51 天空族の塔へ
新連載、はじめました!
『チートゴーレムに引きこもった俺は、急に美少女たちから懐かれはじめました。キスしながら一緒に風呂やベッドに入るって聞かないんです!』
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※本作のあとがきの下に、小説へのリンクがあります。
船の中の寝室は、海の上に浮かんでいることを忘れさせるほど安定していた。
常夜灯だけの薄明かりの中、俺はベッドの上に大の字になって寝ている。
見上げる天井には、蠢く四つの影が投影されていた。
一糸まとわぬことがわかる、丸みを帯びたシルエット。
滑るように動くたびに、俺の肌にナメクジが這ったような跡が走る。
でも不快さはまったくない。むしろ心まで洗われるような、不思議な気持ちだった。
「んぷ……どうですか? 旦那様」
俺の胸に赤ちゃんのように吸い付いていた、ミューティが顔をあげる。
「あっ……ああ、気持ちいいよ」
ちょうど敏感なところを刺激されていたので、声が裏返るのを禁じ得なかった。
「ちょ……そこはまだ、早いんじゃねぇか?」
手ど押しとどめると、股の間に割り入っていたフォティアが顔をあげる。
「ダメだって、あたしら海棲族が契を交わすときには、こうやってすみずみまで舌で舐めて、身体を清めるんだから」
俺の足の親指を熱心にしゃぶっていたアネモスが、ちゅぽんと口を離す。
「でもふつうは一対一なんだけどねー、四人がかりで舐められるのって、ハーレム王みたいじゃね?」
控えめにペロペロしていたセリリムが、俺の右腕を取りながら言う。
「いいえ……旦那様は本当にハーレムの王様です……! 見てください……!」
俺の腕を覗き込んできたマーメイズたちが、「わぁ……!」と驚嘆の声をあげる。
「すごい……旦那様の腕、アザでびっしりだよ……!」
「マジ!? これって村の女の子全員ぶん!? マジでタトゥーみたいになってんじゃん!」
「おい、左腕にもあるぞ! まさか本当に村の女たちをみんな惚れさせちまうなんてなぁ……!」
「まあ、当然だね! あんな風にピンチを救われたら、好きにならない女の子なんていないよ!」
「だよねー! もう私もどうしようもないくらい旦那様ラブだもん!」
「でも、これからが大変です……!」
「そうだよなぁ……百人もの女に惚れられちゃ、さすがの旦那様も、身体がもたないんじゃないか?」
俺は、マーメイズの頭を順番に、ポンポンと撫でた。
「……心配するな。俺はもう決めたんだ。このアザにある女たちは、全員幸せにしてやるって……!」
するとマーメイズは、輝く瞳をうるっとさせたかと思うと……辛抱たまらん様子で俺の顔に飛びかかってきた。
「ああんもう! 好き! 大好きですっ、旦那様!」
「このっ、どれだけあたしらをメロメロにすりゃ気が済むんだよっ!」
「旦那様ヤバすぎー! もうなんでもしてあげたくなっちゃう!」
「セリリムたちのことも、幸せにしてくださいね……!」
犬みたいにベロベロ顔を舐められまくって、俺はくすぐったくてつい笑っちまった。
「ははっ、お、おいおい、くすぐったいって! よ……よぉし……今度はこっちの番だっ!」
俺は起き上がりつつ、両手でマーメイズをひとまとめに押し倒した。
ベッドはキングサイズなので、少々暴れたところで落ちることもない。
形勢逆転すると、マーメイズは急に黙り込んでしまった。
潤んだ瞳と、緊張した面持ち。
瞬きをするもの忘れ、俺の顔を瞳に映している少女たち。
俺はちょうど真下にいたミューティに、腕立て伏せをするみたいに覆いかぶさった。
「……よし、まずはお前だ。……いいな?」
最後の確認をすると、ミューティは覚悟を決めたようにこくんと頷く。
「う……うんっ……旦那様……初めてなので、やさしくしてね……」
そう言われて俺は、気を利かせる。
初めての痛みをなくすツボを刺激してやろうと思って、ヘソの下に手を伸ばしたんだが、
「あっ……ツボは、やめて……」
両手できゅっと握りしめられてしまった。
「……旦那様がボクにくれる、初めての痛み……。それだけは、ありのままに感じたいの……だから……」
「……そうか、わかった」
俺はミューティの手を握り返し、両腕をバンザイさせるようにベッドに押さえつけた。
「いくぞ……」
「うっ……うんっ! んうぅぅっ……!」
腰を押し進めると、迎え入れるようなあたたかさと、拒絶するような抵抗感があった。
それでもかまわずぐっと力を入れると、ミューティは声なき悲鳴をあげながら、弓なりに身体をのけぞらせた。
顔を上気させ、荒い息とともに胸を上下させる……たったいま、女になった少女。
「はぁ、はぁ、はぁ……これで……ボクは旦那様とひとつになったんだね……」
水を張ったように潤む瞳から、真珠のような大粒の涙がぽろぽろとこぼれ落ちる。
嬉し泣きをはじめるミューティに、俺はたまらなくなった。
ああ……俺の嫁……! ミューティをもっと感じたい……!
本当にひとつになるほどに、抱きしめて……壊れるほどに愛したい……!
しかしミューティは、きゅっと手を握り返してきて……俺を正気に戻す。
「ずっとこのままでいたいけど……旦那様、次は、みんなの初めてをもらってあげて……」
その提案に、「いや、このまま最後までしてもらおう」と断るマーメイズたち。
しかしミューティはふるふると首を左右に振った。
「ううん……約束したよね? ボクたちマーメイズは、いつでも、なにをするにも一緒だ、って……」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
俺は、村の女たちが見つけ出してきてくれた『婚礼の船』で、ミューティと……そしてマーメイズたちと契りを交わした。
船での初夜を終えると、そのまま俺たちは『タラッティア王国』へと向かう。
島はもう沈んじまったので、村の女たちもみんな引き連れて。
きっと王国では、摂政が軍備を整えて待ち構えていることだろう。
それに、俺が国王になることを良しと思わない連中……もしかしたら国民全員が反対して、妨害してくるかもしれない。
マーメイズと村の女たちに危害が及ぶのを心配し、まず俺が単身で乗り込もうとしたんだが……全員から命がけで止められてしまった。
しょうがないのでマリリンと、女戦士軍たちだけには協力してもらい、万全の体勢を整えて城下町へと乗り込んだんだが……そこには思いもよらぬ世界が広がっていた。
まるで俺が来ることを、国民全員が待ちかねていたような大歓迎を受けたんだ。
王城までの道には大勢の人が詰めかけ、俺の似顔絵が入った看板や、名前の入ったのぼりが掲げられていた。
準備されていた豪華な馬車に「どうぞどうぞ」と乗せられ、パレードのように大通りを進む。
すると、大歓声に包まれた。
「タクミさまぁーっ! 我らが新国王、タクミさまぁーっ!」
「ずっと中継で応援しておりましたーっ!」
「タクミ様が次々と起こす奇跡に、この国のみんなは毎日熱狂してたんでーすっ!」
「もう感動しちゃいましたーっ! 大好きですっ、タクミさまぁーっ!」
「我ら海棲族は、平地族の国王、タクミ様に忠誠を誓いまぁーすっ!」
「ほらほら、この大通りにはタクミ様を称える銅像がいくつもあるんですよっ! 連日大賑わいです! タクミ様も是非見てってくださぁーいっ!」
「タクミさま、ばんざーい! ばんざーいっ!」
石のひとつも投げられず、まるで国を救ったヒーローのような待遇で城まで運ばれたので、俺は拍子抜けした。
どうやら国民たちは、みんな俺の味方のようだ……ならば残る敵は、摂政のみ……!
と気を引き締めて城に乗り込んだんだが、
「お待ちしておりました、タクミ様! 我らタラッティア王国魔法軍は、新国王であるタクミ様に、この命を捧げます! 掲げよ、砲っ!」
魔法を使った打ち上げ花火を披露され、お祭りのような歓待を受けた。
「タクミ様、そしてミューティ様を陥れようとした、憎き摂政はすでに我々と国民の手によって処刑済みです! ですのでご安心して王座におつきください! ささっ、どうぞ!」
いたれりつくせりだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
こうして俺は晴れて、タラッティア王国の国王となった。
でも……その座は一日で譲り渡しちまった。
こう見えても俺は修学旅行中の身だ。
まだまだ行ってみたいところはいっぱい残っている。
だから、マリリンを摂政に据えた。
『ナロー』を守るために反逆したマリリンなら、前摂政みたいな変な弾圧はしないだろうと思い、適任だと判断したんだ。
任せておけば、国民たちの『ナロー』への差別意識も取り除いてくれるだろう。
ちなみに……前摂政に捕らわれていた『ナロー』の人質たちは全員無事だった。
解放された人質たちは改めてタラッティアの国民となった。
それと、ビックリしたんだが……マリリンが王国に置き去りにしてきた娘というのは、他ならぬセリリムだというのが判明した。
再会を果たし、親子三人で抱き合って号泣する姿には、俺も思わずもらい泣きしそうになっちまった。
その時ミューティが教えてくれたんだが、幼いころに離れ離れになったメンバーの親を探すために、マーメイズを結成したんだそうだ。
ミューティ自身、幼いころに両親を失っていたので、みなし子であるフォティア、アネモス、セリリムを他人とは思えず、学友にしたらしい。
アイドルになって有名になれば、きっとみんなの親も見てくれて、再会できるんじゃないか……と思って日々活動していたそうだ。
その話を聞いて、俺はちょっとミューティを見直しちまった。
さすがは俺の嫁だ、って……!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「わぁーっ! これが『天空族の塔』!?」
「でっかいねぇー! さすが修学旅行最後のメインイベント!」
「たしかにすごいわぁ……ああ、タクミくんにも見せてあげたかったなぁ……」
「クーレ先生も、そう思われますか? わたくしも、タクミ様に引き回されながら、塔をご一緒してみたかったです……」
「おい、スジリエ、ずるいぞ! スジリエはタクミ様とさんざん『おさんぽ』してきたんだろ!? 次はアタイの番だ!」
「旦那様……やっぱり一緒に連れてくればよかったかなぁ?」
「しょーがねぇーだろ、ミューティ! 転送魔法は術者である先生たちの所に出ちまうんだから……もし旦那様が一緒にいることがバレたら、学園に強制送還されちまうんだって!」
「まーったく、センセーたちもアッタマ堅いよねぇー!」
「Fランクの方も、修学旅行に同行できるといいんですけどね……」
「まったく……なによなによアンタたち、タクミのバカがいないくらいでお通夜みたいな顔して! その点アタシは違うわよ。この『天空族の塔』でいっぱい功績を残して、あのFランクのタクミを悔しがらせてやるんだから……あいたっ! って何よアンタ!?」
「え……えっと、つ、『壺仮面』です」
「なにが壺仮面よっ!? 人をいきなりつついたりして! その笑う壺みたいな変なマスク、取りなさいっ……!」
「あらあら、どうしたの? シャラールちゃん?」
「ちょ、ちょっと……急に、オシッコに行きたくなっちゃって……あっ、に、逃げんじゃないわよ! 待ちなさい、壺仮面っ!」
「また、お会いしましょう」
「なんでアンタみたいなのとまた会わなきゃいけないのよっ! アンタに比べたら、タクミのほうがまだマシ……あっ……や、やばっ……!」
異世界指圧師の第2章『ハーレム修学旅行にイッてきます!』はこれにて完結となります。
拙い文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次章は修学旅行の後半戦、『クラスメイトをxxxします!』。
タクミが天空族の塔で、大暴れするお話になる予定です。
それと新作小説を掲載いたしました。
本作がお好きな方でしたら、同じく楽しんでいただけると思います。
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