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俺の指圧がチートすぎる  作者: 佐藤謙羊
第3章 クラスメイトをxxxします!
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02 ステータス、オープン!

 思わぬ出費はあったものの、俺は『天空族(スカイエン)の塔』に入るべく、塔のすぐ側まで来ていた。


 近くに来るとそのスケールに圧倒される。

 本当に天までとどきそうなほど高く、外周もどこまで続いてるのかわからないほどにデカい。


 実物は見たことねぇけど、まるでバベルの塔みたいだ……!


 こりゃ、中も期待できそうだな……! とさっそく入場しようとしたんだが、入口で止められた。


 入場料を払えば一階までは入れるそうなんだが、二階より先に行きたければ冒険者証が必要らしい。


 一階は塔の歴史がわかる展示スペースになっているので、完全に観光客用だ。

 二階以上はモンスターが出るので、冒険者証の提示が必要らしい。


 冒険者証はギルドなどで発行される、冒険者であることを示す身分証みたいなもの。

 でも……俺はまだ学生の身分なので、そんなモノは持ってねぇんだ……!



「あんた、その服装からすると……修学旅行の学生さんじゃないのか? だったらあそこで手続きをすれば、冒険者証を発行してもらえるよ」



 と門番の男が指さして教えてくれたのは、塔のそばにある体育館のような建物だった。


 俺は、体育館に行ってみることする。


 中に入ってみると……外見だけじゃなく、室内も体育館みたいだった。

 壁や仕切りがなく、だだっ広い空間。奥には一段高くなったステージみたいな所がある。


 ステージの手前では、俺みたいな学生服を着たヤツらでごったがえしていて……どうやらいろんな学校の修学旅行生が集まっているようだ。

 俺の所属する『リンドール学園』のヤツらもいた。


 学校ごとに固まって、ワイワイと騒いでいる。

 コイツらは一体何をしてるんだろう? と思ったが、どうやらステージが始まるのを待っているようだ。


 何がなんだかよくわからなかったが、俺もまわりのヤツらに習い、待ってみることにした。

 しばらくして、室内じゅうにアナウンスが流れる。



『みなさん、おまたせいたしました! これよりタワークエストの説明を行います!』



 うるさかったヤツらが、ぴたりと静まり返る。


 タワークエスト? なんだそりゃ。

 俺は冒険者証が欲しいだけなんだがな……と思ったが、ひとまず黙ってアナウンスに耳を傾けることにした。


 『タワークエスト』というのは、学校対抗で行われる競技のことらしい。


 まず、参加する生徒全員に『冒険者証』と『タワーバンド』が渡される。


 『冒険者証』はギルドなどが発行するものと同じで、それがあれば晴れて冒険者デビューができるというわけだ。


 『タワーバンド』は腕輪みたいなヤツで、中には『天空族(スカイエン)の塔』で行った功績が記録されるらしい。


 塔を登る、モンスターを倒す、お宝を見つける、クエストをクリアする……それらがポイントとなって、『タワーバンド』に蓄積される。

 逆に戦闘不能になったり、クエストに失敗したりするとポイントは減る。


 ためたポイントは、塔内や塔のまわりの市場で現金がわりに使うことができるらしい。

 もちろん使った分は『タワーバンド』から減算される。


 これから数日間の間、各学校の生徒たちが協力して塔に挑み、最終的に合計ポイントがいちばん高かった学校が優勝となるらしい。


 ……以上が、『タワークエスト』という競技のルール。


 なるほど。

 待ち時間のあいだ各学校の先生方が、生徒たちに作戦伝授をしていたんだが……そういうわけだったのか。


 どいつもこいつも妙に気合が入っていたので、ただの学校間のレクリエーションなんかじゃなくて……学校の名誉をかけた戦いのようだ。


 「タワークエストで功績を残した生徒には、ランクを二階級特進させてやる!」なんてハッパをかけていた。

 ランクは学校生活においてのヒエラルキーにも直結しているから、生徒たちのやる気もかなりのものだろう。


 そして……ウチの学校の先生方が、



火串(ほぐし)! 修学旅行のコースには決して近づくなよ! もし見つけたら強制送還だからな!」



 なんて俺に念押ししていた理由が、ようやくわかった。


 落ちこぼれのFランクである俺が、まかりまちがって『タワークエスト』にまぎれこんじまった日には……『リンドール学園』の成績に大きく水を差すと考えたんだろう。


 ちなみに『リンドール学園』では、Dランク以上じゃないと修学旅行に行けない決まりになっている。


 理由はたぶん、同じようなもんだろう。

 いつの世界も落ちこぼれってヤツは、優秀なヤツの足を引っ張ることしかしねぇからな。


 アナウンスは続く。


『では、これから皆さんに、ひとりずつ冒険者証とタワーバンドをお渡しいたします! 冒険者証をお渡しする際には、冒険者法において、以下4点の情報を開示してのお渡しとなります!』



 1:冒険者ランク

    学校でのランクを冒険者ランクに変換したもの。


 2:ステータスの要約

    各ステータスを簡単に言い表したもの。


 3:『天空族(スカイエン)の塔』における、冒険推奨階

    『タワークエスト』では、この推奨階での冒険をおすすめします。


 4:本職の冒険者になった場合の、推奨職業

    学校を卒業されて冒険者になる場合の、職業決定の参考としてください。



『では、順番に名前をお呼びしますので、呼ばれた方はステージにおあがりください! なお、申込用紙の提出がまだの方は、記入の上ご提出ください!』



 申込用紙? と思ってあたりを見回してみると、記入するための長テーブルみたいなのが目に入った。

 もうみんな提出し終えたようで、スタッフが片づけようとしている。


 俺はあわててテーブルに腰掛け、記入用紙にペンを走らせた。

 学校名と名前はデッチあげで、冒険者ランクは『F』にマルをつける。


 その間もアナウンスのほうは進み、次々と名前を呼んでランクを発表していた。



『次、リンドール学園、シャラール・スパークさん!』



 ……聞き覚えのある名前だ。

 俺はペンを止めて顔をあげた。


 すると、これまた見覚えのあるツインテールのお嬢様が、ステージ上で仁王立ちしている姿が目に入る。

 背後にあるスクリーンには、お嬢様のご尊顔がアップになって映し出されていた。



『では……シャラール・スパークさんのステータス、オープン!』



 冒険者ランク

  D+


 ステータス要約

  全ての能力に秀でている。

  伝説の戦女神(ヴァルキリー)の若かりしころに匹敵。


 冒険推奨階

  10階


 推奨職業

  エリートスナイパー



「うおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーっ!?!?!?」



 と室内が揺れるほどの大歓声がおこる。



「すげぇ……! さすが名門『リンドール学園』でAランクの生徒だけある……!」



「冒険者ランクがD+なんて、学生がなれるランクでは最高じゃねぇか!?」



「推奨階も10階とは……! たしか学生の踏破記録の最高が、10階だったよな!?」



「ああ、でも推奨階ともなると、普通は9階までだぞ!」



「ってことは……10階を突破して、新記録を打ち立ててもおかしくないってことか!」



「それに見て! 職業『エリートスナイパー』ですって!」



「スナイパーってだけでもすげえのに、学生の時点でもうエリートになれることが保証されてるだなんて……!」



「こりゃ、今年もリンドール学園は優勝候補になりそうだな……!」



 誰もがシャラールに羨望の眼差しを送っている。


 しかし、俺のすぐ後ろでこぞっていた男子校のヤツらは……蛇のような嫌らしい視線をシャラールの身体に絡みつかせていた。



「『リンドール学園』のシャラール……噂どおりのイイ女だな……!」



「へっへっへ……塔の中で会うことがあるかもしれねぇな……!」



「出会った他校の生徒を、メチャクチャにできる……『タワークエスト』の醍醐味だよな!」



「おいおい、お前ら……あまり派手にやんじゃねぇぞ」



「塔の中では人目のつかないところで、そして徹底的に……でしたよね、先生!」



「そうだ、徹底的に、だ……! ヤラれたヤツが棄権するくらい、徹底的に……! 骨の髄までトコトンしゃぶってやるんだ……!」



「うっひょぉ……! あの子をしゃぶったら、どんな味がして、どんな声で鳴くんだろうな……!?」



「それに、アイツだけじゃねぇぞ! なんたって名門のリンドール学園には、お姫様やお嬢様……まだ男も知らねぇようなとびっきりの美少女がウジャウジャいるらしいぜ!」



「ああ、なんたってあの『マーメイズ』もいるんだよな!?」



「マジかよっ!? 俺、ミューティちゃんのファンなんだよ! 握手会にも行ったんだ!」



「ヘヘッ、うまくやれば、手以外のところも握ってもらえるかもしれねぇぜぇ……? ヒーッヒッヒッヒ!」



 下卑た笑い声を背に、俺は申込用紙を提出する。

 紙を握りつぶしちまわねぇように、堪えるのに必死だった。

次回、タクミのステータスオープン!


それと新作小説を掲載いたしました。

本作がお好きな方でしたら、同じく楽しんでいただけると思います。

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★新作小説
ゲーマーおっさん、ゴーレムに引きこもる…でもソレ、実はスーパーロボットですよ!?
本作が好きな方でしたら楽しんでいただけると思いますので、是非読んでみてください!


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