表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武龍伝  作者: とみぃG
134/222

133 ダークサイド

魔界最南東にある火山島



『オーグ様!大変申し訳ございません!このガズル今回の失態命に代えてお詫びいたします』


『そう急ぐな、ガズルよ。儂があやつらを侮っていた結果に過ぎん。ガズルが悪い訳でもなかろう』


『ですが、もう我々には軍勢も殆ど残っておりません。一体どうやって体制を立て直してよいのやら・・・』


『いつになく弱気だな。ガズル。儂は決して負けたと思っておらんぞ?』


『何か良いお考えがお有りなのでしょうか?』


『軍勢の事ならカグラが解決したであろう。それを進めるといい』


『いや、ですが、施設は全て破壊されてしまいましたが・・・』


『カグラよ。あの施設を壊される前の状態を想像してみろ』


『判りました。よく判りませんが完成状態のものを想像します』


オーグは神楽元の頭に手をかざした。


『うむ、これなら大丈夫だろう。儂は元神だ。その力の多くは封印されてはおるが、いまだ使える能力もある。その一つに万物創生というものがある。これでカグラの施設を造ってみるか』


そう言いながらオーグは島の比較的平坦な場所を選んで万物創生を唱えた。そしてそこには破壊されてしまった神楽元の生物工場が無傷の状態で復元された。


『おお!すばらしいです!オーグ様。流石といえる神業です』


神楽元は二度と復元できないと思っていた工場が蘇ったのが信じられなかった。いとも簡単に出来過ぎだったからだ。


『まあ、慌てるでないぞ。これは所謂側に過ぎん。カグラの想像は外観イメージしかなかったからな。これから中の設備を想像を元に復元させていく。多少の時間は掛かるが確実に元の状態に出来るぞ』


『ククク、この神楽、オーグ様のお慈悲を賜り光栄です。私もオーグ様にこれに見合うお返しをさせていただかないとなりませんね。

少し考えていたことがありますよろしいでしょうか?』


『うむ、なんなりと申してみよ』


『はい。オーグ様の復活には負の力の貯えが必要と聞きました。人々の負の感情を取り込んで一定以上満たされると封印を壊す力が蘇るという認識ですが間違いないでしょうか?』


『うむ、カグラの言う通りだ。それがどうかしたのか?』


『はい。人々を恐怖に陥れ負の感情を取り込むというのは相応の人数を用意する必要があり効率が悪いです。人は恐怖を感じるとそれ以上の感情を封印してしまう生き物ですから。殺戮するにしても、もやしの様に生えてくるでもなく狩り取ってしまうと再び数を用意するのも困難です。なので今までの方法だと現存の人数で満たない場合は復活できないという結論となってしまいます』


『うむ、儂もそれは感じておる。なので長年の蓄積が必要となるのだ。すぐに復活できない理由はそこにある』


『負の感情というものは何か形があるものではありません。ですが、その正体は何かというと電波の波長の様なものと私は考えます。

いや、これは私の元いた世界の話なのでご理解できないかも知れないのですが、人の思考も感情も形になるものは何もありませんが、脳から微弱な電流が流れそれが電波となって発せられます。この電波というのは非常に微弱な波長なのです。


元の世界では電波を受信する技術があります。飛び交う電波は非常に微弱なものなのですが、これを増幅させて声を聞こえる様にさせたり映像として見れる様にしたりと実用的な領域まで増大させるのです。


感情の電波をこの増幅装置を用いればどうなると思います?

技術的には何百倍、何千倍にすることは簡単です。ということは、

増幅装置があれば何百年もかかるものが数か月で出来てしまうということなのですよ』


『すまぬ。すべては理解できておらんが、結論から言うと負の感情を増幅して取り込めるということだな?』


『はい、仰る通りです。もっとも今のは理論上なのでこれから実験を行い確認をしてみないといけません。それとエネルギーの蓄積をどうするのかも考えませんと・・・』


『それにはいい物があるぞ。カグラよ賢者の石というのは聞いたことがあるか?』


『はい、神の力を秘めた石で、その石の力でホムンクルスを生み出したりありとあらゆる力の増幅を行うという・・・もしかしてこれを増幅装置にと?』


『その通りじゃ。だが賢者の石は聖属性で儂らは触ることも出来んがカグラなら問題なく触れるだろう。その石を入手したら儂の力で特性を反転させて闇属性の石にするのだ。それで暗黒の力の増幅を可能にできるであろう』


『なるほど。それなら実現させるもの早くなりそうですね』


『うむ。まずはカグラよ、賢者の石を集めるのだ。集まったら儂が石の加工をする。お主が集めている間に儂はお主の施設の復元をしておこう』


『おお!それは助かります。判りました。ローグに潜伏して石の確保を行って参ります』


『お主の活躍次第で半年後には儂も復活できるかも知れぬの。期待しておるぞ。

ガズルは新しく侵攻させる軍の準備にかかれ。そして新しい軍の名前をダークネスと呼ぶことにする』


『ははっ、オーグ様。ダークネスを早く進軍出来る様全力で準備にとりかかります』



せっかくリュウが魔鬼生産工場を破壊したのだが今まで以上に敵軍が増えることとなりそうだった。リュウはその事はまだ知らないが、そう出てくることも想像している。その為の戦力増強としてカーラとエレノアの仙人界の特訓だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ