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武龍伝  作者: とみぃG
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171 国賓

クリスは魔法を見て驚く艦長と副長がもしドワーフとかエルフ増してや獣人を見たら何て思うのか少し不安になった。

クリスから見た艦長と副長は人の善さそうな人達だが全ての人が艦長達の様にはいかないだろう。物珍しさに悪い事を考える者もいるかも知れなない。リュウが以前に人間が一番愚かな種族だと言っていたことを思い出した。


会議室での接見が終わった後、艦長と副長は席を外した。どうやら上に報告をしないといけないらしい。悪い事は言わないだろうから心配はしていないが、上に野望や良からぬ事を考える者がいないことを祈るばかりだ。


30分程して艦長達が再び会議室に戻ってきた。


『王女、大変言いにくい事なのですが、我が国の首相、あ、一番偉い人です。その首相が正式な国賓として迎えたいと申しております。』


『はい、大変光栄に存じます。国賓扱いを頂くということは私達の安全は保障されると考えてよろしいでしょうか?』


『勿論です。王女は平少佐の奥方でおられる。言わば身内の様なものですよ。ただ、浮遊島の事は極秘事項として伏せておきます。王女はマキワという国からの国賓という事とさせていただきます』


『はい、それで結構です。ご招待いただくのは父達もですよね?』


『お父様ということは・・・国王様ですよね?』


『はい、国王の父と女王の母です』


『無論ですとも。是非ご一緒に来ていただけると光栄です。


あと一つだけお願いがあるのですが・・・出来るかどうかはわかりませんが・・・』


『なんでしょうか?』


『浮遊島の事は内密にしておきますが、あそこにずっと浮かんでいると漁船や輸送船、人工衛星などの目がありますので近いうちにバレてしまいます。何とか隠ぺいさせることはできないでしょうか?あとは島の高度をもう少し下ていただきたいのです。今の高度だと航空機の障害とレーダー補足される可能性があります。海上浮遊か高さ100メートル程度の高度でお願いしたいのですが・・・』


『どうですソフィア、出来ますか?』


『はい、光学魔法で反射させることで背景と同化させることができます。ただ、魔法をかけ続けるとかなり消耗しますので装置を起動して発動させる様にした方がいいですね。モノローグの職人にお願いすればすぐに作ってもらえると思います。今はドワーフもいますしね。高度も調整で何とかなりますよ』


『今、ドワーフとか言いませんでした?』


ソフィアは”しまった!”と思ったが口から出てしまったものは仕方ない。


『ドワーフをご存知なのですか?』


『あ、いえ、ファンタジー小説などで登場するあのドワーフかなと思いまして』


『はい、恐らく想像しておられるものと同じだと思います。ドワーフの他にもエルフやフェアリー、獣人などもいます。だた私の国は人間の国なので少数の方しか今はおりませんが。あのう、この事も内密にしておいていただけますか?』


『勿論です。むしろ知れ渡るととんでもない事になってしまうでしょう』


クリスは艦長が物分かりの良い人物で良かったと胸をホッと撫でおろした。


『それではご準備もおありでしょうから5時間後にこちらに起こしいただくということで宜しいでしょうか?』


『はい、それで結構です。父と母に報告致します。それと同行者は何人くらい可能でしょうか?』


『そうですね。我々も貴族の風習というものを良く知りませんが、侍女などの事ですよね。国賓ですので20~30名程度というところではないでしょうか』


『判りました。お心遣い感謝いたします。では5時間後にまた』


そう言うとクリス達は甲板に戻りホバープレーンでローグへと戻った。


クリス達を見送った艦長達はホッとした表情を浮かべた。

エイリアンだったらどうしようと思っていたのが魔法が使えるとは言え人間とほぼ同じで言葉も通じる相手だとは思ってもいなかったからだ。しかもあの平龍の家族ということで双方にとって悪い様にはならないのは明白だった。


『それにしても艦長、魔法って本当にあったんですね?』


『ああ、あれを見た時には驚いた。だがあれは相当出力を押さえてたみたいだぞ?本来の力なら台風並みの竜巻になったんじゃないか?』


『戦略兵器と考えたら恐ろしいものがありますね』


『やはり彼らの存在は公には出来ないな。他国やテロリストの手に落ちるととんでもない事になりかねん』


艦長と副長は魔法の事は上層部には報告していない。自国でも戦争を起こしたがる輩がいるので迂闊に知られてはいけないと判断したからだった。この世界の日本は第二次大戦で敗戦していない常勝の軍事大国日本なので多くの国との戦争を繰り広げているのだ。


ローグに戻ったクリス達は国王達に巡洋艦での話を報告し、この国の長に招待されたことを告げた。


『そうか、ここは婿殿が居た世界だったのか。まあ見ず知らずの土地よりも良かったではないか』


『はい、艦長も物分かりの良い善い人でした。主人の元部下だったというのには驚きましたが』


『こっちの世界に来ても婿殿に守られているのだな』


『はい、そうですね。』


クリスは今も尚戦っているリュウを案じながら早く戻って来て欲しいと願った。


国王達は5時間後に巡洋艦に乗り込むにあたり人選と準備に取り掛かった。


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