第二話「過去」
第2部
あれから…色々あって。焼却場に行っても、みーちゃんは…焼かれていなかった。この世から…消された?消された、消された、消された、消された、消された、消された、消された、消された、消された、消された、消された。「…あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!」私の唯一の友達…がっ!友達、ともだち、トモダチ…私はその場で崩れ落ちてしまった…
夢を見ていた。私がまだ世界は楽しいことで満ちていると信じていた頃。「でね!今度新しいお裁縫に挑戦しようと思うのー涼夏ちゃんはどう思う?」私にキラキラした目で語りかけてくるのは…宮田美衣ちゃん。私の唯一の親友だ。長い髪にきっちりと揃えられた前髪。パッと見てもまるでお人形さんのように可愛い子だ。最近はお裁縫にはまっているらしく、様々な作品を見せてくれる。それはとっても良く出来ていて、子供心にも感心した。「美衣ちゃんはすごいよ。こんな物まで作れちゃうなんて。私には無理だなー…」「出来るよ!涼夏ちゃんにも。今度教えてあげるよ!」美衣ちゃんが私を気遣ってくれているのがよく分かる。両親が離婚して…辛い状況の私に積極的に話しかけてくれるのだから。学校にもお友達のいない私に美衣ちゃんだけは優しく接してくれた。行きも帰りも。家は逆方向なのに。美衣ちゃんは一緒の方向だって言ってるけど…この間住所を偶然見てしまったから。年賀状を住所を書かずに毎年手渡しなのも納得できた。そのくらい優しい子なのだ。当然、学校でも人気者だった。自分の席で黙々と本を読んでいる自分と違って、色々な友達がいた。その中に…徳永さんがいた。「宮田さんって少し私達を見下してるよね。」そんな適当な噂も彼女が流した。そんな噂誰も信じない…そんなことなかった。病院の令嬢に誰も逆らえなんて出来なかった。徐々に美衣ちゃんはクラスの皆から無視され始め、とうとういじめに発展してしまった。私が一生懸命弁解したけど…結局、美衣ちゃんは転校することになった。美衣ちゃんがこの町を離れる夜、こっそり私に会いに来た。「涼夏ちゃん…最後に会いたかった。私のこと一生懸命守ってくれてありがとう…お裁縫誉めてくれてありがとう…こんな私を…」「わ、私だって!美衣ちゃんにいっぱい助けてもらった…!私、美衣ちゃんがいないと不安だよ…美衣ちゃん…」抱き付いた美衣ちゃんの顔は…涙で濡れていた。でも、私を心配させたくなくて…笑顔だった。「…この子はね!みーちゃんって言うの!猫だし、私の名前から取ってみーちゃん。私が作った中で…一番っ…上手く出来たから。涼夏ちゃんの誕生日プレゼントだから。」「うん…大切にする!絶対…!」最後は二人で泣きながら、さよならをした。




