボスも雑魚も、奴隷となっていた女たちまでも……俺に向ってひれ伏していた。


 あれほど俺に対して挑戦的だったボスに至っては、誰よりもかしこまっていて……己を責めるかのように額をゴツゴツと床に叩きつけている。



「……ゆ、許してくれ……! まさかあんたがあのハーレム王だったなんて……! もう二度と歯向かわねぇ……! た、たのむ……! 壺仮面……! いや、壺仮面さん……! 俺を……俺をアンタの舎弟にしてくれ……! 俺は……俺は……壺仮面さんのようなハーレム王になりてぇんだ……!」



「……そうか。じゃあ、こいつにサインしな。それと……お前らに女をあてがった親玉のところにも案内してもらおうか」



 俺は『タワークエスト』の同盟用紙を、『ジェノサイドキッカー』の頭上に降らせた。

次回、最終決戦…!


それと新作小説を掲載いたしました。

本作がお好きな方でしたら、同じく楽しんでいただけると思います。

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★新作小説
ゲーマーおっさん、ゴーレムに引きこもる…でもソレ、実はスーパーロボットですよ!?
本作が好きな方でしたら楽しんでいただけると思いますので、是非読んでみてください!


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