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第81話・インプロゼーション(即興振付)の体験レッスンを受けました

 インプロゼーションとは自分でその場で振付をして自分で踊ることをいいます。略してインプロと書きます。

 以下はウィキから引っ張ってきました。

↓ ↓ ↓


即興(そっきょう、英: Improvisation)は、型にとらわれず自由に思うままに作り上げる、作り上げていく動きや演奏、またその手法のこと。インプロヴァイゼーション、アドリブともいう。ただしインプロヴァイゼーションとアドリブを厳密に区別する者もいる。一般には、音楽・ダンス・演劇の世界において使用される語。

形式による制約よりも、演奏時・演舞時の知覚を優先とする。 音楽・ダンスなどにおける創造の源流でもあり、作品制作時においても深く関係する。


↑ ↑ ↑

(以上引用終わり)


 ある有名なコンテンポラリー教室ではレッスンの最後にインプロを必ずさせるという記事を読んだことがあって、どんなのだろうと思っていました。ローザンヌなどの大きなコンクールでは、インプロ審査は必ずあると聞いています。本格的なバレエ教室ではそれに照準してやらせるところもあるでしょう。インプロ……私の小さい時にはそんなものはありませんでした。

 クラシック(古典)だけではバレエは生き残れないという考えが根底にある表れだと思っていますが、さてどんな感じでしょう。それを思いついてモノハタメシとばかり参加してみました。


 レッスンは普通にバーレッスン。それからセンターにうつってまず先生が曲を流します。一分ほどで海や川の流れる音によく似た? 感じのオーケストラ。曲名は不明。

 講師は若く、明るくもないが暗くもない淡々とした態度です。講師は私たちに向かって言いました。「ハイでは。この曲で感じるままに踊ってください。十五分ほど考える時間をあげます。そのあと、一人一分間ずつやってもらいます」

 ひえええ、ソロでやるのかっ!

 一分間の振付を十五分で考えろと?

 長いのか短いのか皆目見当がつきません。


 急に先生の顔が悪魔に見えました。でも慣れている生徒は嬉しそう。楽しそう。インプロも慣れると自分で振付して自分で踊りたくなるのかも。私は最初から上手に踊れるわけがないので、腹をくくります。

「では無理やりでも楽しませてもらいましょう」 と思いました。

 でも考える時間が十五分なんて一瞬ですよ。読者の皆さん、ほらもう順番がきてしまいましたよ?


 先に出た生徒は即興で講師の流す曲に合わせて踊ります。結構うまい。先にやる方がもたついているよりも、有利かも。新鮮にみせられるかも。

 オーディションやバレコンではインプロで舞台上での積極性を見るところもあるだろうなあ。

 私はあせるだけ。奇妙な汗が出る。若い人は躊躇なくさっさと出て踊る。周りはこれまた若い人ばかり。大人バレエなら、大人しく大人バレエ用のスタジオに通えばいいんだよと言われそう……被害妄想的な考えが次から次へと湧いてきます。

 けどもう私は老い先短いしここまできたらもう一生目立つことないし出来るだけ多くの体験もしようとひらきなおっちゃいますよ。一回限りと決めればインプロだってバチがあたるまい。と言い訳する。

 とりあえず、普段よくやっている、バレエのバーレッスンをベースにやっていく。ということは音楽にあわせて身体を動かしてはいるが、動きがないってことですよ。それは自分でも自覚はした。

 そしてたった一人センターに出て皆に見つめられながら踊ります。

 一分、その一分が長く感じました。間延びした振付はだめだなあと思いつつも、基礎を重視した振付にしましたが、さてどうでしょう。褒め言葉は期待はしない。

 ……、

 講師のコメントはなしでした。本当にひとっこともなかった……無言で無表情で踊る私を見てる。それから目をそらす。

「ハイ次の人」 と言われました。

私は「やっぱり相当ひどかったか」 としょんぼり。この講師が過去にご覧になったインプロの中でワーストワンだったかも。

 ただ他の生徒のインプロも見ましたが、あれは慣れも入ってくるのではないかと思う。それとどことなく似てしまうってのもアリ。というか新鮮味が皆無。自分のことを棚上げしていうが、観客としてみるならインプロは全くおもしろくない。

 私はインプロはお手本になる講師のも見ましたが……意外性がないのが本音です。確かに講師の振付は見事でやはりプロのダンサーは違うなあと思いましたよ。でも何を考えてその振付にしたのか一見見ただけではわからない。だからインプロって固定の観客がつかないし商売にならぬのでは? 感性が大事なのはわかるが教えられるようなものではないし、感性は教えてもらえるものではない。

 もしこのレッスンでこの講師が驚いて褒めまくるようなインプロができたら、その生徒は天才です。

 そのぐらい、はっとする斬新な振付がなかったということです。


 もっと正直にいうと私はクラシックバレエのインプロでおもしろいと思ったのは過去一度もないです。インプロ、自分でやると難しいです。しかしバレエレッスンのつなぎや模倣。有名なコリオグラファーの振り移しもダメ。となると動きも限られてきます。インプロ慣れしてどんな曲でも身体を動かせる能力を身につけるのは、たくさんのレッスンをこなすよりも、他の舞踊や美術鑑賞、舞台鑑賞をする方が意外性のある振付ができるのではないかと愚考しました。

 以上、前回のコンテンポラリーレッスンに続き、インプロもダメな私でした。私は本当に超のつく劣等生ですよ。しばらくは大人しく普通の大人バレエのレッスンに専念します。





 

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